現代気功はオカルトでもスピリチュアルでもない



 気功とは、『共感覚による内部表現の書き換え』である。
 
 と言っても、何を言っているか分かりませんよね。
 だから、もっと簡単に説明すると、気功とは脳を騙す技術である、ということなんです。


 1)気功は脳を騙す


 脳を騙すとはどういうことか?
 
 まず最初に、脳はリアリティーのある世界を現実だと認識しています。
 何故なら、この世界はバーチャルで、確かなものは何一つないからです。
 これは、もはや認知科学によって、既に明らかにされた事実です。
 
 
 そんな不確かな世界で脳は、リアリティーの強さを指標に、現実か否かを判断しています。
 
 故に、たとえどんなに突飛な世界でも、リアリティーが強ければ、脳にとっては現実になります。
 私たちが小説や映画を通して、泣いたり笑ったり感情移入できるのは、脳が小説や映画にリアリティーを感じることが理由なんですね。
 
 
 そして、気功はこの脳の原理を利用します。
 強いリアリティーを生成することで、例えば「夢を叶えた自分」や「美しい自分」を脳にとっての現実にします。
 
 すると、脳内ではもう夢を叶えているのに、現実では夢を叶えていないという矛盾が生まれます。
 脳はこの矛盾を解消するために、全力で夢を叶えようとするのです。
 
 
 そして、このリアリティーを生成する上で、肝になるのが共感覚です。
 共感覚と聞くと、あなたは「音を聞くと色が見える」とか、「3の数字は甘い味がする」というようなイメージを抱くかもしれません。
 
 しかし、私たち気功師が使う共感覚とは、上記の共感覚とは少し違います。
 私たちは、情報に感覚を付与するのです。
 つまり、情報を実際に触っていくのです。
 例えば、「夢を叶えた自分」というイメージがあなたにあるのなら、そのイメージの手触りを実際に感じに行くのです。
 
 すると、イメージに感覚が伴うので、リアリティーが格段に増します。
 そうして、脳がイメージを現実だと錯覚してしまうのです。

 気功師は、こういった共感覚的に捉えた情報のことを『気』と呼びます。そして、気(情報)を操り、内部表現を書き換えていくのです。
 
 要約すると、気功とは人工的に共感覚を生成することで、脳を騙す技術なのです。


 2)意外と身近な共感覚


 とは言え、これを聞いてあなたは、「本当にそんなものがあるの?」、「自分で感覚を作るとか信じられない」と疑問に思ったかもしれません。
 
 けれど、共感覚なんて誰でも体感しています。
 
 例えば、梅干しなどがそうです。
 そう、あの梅干しです。
 
 あの赤くて、小さくて、シワシワした梅干しを思い浮かべてください。
 …………。
 思い浮かべましたか?
 なら、イメージした梅干しを実際に手で摘まんで、口に放り込んで噛む想像をしてみてください。
 
 どうですか?
 口の中が酸っぱくないですか?
 たとえほんの少しでも、酸味を感じることはできたのではないかと思います。
 イメージを精巧に行うと、自然と感覚が生まれてきます。
  
 これもまた、共感覚なのです。


 3)気功師の手


 共感覚というのは、身近に溢れています。
 でも、私たち気功師が使う共感覚は、他とはちょっと違っています。

 気功師が一番重要視するものはなにか?
 
 手です。
 気功師は、何よりもまず手で情報を感じようとします。
 正直、手を使わない気功師なんていないんじゃないかな、と。
 それくらい気功師にとって手は重要です。
 
 何故なら、手が一番神経が通っている部位だからです。
 そして、手に神経が集まっているということは、より多くの情報を手から受け取れる、ということでもあります。
 
 これが、重要なのです。
 
 手が一番、細かく繊細に情報を受け取れる器官です。
 だから、情報を共感覚的に捉える私たち気功師にとって、手は何よりも重要なものなのです。
 
 けれど、何も開発していない手では、情報を触ることはできません。
 現代社会に生きる私たちは、とにかく身体が鈍くなっているのです。
 勿論、手の感覚も鈍いです。
 
 要は、鈍感なのです。
 情報は受け取っているけど、私たちはそれに気づいていない。
 これでは、情報を触るも何もありません。
 
 だから、気功師はとにかく手を開発していくのです。
 具体的には、手の感覚をひたすら意識に上げていきます。
 そうやって無意識にあったものを意識に上げることで、リアリティーを揺らがせることができます。
 この現象をRのゆらぎといい、その間に気功師は、自分の好きな世界にリアリティーを刻み込んでいくのです。
 
 故に、繊細に、とにかく繊細に、手を開発していくこと。
 それが成された手を、私たちは気功師の手と呼びます。
 或いは、ヒーラーの手とも。


 4)終わりに


 纏めると、気功とは情報に感覚を付与することで、強いリアリティーを生成し、脳を騙していく技術です。
 要は、洗脳技術なのです。
 
 気功のルーツは、洗脳にあります。
 だからこそ、気功はこれほど強烈なツールになるのです。
 
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