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Fujii kaze and the piano Asia Tour 2023 Taipei 7.23 ライブレポート

はじめのご挨拶。

はじめまして、ただいま台湾にて社会人留学中のロロと申します。
この度、稀な機会と奇跡に恵まれまして、藤井 風さんのアジアツアーin台北最終日に参加することが出来ました。
まさか異国の地で藤井 風さんと同じ時間を過ごせることができたことに感動しつつ、興奮冷めきらぬ微熱と想いをお届けしたいがゆえに、
個人的な感想をライブレポートにまとめてキーを叩いています。
最初のお断りとしまして、このあとのライブレポートは臨場感をお伝えしたく丁寧語ではなく常体で書かせて頂くとともに、藤井 風さんの多くの部分は敬称無しで書かせて頂いております。
また、所々に聞こえた限りの言語翻訳を掲載しておりますので、
藤井 風さんがどんな発音でお話ししていたか、
ぜひ翻訳アプリなどで【音】を聴いてみてください。
それではご一緒にお楽しみ頂けたら幸いです。

積もり積もって5000字超え…

00・会場の様子

台湾は台北101のおひざ元、台北国際会議中心(TICC)が会場となった。
地図で見ると台北世界貿易中心の商業施設の一角で、会議や展示会以外にも
ライブやコンサートが行われるコンベションセンターである。
公式によると収容可能人数は約3,122人と規模は小さく思えるが、
今回のアジアツアーでは最大キャパシティの会場となった。

またこの会場の座席風景がとても特徴的で、
舞台をはるか下へ見下ろすような急勾配の造りになっている。まるでスキーのジャンプ台のようだ。

マネージャーのカワズさんもびっくり。



01イントロ(ピアノソロ・まつりアレンジ)

ジーーーと、開演ブザーが短く鳴る。

静かな興奮さわめくなか暗転すると、歓迎するように自然と拍手が起こり、中央のピアノへスポットライトが差された。

しずしずと藤井 風が現れるさまは、本当にピアノの発表会のようだ。
にこやかに笑みを浮かべながら深々と一礼して椅子に腰掛ける。
鍵盤の上を、軽やかに指がわたっていく。
ピアノソロは【まつり】のアレンジから。

02ガーデン

プロローグのようなピアノソロが終わり、すく、と席を立つと、
かたわらに用意されたマイクを片手にハミングを口ずさみながら、
上手からピアノ前、そして下手へとゆっくり移動し、そのまま再び席へ戻る。

緑の照明とやわらかいアップライトの演出が、テラスガーデンのようだった。
歌い出しの低めのトーンがとても心地良い。
この日を祝うように、朗々とほがらかに、高らかに歌い上げる。

03きらり

ふたたびピアノソロからの軽やかな旋律。
そっと、深呼吸をするようにきらりへ。
穏やかな照明から徐々に、明るく明るく藤井 風を照らし出す。
【ガーデン】がやさしい、穏やかな庭の中に居たとしたら、
【きらり】はその場から明るく照らす方へ、思い切りよく駆けだしていくかのよう。すると突然、

『多謝你~』  to-sai-li-
ありがと〜

間奏中になんと現地の言葉でごあいさつ。
わぁ!と驚きの歓声と、クスクス嬉しくて湧く会場。
きらりはみんなで歌いましょう、と促すように伴奏へまわり、
オーディエンスとの大合唱がはじまった。

『乖乖〜』guaiguai〜
いいこだね〜よくできました〜

そのあとは手拍子とともに最後まで駆け抜ける。

乖乖は良い子やお利口さんの意味。昔ながらの同じ名前のスナック菓子がある。また電子機器のそばに置いて機械トラブルが起こらないようにするジンクスもある。

04MC 台湾語と華語・英語

『多謝你~ 我是,藤井 風〜 非常感謝-』 
to-sai-li-  wassi, Tengjing feng〜 feichangganxie-
ありかとう〜 わし、藤井 風〜 ほんとうにどうもありがとう〜

おぼえたての台湾語と台湾華語で自己紹介をする。
現地の言葉、しかも台湾語もである。

台湾語台湾の方言にあたる。年配の人を中心に台湾人口74.5%が台湾語を話せるそう。外国人から話されると親しみを感じてギュンと距離が近くなる。
超接地氣 (親しみやすい)と台湾人ファンから大絶賛だ

台湾の言語は主に台湾華語(國話)と台湾語。

これはうれしい。また発音が可愛らしい。

『高高 gaogao(高いね),大大 dada(大きいね),上の方までよく見えるよ』
と見上げながら、後方を指さす。

我愛你ー!!と元気いっぱいの台湾ファンからのエールには、ちょっと照れながら
『我愛你』と返す。
その言葉に昂まるファンからの ダイスキー!に、
『好可愛♡(かわいいね)』と、また顔をほころばせた。

