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「着ぐるみに会ってみたいけど……自分から言い出すのは恥ずかしい」問題について

着ぐるみで私の推しキャラを再現してみた』・『着ぐるみコスプレと実年齢について』をご覧くださったみなさま、ありがとうございます。私は普段、Twitterのいわゆる「着ぐるみクラスタ」の方々とやりとりをしていて、着ぐるみをご存知ない方とのつながりが少ないのですが、noteに書くと、いままでやりとりをしてこなかったような方から「♥」をいただくことがあるようです。

着ぐるみで私の推しキャラを再現してみた』の中で私は、「私のnoteではこの先、2つのことを書き続けていこうと考えています」と書きました。が、そのうち「深入りする気はないけどちょっと興味はある、という私の周辺の人たちに向けて、着ぐるみそのものの紹介——着ぐるみの仕組み、着ぐるみに接する人に知ってほしいこと、意外なことなど」、こちらをもう少し掘り下げたものを書いてみようかなと思っています。
なお、私が「着ぐるみ」と書くときは、人型の着ぐるみを指します。

着ぐるみに会ってみたいけど……

Twitterで「着ぐるみの人『ではない』フォロワーさんに質問」してみたことがあります。

実際に答えた方が「着ぐるみの人『ではない』フォロワーさん」だけかどうかはさておき、「自分から言い出すのは恥ずかしい」という方は、けっこう多いのですね。私は「どこで会えるかが分からない」か「え?会えるの?!」が多くなるのでは?と予想していたので、意外でした。
ただ、着ぐるみに会ってみたいけど自分から行動するのは恥ずかしい、という心理については、心当たりがありました。ある人から、着ぐるみ好きと言うのは、着ることだけではなく見たり写真に撮ったりすることについても恥ずかしさを覚えるもので、それは「着ぐるみは子どものもの」という観念があるせい、と指摘されたのです。なるほど確かに、着ぐるみというと、セーラームーンやプリキュアのショーが家族連れでにぎわっているところに出ていますから。大人が着ぐるみ好きであること自体が恥ずかしいという観念があるのは、現実として受け止めるしかないのでしょう。

着ぐるみに会えるイベントは多くない

それから、コスプレイベントに行けば着ぐるみにも会えるかというと、そう単純ではありません。着ぐるみはもともと普通のコスプレに比べて趣味人口が少ないうえ、コスプレイベントの中には着ぐるみ参加を禁止ないし制限しているところも多いなど、着ぐるみの側から見ると、着ぐるみを出すこと自体がけっこう大変なことなのです。着ぐるみ専門のイベントもあるにはありますが種類も回数も少なく、結果として、写真撮影を得意とする人と着ぐるみと、または、着ぐるみを持っている人同士でスタジオやレンタルスペースなどを借りて小さく集まるケースが多くなります。良し悪しはさておき、着ぐるみのコミュニティは閉鎖的になりやすいとは言えるかもしれません。そのような中に入っていくのは、恥ずかしいだけではなくて、なかなか難しいともいえます。
だからといって、「あなたも着ぐるみを持って」とか「あなたも着ぐるみを綺麗に撮れるカメラを持って」とは言えません。どちらも入手にはお金や時間がかかるものです。

雨に佇む朝香果林(着ぐるみ、虹ヶ咲学園夏服)
写真=アクアット・場所=TFTホール前(コスプレイベント中に撮影)

Twitterでの「ROM専ふぁぼりつ魔」は逆効果かも

そこでTwitterです。アカウントをフォローするだけで、好きな着ぐるみの写真や動画がひとりでに流れてきます。そしてそれらをリツイートしたりいいねしたりすれば喜んでくれるだろうから仲良くしてくれるに違いない……という考えの人もいるようです。
しかし、そう単純ではありません。たとえばリツイートでいえば、フォロワーの多いアカウントにリツイートされると拡散効果がありますが、フォロワーの少ないアカウントにリツイートされても効果は期待できないのでうーん、となります。ましてやそれが鍵アカウントだったりした場合はどう書かれているか分かったものではなく、「とにかくリツイート」は着ぐるみと仲良くなる手段としてはあまり筋がよくありません。「とにかくいいね」もリツイートと大差はありません。
自分が仲良くなりたいと思っていない人からそのようなことをされて、うれしいでしょうか? そのようなイメージは湧かない、という方が大多数でしょう。
着ぐるみアカウントと仲良くしたい、という人は、「ROM専ふぁぼりつ魔」から脱却する必要がありますが、どうすれば脱却できるのか分からない、という声はありそうです。そこで提案するのは、まずは「かわいい」「すてき」「かっこいい」などのリプライを書いてみませんか?ということです。そして、できれば何がいいのかを一言添えてみることです。
以下のツイートへのリプライが参考になるかもしれません。

お世辞でもいいと思います。お世辞を言うにしても、いいところを探すだけで、多少なりとも本心になってしまうものだからです。

「着ぐるみに会ってみたいけど……会うのは難しい」問題について

ところで、着ぐるみを持っている人は着ぐるみを着たいから着ぐるみを持っていますし、カメラを持っている人は着ぐるみを撮りたいからカメラを持っています。着ぐるみに会いたいからではありません。「え?」と思われるかもしれませんが、そうなのです。結果として着ぐるみに会う機会は増えますが、着ぐるみに会うことが第一ではないのです。
ここからは人によって違うと思いますが、私は、着ぐるみは持っていないしカメラはスマホしかないし写真の技術はないけれど単純に「着ぐるみに会いたい」と切り出すアプローチは、ありだと思っています。ただし、着ぐるみの側も行きたいと思ってもらえるようなことを用意しておいたほうがいいでしょう。たとえば、作品の聖地にいる着ぐるみを見たいので来てくれませんか?と言われたら、行くでしょう。なぜかというと、相手がなぜ着ぐるみに会いたいのかが明確だからです。あとは、社会通念との兼ね合いと相手の望むこと・嫌がることを確認したうえで、それなりの準備をすればいいはずです。
まとめると、以下のことができる方であれば、ぜひお声がけをいただきたいのです。

  1. 相手に何をしたいのかはっきりと伝えられる。

  2. 相手がしてもいいと言っていること以外はしない。特に、してほしくないと言っていることは絶対にしない。

  3. 相手から拒否されたらその相手はあきらめられる。

お気づきだと思いますが、これは別に着ぐるみに限ったことではありません。そして、着ぐるみとは関係ないところでも、これらのことができない人というのは、けっこういます。一方で、誰からも好かれる人というのもそうそういません。私も誰かをブロックしたり誰かにブロックされたりしています。それを仕方ないと考えることも大切です。
お互いの期待をそろえることができれば、きっと楽しいと思いますよ。

スマートフォンの道案内を見ながら歩く朝香果林(着ぐるみ、虹ヶ咲学園冬服)
写真=アクアット・場所=TFTホール前(コスプレイベント中に撮影)