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WHOから腰痛ガイドライン出たんだって


こんにちわん

論文って読むの大変ですよね
てか探すのも大変ですよね
興味がある分野に絞ったとて何千ものヒットがあって

探してるうちに、読んでるうちに参照資料に飛び火してって
結果何を調べたかったのか忘れる始末

これだからやめらんねえ
ってことで今日は2023年12月にWHOから出ている腰痛ガイドラインについてアウトプットしていきます

これ超最近出たものなのでもしかしたら知らない方も
多いんじゃないかなって思ってる

ちなみに慢性腰痛のガイドラインなので急性期の腰痛には当てはまらない部分があるかもしらん

WHOが出してる

出何処が結構重要でして
無名の誰だよ貴様って論文はどこまでいっても
信憑性にかけてしまいがち、、、

その点、WHOが出してるって言ったら
信憑性は世界一といって差し支えないと思う
慢性腰痛のガイドラインをWHOが出すのははじめてなんだとか
そのくらい世界的に腰痛が問題視されるようになってきたってことでOK?

気になるでしょ?原文ほしいでしょ?

273枚のスライドからなる
このガイドライン、残念なのが日本語訳がないこと

諦めないで原文を読むことに意味があると私は思ふ

4章:推奨事項とエビデンスの詳細

273枚もなにを用意したのか気になりますよね

もちろん詳細は個々人で読むべきなので詳しく書くことは控えます

我々が関わることができる範囲での内容として興味深いものがいくつかあったので、その話を少ししよう


4章には慢性腰痛に対する具体的なアプローチの中で
有効なものや推奨されないものなどが紹介されている

構造化された教育とアドバイス
物理療法
心理的介入
医療費治療

構造化された教育とアドバイス


要は生活習慣への介入全般を指す
例えばデスクワークで座り過ぎなら
ポモドーロテクニックつかって立とうよ
とか、
栄養介入や睡眠療法などもコレに含まれる
意外と細かく記載があってすき


物理療法


運動、鍼、スパイナルマニピュレーション、マッサージなどは推奨されている
一方、ここで興味深いのは電療、牽引は非推奨

よくある
街の接骨院や整形外科での
電気治療や牽引療法は慢性腰痛への効果にエビデンスはないよ
ってWHOから言われてしまったわけである

あれをやる治療院のお気持ちとしては
大事な収益源だから、、、

まぁくそくらえって思ってますよ
そもそも接骨院で慢性腰痛の治療は保険適応ではないわけで

声を大にして「それ間違ってます!!!」
って言えるようになったことは非常に大きな1歩だろう

部位転がしとか、しょうもないことして生計立ててる悪徳治療院は
さっさと絶滅してほしいものである

心の声が漏れてしまいました

兎にも角にも
電療と牽引は慢性腰痛の治療には必要ないってことがわかったのはでかい

ちなみにスパイナルマニピュレーションと牽引との間にどのような違いがあるのかについては言及されていない

クラニオセイクラルとかもケースによっては推奨されているので
おそらくそういった、いわゆるカイロ的な介入がいいんじゃないかという


心理的介入

疼痛認知再構成法、応用リラクゼーション技術など
って書かれてる

どうやら、痛みに対する認知を変える
ということのようだ

痛みを受容できるようにってイメージが正しいだろうか、、?
ここは専門領域でもないのでなかなか難しい

応用リラクゼーション技術には深呼吸の練習とか載ってる
うんうんつまり、呼吸への介入で自律神経の操作をしようってわけだ

自律神経のいったりきたりができれば痛みのコントロールに役立つってことはすでに周知の事実であるし、腰痛にも推奨されるものって認められたのは私にとっては心強い(現場ではずいぶん前から積極的に使ってきたので)


医療品治療

薬だ薬

薬はね
限定的に推奨される場面がある
痛みが強く、他のアプローチが思うように効果が出せないときだ

私の経験上、慢性痛かつ痛みが強いときは
中枢神経系への感作が疑われるので、なかなか治療に難渋しそうな匂いがする

NSAIDs、抗うつ薬、オピオイドが選択肢としてはあるようだが
どれもかなり慎重に使う必要がある
使用期間もできる限り短期で行うことが推奨されている

特にオピオイドに関しては使う機会が限りなく0に近いだろう
これが選択肢に上がる患者様で腰痛だけが主訴なんてことあるんだろうかと思ふ(全身痛くて仕方ないレベルなんじゃなかろうか、、?)

締め

さて
そんなこんなが書かれている慢性腰痛ガイドラインだが

興味深いことが他にもあるのだよ

マルチディシプリナリー

この単語自体私は初めて聞いた
そんな言葉があるのかと

横文字として聞き馴染みのない言葉であるが
いわゆる多面的な介入のことを指すようだ

ハンズオンでマッサージや鍼、諸々の徒手療法と運動療法、認知行動療法に基づく生活習慣への介入
場合によっては薬物療法や心理的介入までを
それぞれの専門家のもとで同時並行的に行うことが、最も改善には有効だと
だらだらと接骨院で、整形外科で、電気あてて井戸端会議をしていても、治らんと
最終的なかかる医療費に換算した場合にも、マルチディシプリナリーな介入のほうが安く済むと

そういうことだ

そりゃあそうだ
よく考えれば当たり前だ
それぞれの専門家が総出で一人の患者に介入するのだから

初期投資の金額は確かにかさむかもしれないが
それをケチっているということは
「緊急性が低い」「優先順位が低い」「知らなかった」
のどれかに当たるだろう

その中でも「知らなかった」に当たる方の背中を大きく押すことのできるガイドラインにはなっているのではないだろうか

果たしてそのような方がどれほどいるのかは知らんが

それ以上に価値があると感じるのは
我々専門家が経験上
こうしたらもっとよくなるのになぁぁあぁぁぁあああアア

って思いながらも
自身を持って提案することができなかったことを胸を張って
「WHOもこういってますから」という切り札になったことではないだろうか

マルチディシプリナリーな介入の有用性について知らなかったという方には
ぜひこのガイドラインを読んでほしい

ほんで
私が普段から治療として
徒手や鍼から運動まで包括的に介入しているということが

肯定されたことを嬉しく思ふ

次回は自律神経について書きたいと思ってる
これまた面白いからお楽しみに

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