『あなたは自分を愛してる?
幸せは心の内に、あなたはわたし、わたしはあなた、嬉しいね、愛をむねにね、
あなたは自分を愛せるよ、』

声を転がすように、呟きながら着席。
そして奏で、歌いはじめた
『I love me, and I will keep in a safest fairest happiest place baby…』

05demn


青い照明が包み、歌い出しと特徴的なリズムから、
オーディエンスが肩を揺らし、手を打ち鳴らす。

MVでは色気たっぷりにウッドベースからはじまるダンスチューンだが、
ピアノだけになると、ほどよい脱力さ加減と、少しがなるように、
ソウルフルに歌う様子がまた男性的で魅力的だ。
『だんだん好きになったあなたへ…』途中、
客席からオリジナルの合いの手が入れられる。
ふふふと笑いながら、その声に合わせて伴奏スピードを少し緩めたり、
じゃれるように弾いているようだった。

06キリがないから

『到聽唱歌~』 dao ting chang ge〜
歌って〜
みんなも歌って〜、とファンらを誘う。

メロディラインにのせたオーディエンスのコーラスに、
また『乖乖〜』guaiguai〜 よくできました〜いいこだね〜
と褒めてくれる。

ステージライトがシックな紫色に変わり、
歌い慣れたフレーズと安定感、そして会場を包むコーラスが映える。
ダムダムと刻む鍵盤の低音に高揚感を覚えていた矢先、

『 キリがないから 』 ぴしゃりと転換。


07へでもねーよ

藤井 風の表情が、うっとりと恍惚の笑みを浮かべていた。
目配せするようにぎらぎらと視線が捉える先には何が見えているのだろう。
警報サイレンのように鍵盤を叩くように打ち鳴らし、
左手が悩ましげに左目を覆う。

