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ブラザーイズ

私には兄がいる。





一言で言えば
私と兄は対照的だ。

 
 




私が晴れだとしたら
彼は雨だし







私が夏なら
彼は冬かもしれない。






私が部長なら
彼は幽霊部員だったし








私が太陽であれば、もちろん
兄は月である。








ただ、勘違いして欲しくないのは
彼は暗くてつまらないやつ

ではない。






パンクバンドを愛していて
過去にはボーカルをしていた。
大声で歌い、客を盛り上げ
踊り狂うセンスを持ってる。






絵描きでもある。
信じられないような色使いで
人間の心を惹く。
ド派手な絵を描く。






言葉にも力を持ち
エッセイや小説、詩を書いている。
キラーフレーズを巧みに使う。
私は彼のファンだ。









そしてそんな話とは裏腹。



彼は、生まれつき



心臓病を持ち
さらには一生を共にするであろう

重い
精神疾患がある。








世界とうまくやっていくことに
誰よりも精神をすり減らしてきたのだ。








ただ、


その現実たちが
彼に「芸術」を与えたと

私は思う。











話は変わるが


「人間力」というのは


おそらく
地位や肩書きではない。



日本の政治を任されている人間たちに
ろくな奴はいないように思うし



コンビニ店員でも
まともな奴はめちゃくちゃいる。



最近では
「バズる」なんてよくいうけど



そんな感じで



何がこの世界に響くのか



ある瞬間に



コンビニ店員に
世界が気づいてくれる瞬間はあるのだ。







このブラックな世界で
弱いものが輝き続けるための




手段はひとつ




自らが楽しむことなのかもしれない。




私は兄を見ると

そんなふうに思う。













世界から見たら当たり前のように。

兄はとてもとても
弱い人間だったかもしれない。




だが、私にとっては
誰がなんと言おうと最高の兄である。





その事実は一生変わらない。














走れ!

人生に追いつかれる前に。




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