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理系の知識×まちづくりで仕事がしたい!(マキノさん・30代女性)

私のキャリアは他のエキスパートの方とは少し異なり、理系一直線ではなく様々な分野に寄り道しながら、ここまでやってきました。今思えばもっと専門性を磨いておけばよかったという気もしますが、色々な世界を知れたおかげで、「自分はこれで生きていきたい」という確固たる意思が持てたとも思っています。今まで得たピースのうち、いずれが欠けていても今の私は無かったはずです。


小学生で食品添加物オタクに

小学生の頃から、食べることが大好きだった私。小学校高学年の時に、「買ってはいけない」という本が話題となり、それを読んだことから食品添加物オタクに転じました。夏休みは図書館にこもって専門書を読み漁り、祖母に対しては「お供えのお菓子に着色料が入っているから、これはダメ」という始末で母親にも呆れられるほど、食品添加物の世界に没頭しました。

その後高校生になり、大学進学に際してこれまで興味を持ったことを色々と思い返しました…アリ、化粧品、香水、数学、経済、家庭科教育等々。

ここである程度自分の将来が決まる、と思うとずいぶん悩みましたが、当時私は陸上部に所属し、長距離ランナーでもあったので、パフォーマンスを上げる手段として栄養学を学びたい気持ちが芽生え始めていました。

小学校の時に食品添加物に興味を持ち、中学校の時はひょんなことから自分の弁当作りをしていたことも思い出し、「やっぱり私は管理栄養士として、食品に関わる仕事がしたい」との決意が固まりました。ところが、大学入試センター試験で思ったように点数が取れず、急遽志望校の変更をし、農学部で食品に関する勉強ができるところへ進学することになりました。

まちづくりに貢献できる食品会社の起業を考え大学時代

大学ではいわゆる大学生らしい部活やバイトに明け暮れる生活をし、勉学にはさほど力を入れず(今思えばとても残念ですが)3年時に生物化学の研究室へ配属されました。同時に、地方出身の私は親元から離れて大学進学したこともあって、ふと地元に対する思いに気づきました。

私の地元は過疎化が進んでおり、人口減も進んでいます。でも、美しい海や山、温かい人たちがいて、祖父が作るおいしいお米が食べられる、そんな私は地元が大好きだということに気づきます。しかし、就職先で悩みました。地元に帰って食品の研究開発がしたい、と漠然と考えてはいたものの、地方なのでそんな会社はほとんどありません。

色々と考えた結果、「じゃあ私がまちを元気にできる食品会社を作ろう!」と突飛な考えが思い浮かびます。そこで、私は他大学の大学院へ進学することにしました。自分の興味のある分野でまちづくりを推進するためには、食品に関する専門的な知識と、社会学的アプローチが必要だと考え、調べていると近いことが出来そうな大学院があったためです。

ですが、私の考えが甘かったことは入学後すぐに思い知らされます。学際的なアプローチは、両方の学問分野である程度専門性を極めた人でなければ難しく、大学院での2年間では何も成し遂げることができませんでした(今思えばすぐに気づくことができることではありますが)。一方で、この時に学んだ学問に対する考え方は今も自分の中に残っているため、全くの無駄ではなかったです。

就職、転職、派遣社員などキャリアとプライベートを模索

そこで今度は専門性を一つ作るべく、新卒では食品メーカーに就職しました。この時配属されたのは、希望とは大きく異なり、生産部門(工場)の品質管理業務に係る部署でした。そこは最新鋭の分析機器を使って専門性を極めていくような自分が想像していた世界とは真逆で、学生実験レベルの手分析や細菌検査など、大学院で学んだことは全く活かせないような業務ばかりでした。

「これは起業とは程遠い‥」と思い、就職後半年で転職サイトに登録し、次のキャリアでは何を柱にしていこうかと改めて考えたところ、「やっぱり研究開発の仕事がしたい!」との思いが強まったのですが、プライベートの事情もあり、転勤もなく安定した仕事をするため、仕事と両立して技術系公務員になるべく公務員試験の勉強をすることにしました。いくつか受験した結果、技術系高等教育機関の事務職員として準公務員へ転職することになりました。

しばらく事務職員として勤務しましたが、「今後ずっと事務の仕事をするよりは技術系の仕事をしたい」との思いが出てきました。また、結婚も子育てもしたいと思っていたので、派遣社員の選択も視野に入れて技術系に特化した派遣会社に登録し、医薬品メーカーで再び品質管理業務に従事しました。

そこでは、専門知識を使った機器分析ができ、また派遣社員ではあったものの社内の英会話教室にも参加させてもらえるなど、とても魅力的な会社でした。ただ転職後1年以内に出産のタイミングを迎えたため、社内規定に沿って退職することとなりました。