【ここ、かっこいいじゃろ?】といわんばかりの不敵な笑みから目が離せない。

曲転換への導入も更なること、
ディープな赤い照明演出が捲し立てるように這い上がるように、
痺れるような緊張を生む。
呼吸を少し、忘れてしまいそうだ。

08帰ろう

湧き上がる歓声を穏やかに受け止めて、
『次の曲はバラードだよ、ファーストアルバムからなんだ』と紹介する。

『愛や平和を胸に、帰ろう』
囁く声が、凪のように落ち着いて、深く優しい。
周囲は暗転して一筋のピンスポットのみ。

灯台のような人だな、と思った。

バックスクリーンは深い青海を想わせる、そして満ち満ちるように光が溢れる。

09さよならべいべ

たとえば【帰ろう】が、心からの誓いのようなものだとしたら、

【さよならべいべ】は
さぁ、いっておいでと笑いながら見届けてくれるようなものかもしれない。

ロックチューンからのピアノアレンジはまた、
この曲の印象を広げてくれると想う。

別れの歌かはなむけの歌か、わたしはふと想う。

いつか来たる日のために、見送れる風通しの良い関係で在り続けることが、
なによりの愛かもしれないということ。

10MC 特別な歌を歌うよ。【如果可以】Wei Bird

『特別な歌を歌うよ。…少し緊張するね。みなさんと親愛なる台北へ』

なぞるようにメロディを少し弾きはじめて、手を止める。
むーんとちょっとむずかしい顔をして、
傍に置いていた携帯を確認したあと、ファンのエールにピースで応える。

しっとりとした王道バラードと華語の響きがよく似合う。

全中文で歌い上げた。

如果可以:韋禮安 Wei lian
2021年に公開された大ヒット映画【月老】の主題歌。
日本語・韓国語版などあり国内外のアーティストにもカバーされている。

カバーされたことを喜んで自身のInstagramストーリーにupしていたそう。


湧き上がる歓声のなか、緊張が抜けたひと息をもらす。

むけられたカッコいい!カワイイ!の声援には、
『沒有啦〜 』meiyoula~
そんなことないよ〜

なんてふふふと笑ってくれる。
同じく『好帥!好可愛!我愛你!』(カッコイイ!カワイイ!アイシテル!)
覚えた台湾華語でお返事をするのがとてもほほえましい。

11青春病

ゆるやかなメロディから鍵盤の上を跳ねるように、
軽快にはじまったのは、青春病

ステージを染めるさわやかな水色の照明が曲調がマッチしていて、
なんだか甘酸っぱい。
あの時の海辺のように、このまま駆け出して行ってしまいそうだ。


12旅路

『Life is longlong journey…』
人生は長い長い旅路だね与え続けて、愛しつづけて…

藤井 風が語りかける、静かなメッセージが、会場空気に沁みていくかのよう。

曲のアレンジはポジティブでアップテンポ、
晴れやかな気持ちへと昇華させてくれた。

『おげんきですか? 你們好嗎?』

なんてすこしおどけてみたり、
両足をあげて椅子の上で丸まるように座りピアノを弾く、風スタイル。
リラックスしたようなやわらかい表情が印象的だった。


13MC 噂のお気に入りサンダル

台湾で購入したサンダルがお気に入りだそうで。

両足をあげて弾いていたので履きなおす際にお披露目。

『かわいいでしょ かわいいでしょ?』
とサンダルを両手にポーズを決める。かわいい。

藍白拖鞋:台湾のご家庭に必ず一足はあるであろう、白地に映える藍色が特徴的なシンプルイズムなサンダル。
そのへんをぺたぺた歩く用。だいたいどこにでも売ってる。

ほかにも赤・緑・子供用もあるよ


14grace

席を立ち、オーディエンスへ呼びかけるように、はじまるgraceコーラス。

ピアノ伴奏からひとしきり歌い終わるとおもむろに席を立ち、
中央に向かって行進していく。
そのままリズムよくはじまったのはgraceダンス!!
オーディエンスからのgraceコーラスが響くなか、
最後にはビシッ!!とアルペンを決めてくれた。
(山のポーズ)

なんて和やかな…。

15何なんw

リズムよく決まった流れから手拍子を合わせて、
移る次の曲は何なんw
オーディエンスとの何なんwの掛け合いが楽しい空間。

個人的にラストのピアノ編曲を毎回とても楽しみにしている。

16golden hour

2023年4月発表、
アメリカのシンガソングライター・JVKEとコラボレーション、した話題作。

それを藤井 風が、歌う。【音】で溢れる。

のびやかで、艶やかで、繊細で、それでいて華やか。

もしこの時間を留められるとしたら?ステージから目が離せなかった。

16.5ピアノソロ・しぬのが…

golden hour の幕引き、
ちょんちょんちょんといたずらに音階を上げていくやいなや、

死ぬのがいいわ、の曲フレーズをまぎれさせる。

突然、イントロの期待を消し去る衝動的な激しい導入に体の奥が内臓が絞られる。

17.5死ぬのがいいわ からの まつり ending

鮮血のような赤が印象的だった。

ピアノソロから息を潜めるように立ち上がり、
鮮やかなレッドライティングから藤井 風が浮かび上がる。
ぞわぞわと体を這う鳥肌が止まらない。

スタンディングパフォーマンスから突っ伏し倒れ、流れ流れて
まつり
への導入はもうなんというか。

『台北! 好可愛!』
湧き上がるオーディエンスと一緒にセルフィーと撮りながら会場を駆け回り、
『我愛你あいしていますI love you』
なんどもなんども愛の言葉を贈ってくれた。

台湾公演総括

わたし自身、海外でアーティスト公演を観覧するのは初めてのことでしたが、
第一印象として日本で観るのとほとんど遜色ありませんでした。
また日本とほど近いこともあり、日本からいらしたファンの方も多かった印象です。台湾へ来てみたかったし、家族旅行がてらに…というお話もあれば、海外自体初めてで、でも初めての海外が台湾で良かった、というご感想を聞くことがありました。

当日物販は公演チケットを所持している本人のみが購入可能。
受付で記入シートを受け取り、順番が来たらスタッフへ渡して受け取るシステム。とてもスムーズに感じます。
海外のライブシーンではアーティストと観客一体となって歌い続けるようなシチュエーションもあると聞くので、どんなライブになるかなとずっと気になっていました。
また風さんが現地のグッズを自然に着用していたことが話題に上がっていましたが、台湾華語だけでなく、さらにディープな台湾語を使って話してくれる姿に台湾人ファンのみなさんとっても感動していました。
なにより来台する藤井 風さんをを大切に迎えてくれた雰囲気が伝わり、ロビーの一角では現地のファンがイラストやステッカー、オリジナルのうちわを作成して配布し、ファン同士の交流を楽しんでいました。みなさんとてもお上手!

ファンの自主制作、很可愛!(とてもかわいい)

そして台湾ではいま台風真只中です。


公演日はだいぶ前から決まっていましたから、
風さんが連れてきた訳ではありませんが…

どうやら台風が来るらしいと週末予報が出はじめたあたりから、台湾人ファンからの言われた一言。

颱風(台風)快要來了!!
湾に藤井が(やって)る!!】

藤井 風さんの来台を歓迎するように比喩された言葉ですが
台湾人のこういった喩えがうまいなぁとわたしはひとり満足しています。

長々とありがとうございました。

次回は、
藤井風さんのライブに行けないはずのわたしに急展開、開演後に起きた奇跡

開演して帰ろうとしたところ。

について書いてみようと思います。

下次見!
それではまた!

頂きましたサポートは留学費と台湾生活に充てさせて頂きます。 もうそのお気持ちがとても嬉しいです。謝謝您多感謝。