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脳内オープンダイアローグ

オープン・ダイアローグの驚異的な治療成績からヒントを得て、
今日は診察中、また新しい治療法を発明してしまいました。

自我状態療法の一つで、テーブルテクニックという方法があります。
自分のこころの中に会議室をイメージして、自分の中の葛藤する自分のパーツたちと、会議を進めて議論し、自分の中のみんなが納得できる解決を探す方法です。

自己否定癖の自分とか、頑張りすぎる自分とか、怠け癖の自分とか、そんなこころの中で引っ張り合いしている自分たちに、テーブルに座ってもらって、じっくり言い分を聞いて、公平に話し合ってもらうのです。すると、みんなが納得の行く妥協点や新たな解決案が、見えてくるというものです。

でも、診察場面で何度かテーブルテクニックで、問題解決をしようとしたことがありましたが、どうも僕はしっくりこなくて。
今日は急にひらめいて、その会議室を、議論の場ではなく、オープン・ダイアローグみたいに、議論せず対話だけ続ける形式にするというアイデアにしてみました。

誰かの発言、主張を、評価したり、否定したり、議論したりする場にするのではなく、それぞれが思う存分、思いのたけを話ししてもらって、他の自分はただ聞きっぱなしにしてもらう、というルールに設定した。

すると、なんとなく、患者さんは落ち着いた印象があり、
けっこう、うまく行ったんじゃないかと思います。

こういう、一人で集団療法をしてしまうことを、
脳内オープン・ダイアローグ、と名付けてみました。

ちなみに、
オープン・ダイアローグにしても、ゲシュタルト・セラピーにしても、自我状態療法でも、日記療法にしても、
オープンに脳内対話を続けると変容が促進される、という機序が想定されると、思っているのですが、
このnoteで治療者の脳内を開示していくことも、
まさしく脳内オープン・ダイアローグではないかと思うのです。

また、ブログやSNSで自分から発信するのも、脳内オープン・ダイアローグになって、回復に役立つのではないかと、勝手に思っています。

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