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【6月のアンケート結果】 一時滞在施設を実際に利用したことがある人は0%

2022年6月14日から7月1日まで、防災意識やアプリの機能についてのアンケートを実施しました。期間中、85名の方にご回答いただきました。誠にありがとうございます。
6月のアンケートでは、旅行先や外出先での災害について質問しました。

1. いま、旅行に行くとしたら、どこに行きたいですか?

国内が67%、都道府県内と海外がともに9%、特に行きたいところはないが14%という結果になりました。旅行割引キャンペーン(県民割)も4月から隣県や地域ブロックといった、都道府県を超えた範囲で実施されています。残念ながら延期になってしまいましたが、国内旅行がお得になるキャンペーンの話が浮上していたのもあって、国内での旅行をイメージされる方が多かったのかもしれません。

2. 旅行や遠出前に確認する災害(天気)情報をすべて選んでください

ほとんどの方が旅行前に雨の情報を確認する、という結果になりました。雨以外にも気温、風、台風など、服装や持ち物に影響が出る情報はやはり調べる方が多かったです。つづく「雪」は、少し季節外れかつ地域差のある情報だからか、台風などより少ない結果となりました。
地震、噴火は予報がないため、事前に調べる方がいらっしゃるというのは驚きでした。旅行先で大きな地震があったかどうか、地震が頻発しているどうか、火山の様子が活発かどうか、などをチェックするようなイメージでしょうか。

3. 旅行先へ、災害(天気)などの備えのために持っていくものはありますか?

無いと回答された方や未回答の16名を除いて、皆さん何かしらの備えをしているという結果になりました。
特に多かったのは折り畳み傘やかっぱなどの雨具。ひとつ前の質問でもほとんどの方が気にしていた「雨」について、皆さん対策をしているようです。続いて多かったのはライトと充電器でした。充電器はスマホの充電用として携帯する方も多いかと思いますが、ライトを用意している方が多いのは予想外でした。
自由記述の質問だったため、日常的に使うものからそうでないものまで、様々なものが挙がっていて、大変興味深い結果になりました。スマホや現金など意識せず持っているようなものも何かしらの「備え」になると、勉強になりました。

4. 旅行中に地震や大雨などの大規模災害が発生し、鉄道やバスなどの公共交通機関での帰宅ができなくなった場合、どのように行動しますか?

86%の方が滞在できる場所を探す、という回答でした。自動車、レンタカー、自転車等を利用して帰ろうとする方は少数派でした。旅先というシチュエーションで、慣れない土地を想像して滞在すると回答された方が多かったようです。その他の回答として「コンビニに立ち寄る」という回答もありました。コンビニの中には、災害発生時に水道、トイレ、道路情報の提供など、帰宅困難者の支援をする店舗もあるので、いざというときには立ち寄ってみるとよいでしょう。

5-1. 人が多く集まる都市部では、帰宅困難となった方のために、公共施設などを一時滞在施設として開放することがあります。このことを知っていますか。

「一時滞在施設」について知っている方は81%、知らない方は19%という結果でした。多くの方が一時滞在施設の存在をご存じでした。
一時滞在施設は、帰宅困難者を受け入れる施設で、住民のための避難所などと違い、住民に限らず利用することができます。
例えば、2021年10月の千葉県北西部(震度5強)の地震、2019年の台風19号、2018年の北海道胆振東部地震などで、帰宅困難になった人のために一時滞在施設が開放されています。

5-2. 5-1で知っていると答えた方に質問です。実際に使ったことはありますか?

一時滞在施設を知っている方で、実際に使ったことがある方はいらっしゃいませんでした。中には「3.11の時に会社の人が利用したと聞いた」という回答もありました。
地震など突発的で大規模な災害が起きると、非常に多くの帰宅困難者が発生すると予測されています。一時滞在施設を利用した経験のない人たちが一斉に集まることになるので、想定しきれない課題が多く出てきそうです。

6. 統計上、帰宅までの距離が「10km」以内の人は徒歩で帰宅可能と定義されています。学校、職場、よく行く場所から自宅までの距離はどれくらいですか?

内閣府中央防災会議では、帰宅困難について以下のように定義しています。
・帰宅までの距離が10km以内の人は帰宅可能
・10~20kmの人は個人の運動能力の差から1km長くなるごとに帰宅可能者が10%低減
・20km以上の人は帰宅困難
そこで、6~8の質問では、よく行く場所から自宅までの距離や実際に帰宅できると思うかについて質問しました。

よく行く場所から自宅までの距離は、10kmより短い人が56%、長い人が39%、分からない人が5%でした。10kmより短い、という人が長い人より若干多いようです。

7-1.学校、職場、よく行く場所から、徒歩で帰宅できると思いますか?

徒歩で帰宅できるか、という質問では帰宅できる人が65%、帰宅できない人が24%、分からない人が12%という結果でした。6の結果と合わせて集計すると以下のようになりました。

10kmより短い方の88%は帰宅できると答えているのに対して、10kmより長い方で帰宅できると回答されたのは33%にとどまりました。
やはり、10kmという距離が、徒歩で帰宅可能かの目安の一つになりそうです。

7-2. 7-1で「帰宅できない」「分からない」と答えた方に質問です。理由を教えてください。

徒歩での帰宅が難しいと回答された方に理由を聞いてみました。理由で最も多かったのは「距離が遠い」次に多かったのは「体力に自信がない」という回答でした。普段、徒歩のみで長時間移動することがないと、不安に感じられる方も多いようです。その他の理由としては、緊急時で帰路が安全でないことを心配する回答もありました。災害時に徒歩で移動を始める際は、できる限り道路の情報を得ておくことや、無理に動かないことも重要です。

8. どれくらいの時間・距離なら徒歩で帰ることができると思いますか?

実際にどのくらいの時間・距離なら徒歩で移動ができるか聞きました。最も多かったのは2時間(10km程度)という回答で、32%でした。統計上は20km以上は帰宅困難とされていますが、4時間(20km程度)の方も13%いらっしゃいました。
いざというときに、徒歩か、それ以外の手段を選択できるように、自分が歩ける距離を確認しておくのも、防災のアクションのひとつです。

今回アンケートにご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。
自宅からよく行く場所までの距離は、普段あまり意識することはないかもしれません。この機会にスマホの地図アプリなどで距離や道を調べたり、実際に歩いてみるのもおすすめです。

7月のアンケートは近日実施します。ぜひまたの参加をお待ちしております。


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