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それは「デザイン」ではない。「アート」だ。


初めまして!友利です。福岡のスタートアップでUIデザイナーをしています。

今回は「デザインとアートの違い」についてわかりやすく説明します。


あなたのデザイン、本当にデザインですか?

デザイナー、 アートしちゃってる問題。

さてTwitterでも取り上げましたがデザイナーなのにアートしちゃってる人がたまに見受けられます。

主に「駆け出しデザイナー」に見られるかわゆい現象ですね。私もそうでした(気持ちわかる)。

なんとなくでデザインを仕上げるとほぼ「アートしちゃっている人」になります。

特にデザイン勉強を始めた初学者によく見られます。

初学者であるがゆえに「デザインとアート」の違いを区別できずにアートをしている方が多い印象を受けます。

では「百聞は一見にしかず」ということで...

参考を上げつつ初学者の方にも簡単に「アートしちゃってるデザイン」を1つ紹介します。

「UIに問題がある」デザイン参考具体例

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ぱっと見「ポップでとても美しい」デザインです。ですが実際には機能しません。UIにはいくつかの問題点が含まれています。

あなたは問題点を見抜けますか?
一度深く考えて見てください
...
...
...
...
わかりましたか?
正解はこちらです。

・使用頻度の高い「予定を追加する」が画面上部にあるため押しづらい
・同日の複数イベントの表示方法がないため忙しい人には向いてない
・現在の日付がわからない
・メニュー/予定追加のボタンデザイン(流体デザイン)は背景にしか見えない

いわゆる代表的な「アートしちゃってるデザイン」です。「デザイナーが好きなデザインを作ったデザイナー」とも言います。


「カレンダーアプリ」のデザインを作成する際、実際に使うことを深く想定せずに目に見える美的設計を追求し作成したのだと思われます。


アートとは違い、デザインは「機能することが大事です」


機能しないデザインは画面上に映し出された綺麗な png / jpeg 画像です。

次はデザインとアートの違いについて説明します。


紹介した「Giga Tamarashvili」さんのカレンダーデザインは下記から見れます↓


デザインとアートの違いについて

さてまずは「アート」について簡単に説明します。
素人がアートについて語るのはとても恐れ多いのですが...

みなさんは一度「美術館」にいかれたことはありますか?

ぼくは学生時代、美術館でカッコつけるために「これがアートか・・・」と神妙な顔をして眺め、意味のわからないまま美術館を去るのがお決まりのパターンでした。

感想としては「事前知識がないと分からないジャンルだな」と思います。

話がずれましたがアート/ 芸術は必ず理由を必要としません(現代アートは社会問題に問いかける作品が増えましたね)


アートとは音楽や絵といった手段を用いて自己表現を「自由」に行うことだと思っています。


これはデザインとの明確な違いです。次に「デザイン」について説明します。


これから一番重要な本題(デザインについて)の説明に入ります。
少し難しいですが理解できるようになりましょう。


「デザイン」についての説明

みなさんは日常的に「webサービス」などを使用していますよね?ぼくは「amazon」をよく利用し必要な商品を購入します。なぜ「amazon」を利用するのか?


便利だからです。


この「便利だから」の一言にデザインについて紐解くヒントが隠れています。

例えばあなたが家を掃除する際に「掃除機」がないと困りますよね?
掃除機がない状況下だと多くの場合、ほうきやちりとり等を使用し長時間腰を曲げて作業することになり腰を痛める問題等が発生します。

その問題をクリアするのが掃除機です。掃除機により簡単に素早く作業を完了することができます。

頭の良い方ならもう薄々気づいたはずです。

①「amazon」は外出することなく自宅に注文した商品が届きます。
②「掃除機」は簡単に素早く床のゴミをまとめることができます。


わかりませんか?
少しヒントです....


