見出し画像

魚は沸騰させて煮るのか、水から煮るのか

こんにちは、はじめてPCで記事書いてます。note初心者、管理栄養士erikaです。

煮魚を作るときに、煮汁を沸騰させてから煮るのか、冷たいまま魚を入れて煮るのか、迷ったことがありませんか?

これは、両方のメリットを知ることによって自分で選べるようになります。

煮汁を沸騰させてから魚を煮るメリット

①表面を熱で固めて魚の旨みを逃がさない。

②魚の臭みを出さない。

沸騰した中に魚を入れることで、表面のたんぱく質がはやく固まって旨みが流出するのを抑えます。

また、魚料理は臭みを感じることがありますね。これが苦手で魚嫌いな方も多いと思います。

魚の臭みの正体は、海水魚の場合「トリメチルアミン」です。

これは魚の中に含まれる旨み成分である「トリメチルアミンオキサイド」が細菌により分解されて「トリメチルアミン」TMA(アミン臭)という生臭さに変化するのです。この旨み成分をできるだけ閉じ込めて生臭さを出さないのが、沸騰させてから煮るメリットといえます。

淡水魚の臭みの成分は「ピペリジン」です。この匂いは好きな方と嫌いな方に分かれますね。泥臭さは育った川の環境が影響しています。
※魚の生臭さとその抑臭 太田静行


水(冷たい煮汁)から煮るメリット

①アルコールの力を十分に活用できる。

清酒や本みりんに含まれるアルコールには、蒸発する時に他のにおい成分も同時に揮発させる「共沸効果」があるのです。魚を入れる前に沸騰させると、アルコールが飛んでしまってこの効果は生かせません。

②煮崩れしにくい。(逆説もありますが私の経験上は)

煮立った鍋の中で魚が躍ると煮崩れしやすくなりますが、冷たい煮汁から煮ると煮崩れしにくくなります。少ない煮汁と落し蓋で煮れば、きれいな状態に仕上がります。

③「霜降り」すれば旨みが逃げにくい、臭みが出にくい。

霜降りとは鱗やぬめりを処理し、内臓を処理した後に、熱湯を魚が白っぽくなるまでかけて、流水で洗う下ごしらえです。アラを使って料理する場合などは特に、この下ごしらえをしないと美味しくできないです。

ただし、1匹盛りの煮つけなどは熱湯が熱すぎると皮が破けてしまい、みすぼらしい仕上がりになってしまいます。80度~90度くらいの熱湯がちょうどよい感じです。

私は1匹盛りの場合は、魚を処理した時に自分の手のにおいを目安に「霜降り」をするかしないか決めています。匂わない新鮮な魚であれば「霜降り」をしません。

魚に合わせて沸騰させて煮るか水から煮るか選ぶ


私は鮮度や、切り身か1尾か、青背の魚かそうでないかで選択します。
白身魚は沸騰させてから、青背の魚は水から煮るといわれる調理人の方もいらっしゃいます。
これは魚の身の硬さによっての選択のようです。
白身の身が硬めの魚は沸騰させた中で煮て、
赤身の身が柔らかい魚は「霜降り」して水から煮る。
川魚、淡水魚は独自の臭いがしますので、白焼きにしてから煮たり、濃厚な冷たい煮汁から煮ます。

※調理と科学魚の調理 瓦家千代子

結局、沸騰させてから煮ても水から煮ても、どちらが正解ということはないと思います。メリットを知り、やってみて自分が美味しくできたほうでいいんじゃないでしょうか?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?