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東京の夜【1990年代後半】6 最終話

4人の夜は更けてゆき

気が付いたら朝


結局

色々な事は始まらず

4人で雑魚寝

合宿かと思わせる寝方

皆酔っぱらっていたんだな

可愛らしい若者たち


ここで乱交とか始まればこういうことは書いていないし

強烈な思い出になるか、トラウマになるかだ。

いい感じの物語になる出来事っていうのは、どこか達成されていない時だと思う



その後

何度かマユミの部屋には遊びに行った

勿論ジュンコも来ていた

隣に住んでる男に壁を叩かれ

「うるせーぞコラ!」

と、怒鳴られたこともあった。

その時は、カズ君んと二人で文句を言いに行こうといきり立ったが

マユミの

「やめて!みんな帰ったら怖いじゃん」

という一言と、そもそも俺たちが騒ぎすぎなんだという事が解り、静かに飲むことにした。


風呂でしょんべんをしたら

「なんかくさーい!!ふざけんなよ」

とマユミに怒られビールを買いに行かされることもあった。


そんなある日

カズ君んが学校に来なくなった。

聞くところによると、マユミの家に居座ってるとのこと

どーしようもない奴だ

こういう居座り型の猫みたいなやつってたまにいるけど、これがモテるんだ。

なぜか。



しばらくして

やっと学校に来たカズ君と談話室でTVを見ていると、学校一のギャルのユキちゃんが遊ぼうと誘ってきた。

俺たちは嬉しかった。

何故かって、学校にはというか俺たちの学部には女子が沢山いて、それこそ比率で言えば8:2くらいで女子が多かったのだが、入学してからしばらく経つと良い人というメッキが剥がれ、女子たちに悪態をついては嫌われるという何時ものパターンに陥っていた。

だから、学校内の女子と遊ぶことの重要性をついさっきまで談話室で語り合っていた俺たちには、天からの恵みのような誘いだったのだ。


だが

その日はジュンコとマユミと久しぶりに4人で遊ぶという約束をしていた。

馬鹿な俺たちはユキちゃんを選んでしまった。

理由はこうだ

「ナンパした女は卒業しても遊べるけど、学校内の女は学生の時しか遊べない」

全く意味の解らない馬鹿丸出しのロジック

約束の時刻になると電話が鳴りまくったが、一切無視して新宿でユキちゃんとゲーセンではしゃいでいた。

俺は流石に悪いと思って、一回電話に出ると凄く怒っていた。

そりゃそうだ。

2人して何の理由もなくバックレているわけだから。

しかも、カズ君は親密な中になっていたのにだ


「ごめん、今日いけなくなっちゃったんだ」


「は?意味わかんない」


という会話を最後にこの二人との縁は切れた。


若いっていいものだ

若いって残酷だ

若いってバカなんだ

若いって意味わからない

若いって素晴らしい


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