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社会課題の解決にビジネスから真正面に向き合う

社会の課題を解決行しながらビジネスとしても成立させる。いわゆるソーシャルビジネスという事業形態は2000年代頃から日本でも表に現れるようになってきた。

有名なところでは、途上国の貧困問題解決に取り組むマザーハウスや、病児保育の問題に取り組むフローレンスなどが思い浮かぶ。

これまで社会課題の解決はNPOやNGOなどをはじめとする市民活動団体や公的セクターが担うことが主だったが、近年になってビジネスセンスを持った人達が社会の課題解決に取り組む事例が増えてきた。

本書の著者である田口氏が立ち上げたボーダレスグループは、中でもそうした社会的起業を加速させるための装置として注目される。

本書はボーダレスグループがどのようにして立ち上がったのか、その成り立ちからソーシャルビジネスとしてのあるべき考え方。事業モデルまで余すところなく伝えられている。

ボーダレスグループが起業家育成を行う際に特徴的なこととして、

ビジネスモデルよりソーシャルコンセプトを、売上よりソーシャルインパクトを重視する

というものがある。

まずビジネスモデルを確立させて、しっかりとした売上を立ててから、それを社会課題解決に回す。というのが普通考えることだと思うが、同社では全く逆の方針が取られている。

これは、いくら売上を上げられたとしても、それが当初起業した時に目指していた社会課題の解決に何ら寄与しないのであれば、事業をやる意味がない。という同社の理念によるところだ。

社会課題解決のために、ビジネスという手法を使いながら真正面に向かっていくという姿勢がビリビリ伝わってくるし、同じ業界で仕事を行う者の端くれとして、とても刺激を受けた。

社会にいろいろ問題はあるけれど、何から始めていいか分からない。どうやって形にしていけば分からないと思っている人達に強くお薦めしたい一冊。



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