ろうそくの火を消す様に
「自分が死ぬ時は、ろうそくの火を消す様に一緒に息子の命も…」
と妻が口走ったことがあり、理由を聞いてみました。妻の答えは、
「自分達がいない世の中で彼が幸せに生きていけるとは思えないから」
でした。
他の親御さんのSNS等でも同様の投稿は(その理由は様々ですが)正直よく見かけしますし、正直にいうと同じことを考えたことがない(障害を持つ子どもの)親御さんはいらっしゃらないのではないかと思っております。
私は何度も考えました。
息子には大変失礼な話ですが、息子に障害が無かったら、健常者だったら…とこれまで数えきれないくらい考えてきました。
少しずつ色々なことを諦めて、色々な理不尽と戦って(笑)、支援を勝ち取って…そんな十数年でした。
他人の息子を見る目が辛くて、もういっそ隔離された地域を作ってくれたら喜んで家族みんなそこに住んでやる!と思ったこともあります。
人より成長が遅くてもきちんと成長して、出来ることが少しずつ増えていく姿に「あぁ、かわいいな」と思えたのはここ数年のことだと思います。
もちろん、良いこともたくさんあります。
成長がゆっくりなので、可愛いと思える時期が長い。しっかりと成長していく姿が見れること。
それに、彼が見せてくれた世界は私は全く知らない、気付いてすらいなかった世界でした。
ヘラルボニーや作家の岸田奈美さんとの出会いも、そんな息子が連れてきてくれた縁です。
岸田奈美さんの『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』には何度も魂を救われ、ヘラルボニーの作家さんが放つ異彩は、心と未来を照らしてくれました。
私はちっぽけな存在なので息子の為に何が出来るか分かりません。
それでも、息子が少しでも生きやすい世の中になる様に行動し続けていこうと思います。
誰も取り残さない社会を目指します。
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