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夏の終わりのズーラシア

 森の入り口がこちらを見つめてくるように見えるのは、ただ植物が光の方を向いているからだということに気がついた。


ボルネオオランウータン

 森の人。


サルの森

 森の中に檻が出現したよう。展示の中より外の方がジャグリーなことは、普通の動物園ではないだろう。サルたちがぼーっと見つめる先が自然なものであってくれて良かった。


植物の張り

 指先まで力が入った手のひらのよう。


オオアリクイ

 草を踏み潰し、においを嗅ぎながら歩くようすは、まさしく獣。色んな長さの硬そうな毛と不思議な模様を全身にまとう。目で見てわかるほどの前足の筋肉量。よく分からないけど、何か意図をもったような姿である。上から見ていると、ずっと下ばかり見ているアリクイとは目が合わない。周りの人がいなくなると、アリクイが水たまりをバシャバシャ歩く音と、セミの鳴き声しか聞こえなくなった。涼しい風も吹いてきて、気分がいい。本当に不思議な生き物だな。


オカピ

 疲れたのでとりあえず座る。目の前にいるオカピはおいておいて、座る。休みながら、涼みながら、元気が出てきたらオカピを遠くから観察する。双眼鏡を使えば、くりっとした大きな目まで見える。


チンパンジー

 枝葉を持った一頭が、木を登っていく。別の木に飛び移りながら、おうちゃくして急いで登っているなと観ていると、てっぺんで葉を食べるために急いで登っていたようで、妙に納得。


ミナミジサイチョウ

 この目つき、檻のそばにいたカラスたちが可愛く見える。獣のようにノシノシ歩く、疎林の鳥。


チーター

 チーターと書かれた檻の前の方には、数本の木が植えられている。チーターはその奥で、人の目や、いつも追いかけまわしてくるシマウマの目を気にせずに過ごせるようになっている。生き物を盗み見るような感覚は、ハンターになった気分で、興奮する。


サバンナ

 ずっと森の中にいると、視界が開けたときに何か到達した感がある。その瞬間、風が自分の体を吹き抜ける。


力強い木

 帰り際にいつも目にとまるから、もう覚えた。働く葉とそれを支える太い幹。木は社会だ。


上から下まで余さず

 えらい下の方まで葉を生やす木。枝葉の多い大所帯な木。


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