色々な仕事の経験が今の自分の下地になった

ここまではキャリアの変遷について書いてきましたが、具体的に今までの業務内容について書きたいと思います。

食品メーカーの品質管理としては、理化学分析、細菌検査、簡易アレルゲン検査といった実験系のものから、HACCP・ISO9001の工場内での運用、品質・衛生に関する従業員教育、原材料メーカーの視察等のデスクワークや出張を伴うもの、その他工場での管理職も見据えて資材の発注等生産管理に関する業務など、今思えば本当に幅広い経験をさせてもらいました。

学校事務としては、窓口対応から書類の作成、配布冊子の編集作業など、こちらでも幅広い業務を経験したのですが、一番達成感があったのが、大学院時代に少し勉強したデータの統計分析の知識を活かして、学生の成績データ分析に基づいた入試システムの変更です。

これまで他の職員が普段の業務に追われてできなかった、膨大なデータを統計的に分析して、根拠ある仮説を立てて入試システムという形にアウトプットまでするという作業を、自分の意思でさせていただきました。本当に良い経験となり、やはり理系の専門分野に関わる仕事がしたいという思いが強まりました。

医薬品メーカーでは、HPLCなどを用いた医薬品の成分分析業務をさせていただきました。今まで従事した仕事の中で、一番大学で学んだ専門的な知識を使った業務だったと思います。日本薬局方、バリデーションといった医薬品業界特有の知識・業務にも触れる機会があり、退職にならなければ続けていたであろう、とても有意義な仕事でした。

弁理士を目指して!

さて退職後についてですが、実は独身の時から「育休中は弁理士試験の勉強をするぞ!」と決めていたため、その目標に向かって勉強を始めることにしました。ここでなぜ弁理士になりたいと思ったかというと、先述のとおりまちづくりへ興味を持っていることがきっかけです。

社会人になってから、地域で開催されるローカル起業塾に通い、新進気鋭の移住者が素晴らしい事業をされているのを見て、「このままじゃ私は太刀打ちできない…」と感じました。じゃあ自分には何ができるか、どんな分野がまだ手をつけられていないかと考えたところ、「弁理士」という選択肢が浮かんだのです。

新卒で入社したメーカーで、知的財産技能管理士資格を取得すれば報奨金が出るということを知り、その資格を取得した際にさらに上級資格である弁理士にもうっすらと興味が出ました。弁理士ならこれまで大学で学んだ専門知識を活かすことができ、自分の暮らす地域で開業している方もまだいない、中小企業もいくつかあるためニーズがあると踏んだためです。
しかし、試験の難易度から働きながら受験するのは難しいと感じていたため、退職したこの機会にと思い育児と同時並行での試験勉強が始まりました。

育児と勉強と並行してできる働き方が自分に安心と自信をくれた

家族に協力してもらいながら、子供の寝た隙に勉強を進めていましたが、次第に育児と勉強だけの生活に行き詰まりを感じます。また出産まで得ていた収入が無くなったことに不安も感じ始めました。そんな時にR&Dや他の在宅ワークサイトに出合います。

育児と勉強を中心にしながらでも働きたい、業務委託だとそんな思いを叶えられることを知り、ホッとしたのを覚えています。R&Dでは食品工場の品質管理部門での勤務経験を活かして監査お仕事があるとも教えていただき、他の在宅ワークサイトでは、特許調査の仕事や食品の輸入に係る成分関係の調査、化学の講義などのお仕事をいただき、非IT系技術者でも在宅でできる仕事が沢山あると知り、会社から出れば何も残らないと思っていた自分に対して自信もつきました。

もちろん仕事なので、責任感や緊張感はありますが、「育児しながらも社会と繋がっている」実感が得られ、収入も入るため、より安心して試験勉強にも集中できるようになりました。また、試験勉強を始めたことによって繋がった人間関係から、居住地域のまちづくりのキーパーソンが関わる団体とも繋がり、その中でも業務委託の仕事をする機会にも恵まれました。

自分のなりたい方向への道が開けたこれから

長男を出産して3年、昨年には次男も産まれ、現在は2人を認可外保育園に預けながら、試験勉強とまちづくりチームの事務、特許調査等の仕事をして生活しています。弁理士試験は今年で3回目の受験ですが、最終合格できることを願いながら今は試験結果の発表を待っています。

私の場合、育休を取得できなかったことがきっかけで、自分のなりたい方向への道筋が開けたと大いに感じています。再就職の準備も少しずつ始めていますが、出産後に業務委託で受けた仕事の経験を興味深く聞いていただける企業さまもおられ、育児と試験勉強だけでなく、「業務委託で働く」選択をして本当に良かったと実感しています。

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