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【書評note第50号】実験思考

タイトルにある「実験」という言葉通り、この本には実験が詰まっていました。
まずは本の売り方から。

リンクを見てもらえればわかるが、kindle版はなんと0円!
紙のフォーマットについても印刷代など原価代のみの390円+税で販売しており、つまり従来の感覚で考えると本を売るだけでは利益は全く出ないということだ。

じゃあどうするかというと、

https://jikken-shiko.com/QR/

「本の価格を読者の自由に委ねてみたら、定価で売った場合より儲かるのか?」

売り方も実験しているわけです。
ちなみに僕は、


3,000円お支払いさせていただきました。
ただ、このnoteを書いているまさに今確認したところ、こうなってます。


45,695,700円÷888=51,459.12...
一人あたり5万円払ってる計算になるんですね・・・。(凄)

ちなみに1,500円で売ったとすると、すでに3万冊以上売れている計算になります。
(※計算式=45,695,700÷1,500)

幻冬舎のHPをみると、初版って1万部とからしいです。

https://www.gentosha-mc.com/faq/detail19/

そう考えるといま第三版で、おそらくもっと売れると思うので、最終的にはそこらへんの平積みの本より全然売れるんじゃないでしょうかね。

ということで売り方が革新的、かつめちゃめちゃ売れているわけですが、内容も目からウロコが落ちまくりでした。

著者の光本勇介さんですが、CASHという身の回りのものが現金に変わるというサービスで一躍有名になられた方です。
(※それ以前にすでに有名だったらすみません。僕が光本さんを知ったのはCASHリリースのタイミングです)

経歴をよく見たら大学も一緒だったので勝手に親近感を持ちました。
(年齢離れてるのでキャンパスですれ違ったとかはなさげです)

高校生の頃から裏原系の服をネットで売りさばいたりなど、人より商売が好きなようで、ビジネスの嗅覚の鋭さが本書の随所に垣間見えましたが、一番参考になったのが、

普通の感覚は大事

このように言い切って、自らも意識的に普通の生活を送るようにしているとのこと。
サービスを使うのは普通の人だから、普通の感覚がないとうまくいかないというのが信条のようで、Yahooニュースだったり一般大衆が見ているものにもきちんと目を通すそうです。

意識の高いような記事で、英字新聞で最新の世界情勢をキャッチアップして経営に活かすなどありますが、そういうものはむしろ「普通」の感覚から遠ざかるような行為ですね。
日本に住んでいる普通の人は英字新聞なんて読まないし、現地の人も新聞よりゴシップ誌の方が好きなんじゃないでしょうか。
2ちゃんねるが非常に多くのアクセスが集まっているのも、よくよく考えればそういうことだと思います。

普通を意識した生活を送り、その上で不満に思ったりしたこと、こうしたら面白いんじゃないかというものが思いついたらそれはすでにビジネスの種で、あとはやるだけ。
光本さんもCASHはじめ各種サービスをそうしたフローで思いつき、実行しているようです。

普通に生きる、というのが個人的にこの本のキモだと思ってますが、その他にも役立つ部分たくさんあるのでぜひ。







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