温泉旅館のオプションを増やすには

この週末は久しぶりに家族で旅行に行ってきた。なかなかこういう旅もしづらい状況だけれど、自分達の住んでいる鳥取県内であれば大丈夫だろうということで、皆生温泉という所に行ってきた。

泊まったのは海潮園という典型的な温泉宿で、この地域にある最古の岩風呂があるとも言われているくらい老舗の宿だ。

1泊2食付で一人1万2千円くらいと、まぁまあリーズナブルな値段。

コロナで県内の旅館業は大変だと聞いていたものの、思った以上に賑わっているようだった。

温泉宿は、一旦中に入ってしまうと、お風呂に入り、そしてそのまま部屋で浴衣を着たまま食事、というのがスタンダードだ。宿から外に出さずに、中で囲ってしまうスタイルが、もはや日本の温泉宿の典型的な型になってしまっている。

これはこれである意味で安心できていいのだけれど、このスタイルってもっと何とかならないものだろうか。

と思いながら、皆生温泉は海に面していることもあり、せっかくだからと夕方海辺を散歩してみることにした。

すると、砂浜に現れたのはドーム型のテントのようなもの。

中には炬燵が用意されていて、ここで食事ができるそうだ。

一風変わったこの取り組み、町の民間企業や、観光協会などがアイディアを出して行われているそうで、なかなかユニークな取り組みだ。

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温泉宿といえば、食事して風呂、というワンパターンな体験価値ではなく、地域にある資源をうまく使った価値提供の仕方といえるかもしれない。

温泉宿は、如何せん箱が大きいので、それを維持するためには、中で囲って消費してもらわないと採算が取れない、という構造になっているのだろうけれど、これってちょっとプロダクトアウト的な考え方だと思う。

そして、旧来の温泉宿は、人口が増え続ける前提で作られているため、どうしてもマスでサービスやメニューが作られている嫌いがある。その方が効率的なので。

でも、さすがにその構造ってもう無理があるような気がしている。

「旅」をしたいという欲求は、これからも変わることがないと思うし、僕らが「旅」に求める価値は、何より非日常性や驚き、の体験価値だと思う。

浜辺のドームハウスは、老舗の温泉旅館達を目の前に、そんな問いかけをしているように見えた。ちなみにこのハウスは、イベント期間中、既に全ての予約が満杯だそうだ。



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