出会いに価値はなくなった!?時代の流れと希薄な人間関係になる理由を考察
最近、こんな事を見たり聞いたりします。
「出会いはいくらでもあるから次に行けば良い」
例えば、恋愛もそうですし、友人関係や職場などでもそうです。
この考えについては僕自身もその方が前向きな思考になれるし、建設的な考えだという立場です。
ただ、この記事ではもっと俯瞰してこの問題を捉えたいと思います。
なぜなら、逆から捉えると、こういった主張が支持されると言うことは社会全体のつながりの意識や出会いに対する考え方が希薄になっているということだから。
確かに、今は一昔前と違ってインターネットやSNSが普及しているので出会いの数は爆発的に増えました。
SNSなら匿名でいろいろな人とつながることができるし、異性との出会いもマッチングアプリが世に浸透したことでハードルがグッと下がりました。
就職や転職も、今やITや色んな媒体を駆使して情報を手にすることができます。就職や転職以外でも起業やフリーランスといった選択肢もあります。
つまり、出会いそのものの数が一昔前に比べて圧倒的に増えたということを意味するので裏を返せば、ひとつの出会いの価値が下がってた言えるのです。
昔は(こう言うと古くさい人種に感じますが)、友だちは限られたネットワークの中でしか作ることができませんでした。
あるとしても、雑誌とは張り紙とかそういったところでコミュニティを探すしか手段がなかったのです。
実際、僕自身は10代の頃にバンド活動をしていましたが、そのときにバンドメンバーを探すのはライブハウスや楽器屋さんの張り紙、または雑誌に投稿するという極めてアナログな手段しかありませんでした。
だから、自分がメンバーを探すときも加入するバンドを探すときも、ひとつの応募が大きな意味を持っていたものです。
恋愛でも、友だちの知り合いとかしか出会う環境がなかったので、ひとつの出会いが大切でした。まあ、モテまくっている人なら当時から別だったと思いますが。。。
ここまで話すと察しがつくと思いますが仕事探しでも同じ。
ITが普及する前は仕事探しは休日の朝刊に入っている折り込みの求人広告のチラシか、タウンワークの限られた情報のみでした。
だから、自分が働けそうな環境があれば、あまり迷うことなく応募していた記憶があります。
しかし、それからエン求人とかリクルートとかの求人媒体が登場して、一気に仕事探しの選択肢が増えました。
その辺りから、仕事探しに迷ったり時間がかかったりするようになったと記憶しています。
また、「すぐに辞めても次がある」という考えを容易に受け入れることができるようになったのも、求人媒体の数が増えたことが影響しています。
これは前述した恋愛でも同じで、マッチングアプリで簡単に出会えるという価値観が生まれたことで、ひとつの出会いに固執しなくなりました。
だからマッチングアプリでは、ちょっとでも合わなければすぐに関係を断ち切るという人が多いです。
これも「いくらでも出会える」という心理から、できることと言えるでしょう。特にマッチングアプリは女性会員が少ないので、女性側がそうなる傾向が強いです。
男性は有料ですが、女性は無料で使えるという辺りが需要と供給のアンバランスを生み出していることの原因でしょう。
いずれにしてもインターネットやSNSは非常に便利ですし、簡単に誰もが情報にアクセスできる時代になりました。
一昔前とは情報のスピードも桁違いです。
その変わりに失ったこともあります。
それが、ひとつの出会いがどんどん希薄になっているということです。
自分も時代の流れに沿って生きている方なので、昔に比べると出会いを大事にしているかというとそうではありません。
例えば会社を辞めるにしても、理不尽な付き合いがあったとしても、昔はグジグジと悩んでいました。だって、自分が生きているコミュニティが狭かったから。
それが、今やコミュニティは無限に広がっているのでダメならダメですぐに次!って思考になれています。
これは自分の意思の力というよりはインターネットやSNSのという情報媒体を手に入れた精神的安心が大きいです。
いくらでも次がある、と思えるのは情報化された社会のメリットと言えるでしょう。
しかし、逆に捉えると昔より深い付き合いもしなくなったことも事実です。
深い付き合いが必要なくなった、といっても良いでしょう。
これが良いことか悪いことかは人の判断によるかと思います。
だって自分だって相手から簡単に関係を断ち切られたら凹みますしね。
ただ、それも社会的にそういった背景があるから、特別な関係になる場合を除いて人間関係が希薄になるのはある意味で仕方がないことだと割り切っています。自分もそうですから。
これは、色んな教えや教育の中で「出会いを大切にしなさい」とみんな教わって生きているので様々な考え方があるでしょう。
そういった中でも確実に言えることは、社会全体がもはやひとつの出会いに固執する必要がなくなってきたということです。
そんな時代の中でも、自分にとって特別な関係になれる出会いが生まれるというのは尊いものなのでしょうね。
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