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【みんなの防災だより】台風が低気圧に変わったら

本日8月26日午前3時頃、台風10号は温帯低気圧に、午前9時頃、台風9号は熱帯低気圧に変わったと気象庁が発表しました。

8月26日15時のPREPライブ画面より

台風のニュースでよく聞かれる「台風が温帯低気圧(熱帯低気圧)に変わりました」という言葉。台風進路図の予報円も表示されなくなって、何となく安心してしまいますが、どんな意味があるのでしょうか。

台風、熱帯低気圧、温帯低気圧の違い

それぞれの定義は以下の通りです。

台風
・北西太平洋または南シナ海に存在する熱帯低気圧のうち、低気圧域内の最大風速がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のもの。
熱帯低気圧
・熱帯または亜熱帯地方に発生する低気圧の総称。
・気象情報等で「熱帯低気圧」を用いる場合は、低気圧域内の最大風速が台風の基準未満のものを指す。
温帯低気圧
・中緯度や高緯度に発生する水平スケール数千km程度の低気圧で、前線を伴うことが多い。
・台風が暖かい空気からできているのに対し、南北の空気に温度差がある。

(気象庁)

つまり、
台風から熱帯低気圧へ変わった場合は、
⇒最大風速が台風の基準を満たさなくなった(最大風速が弱まった)、
台風から温帯低気圧へ変わった場合は、
⇒低気圧の構造が変わった(冷たい空気が混じり、温帯低気圧になった)、
という変化が起きたということになります。

多くの台風は、温帯低気圧になりながら、衰弱していきます。しかし、2004年の台風18号では、温帯低気圧に変わって再び発達し、広い範囲で台風に匹敵する暴風・強風を伴って被害をもたらしました。
温帯低気圧と台風(気象庁)

そのため、台風が温帯低気圧になったとしても、気象庁は引き続き警戒を続けるよう、呼び掛けることがあります。

降水情報やキキクルの情報を見て警戒を続けよう

今回の台風9号、10号は日本への直接的な影響はほとんどありませんでした。今後、もしお住まいの地域に台風が接近した場合、温帯低気圧(熱帯低気圧)に変わったとしても、最新の情報をチェックして、警戒を続けてください。
具体的には、台風と同様に、大雨や強風、高波などの激しい現象が発生する恐れがあります。PREPでは、降水情報、気象警報、キキクルなどの情報を配信していますので、ぜひご活用ください。

出典
台風情報(気象庁)
気象庁が天気予報等で用いる予報用語(気象庁)
温帯低気圧と台風(気象庁)
台風から変わった温帯低気圧の情報(気象庁)


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2022年8月3~5日に発生した豪雨災害について、緊急アンケートを実施しました。実際に避難をしたか、避難の判断にどんな情報を使ったか等を伺いました。
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