デザインは日本語訳すると「設計」という意味です。なので考え方としては「デザイン=設計」が正解です。


ではもう少し紐解いていきましょう。

①「amazon」は外出することなく自宅に注文した商品が届きます。
・使用サービス / 物
 →amazon
・日常タスク/ 問題
 →外出してスーパー等に行くこと
・クリア/ 解決方法
 →amazonを使用すると外出することなく自宅に注文した商品が届く。

②「掃除機」は簡単に素早く床のゴミをまとめることができます。
・使用サービス / 物
 →掃除機
・日常タスク/ 問題
 →ほうきだと床のゴミをまとめるのに時間がかかる。
・クリア/ 解決方法
 →掃除機により簡単に素早く床のゴミをまとめられる。

上記の「使用サービス / 物」である「amazon」と「掃除機」は形は違えど設計=デザインされた物です。

もうおわかりになったはずです。

デザインは現代生活においての問題(またはタスク)をクリアするためにあります。

デザインは特定のものではありません。
問題 / 課題をクリアするために幅広く存在し、用いられます。

日本人の多くは「デザイン=アート/ 芸術」と勘違いしていますがデザインは「設計」という意味です。覚えておきましょう。

webデザインで当てはめて考える

「デザインはタスクをクリアするためにある」をwebデザインに当てはめてみましょう。
webデザインは「何かの問題をクリアする」ために作成されるはずです。

例えば不動産を参考に.......
■webサイトがない場合
①家から外出
②不動産に到着
③希望物件情報を用紙に記入
④スタッフが物件を紹介
⑤気になった内見予約日を記入
⑥...etc
といった手順(タスク)が発生します。めんどくさいですよね。

■webサイトがある場合
①自宅で物件を探す
②気になった物件の内見予約希望日をフォームで送信
とたった2ステップで完了します。

しかしよく考えてください。

もしコンテンツ(物件情報)が優れていてもwebサイトの表示に問題があったらどうでしょう?

・小さい / 大きすぎるフォントや画像
・使いづらい機能
・配置場所が適切でなく押しづらいタブ・ボタン

おそらくほとんどの訪問者が離脱するでしょう...

それらの問題をクリアするためにサイトの表示を適切に見やすく表示・配置を行いイメージにあった配色等を行うのがwebデザイナーです。

このようにwebデザインは問題をクリアする方法の手段の一つです。

またwebデザイナーは商業デザイナーでありアーティストではありません。

ユーザー目線でデザイン(画面設計)できないデザイナーは美しい塗り絵を制作しているのと同じです。

「デザインとアートの違い」まとめ

デザインとアートの違いを理解できましたか?

デザイン→問題をクリアする手段の一つ・必ず理由と制限がある
アート→自己表現等の手段の一つ・制限はなく自由

それぞれ似てるようで全く本質は異なります。
デザイナーでアートしちゃってる方は是非「このデザインで何がクリアできるのか?」を自問自答することをお勧めします。


※こちらのノートは逐一改変予定です
何かご意見などあればコメントしくださると助かります。

追記

誰もが知っている大企業に勤める、凄腕のデザイナーから有益なご意見をいただきましたので共有いたします。

>アートしちゃってる問題
Dribbbleがメジャーになってから、この問題よく議論されるようになりましたよね。
グラフィックデザインに当てはめると、この議論どうでしょうか?
アートと区別がつきにくいものがたくさん出てきそうな気がします。

デザインという観点でいうと、理由よりも意図って言葉がしっくりきます。
課題対象(ミクロだと画面レベル、マクロだとサービスレベル)に対して、どうしたいからこう表現する。

意図・コンセプトに対する表現・方法がマッチしてるかどうかで、デザインは測れるんじゃないかと思ってます。

話脱線しますが、アートという観点では、アートは別にアウトプットではなくマインドや行動だと僕は思っています。

作品を通して社会に対して質問を投げかけるのでもいいし、自分がかっこいい音楽を単純に録音して販売するでも良い。

自己表現しようということ自体がアートだと思っています。(この考え方は岡本太郎の影響がすごく大きいです)

マジレス失礼しましたー

非常に有益なご意見、ありがとうございます🙇‍♂️

意見まとめ

嬉しい意見もあれば真っ向批判もあり、見ていてとても楽しかったです。
一部紹介します。




ご意見ありがとうございます🙇‍♂️


後書き

ぼくの初めてのnote記事いかがだったでしょうか。
偉そうなこと言ってますが駆け出しUIデザイナーです。わからないことだらけなのでみなさんのnoteが非常に参考になります。

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※2020年5月22日←記事更新日


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