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孫子の兵法に学ぶ、負けない広報のルール

仕事で壁にぶつかったとき、読み返す本はありますか?
多くのビジネスパーソンの本棚にはきっと、指針となるような教科書的な本が何冊かあり、時折手に取る自身のバイブル的な存在となっているのではないでしょうか。
私は、D・カーネギーの『人を動かす』や、スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』、そして「孫子の兵法」の超訳がこれにあたります。

「孫子の兵法」とは、中国の春秋戦国時代に、孫子という人が戦争の方法を研究し、その経験をまとめて書かれた古代兵法書であり、戦略思考の傑作として世界中で広く読まれています。
戦争という言葉は企業コミュニケーションとは一見無縁のように思われますが、実は経営においてはもちろんのこと、広報戦略を立てる上での役立つ考え方がたくさん含まれており、孫子の兵法から学ぶことができる点があるのです。

孫子の兵法と広報活動においては、負けないことがとても重要です。今回は、孫子の兵法と企業のコミュニケーション戦略において、具体的な共通点をいくつか例を挙げてご紹介します。

広報活動の「攻め」と「守り」

例えば、孫子の兵法においては、「勝つためには、相手の弱みを突き、自分自身の強みを活かすことが必要」とされています。同様に、広報活動においても、競合他社の弱みを見つけ、自社の強みをアピールすることが重要です。また、孫子の兵法においては、「相手を攻めるときは、同時に自分自身を守り、守りを固めることも大切だ」とされています。これは、攻めることと守ることは表裏一体であり、相互に関連していることを示しています。同様に、広報活動においても攻めることと守ることは表裏一体であることがあります。例えば、商品の宣伝や企業イメージの向上など、攻めの広報活動を行うことで、顧客獲得やブランドイメージの向上が期待できます。しかし、攻めの広報活動を行う際には、同時に潜在的なリスクや批判に対しても対策を立て、守りの広報活動も行うことが重要です。また、問題発生時には、迅速な対応や正確な情報の提供など、守りの広報活動を行うことで、信頼回復が可能となります。

このように、孫子の兵法と広報活動には、攻めと守りが表裏一体であることがわかります。勝つためには、自社の強みを活かすことと同時に、潜在的なリスクにも備えることが必要です。また、広報活動においては、攻めと守りのバランスを取りながら、企業や商品の魅力をアピールすることが重要です。信頼は一度失墜すると、回復(リカバリー)に時間とコストがかかります。
孫子の兵法の原理を、企業のコミュニケーション戦略に適用することで、組織は危機に対して素早く対応することができます。また、広報部門が危機管理の啓蒙活動を行うことで、社内外に向けた情報提供が円滑に行われ、危機を最小限に抑えることができます。

孫子の兵法に学ぶESGコミュニケーション

近年、ESG投資やESG評価など、投資家や顧客、社会から企業に対してESGへの取り組みを求める声が高まっています。
そのため、企業広報において、ESGに関する情報発信が求めらるようになりました。この潮流から海外事例などをみると、情報開示が不十分だったり、ESGリスクを適切に管理できていなかった場合、投資家や社会から批判を受けるケースも少なくありません。このような状況では、孫子の兵法にある「自分自身を守ることも大切」という考え方が重要になってきます。

孫子の兵法においては、「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉があります。この言葉は、自分自身をよく知ることで、自己防衛ができるということを示唆しています。同様に、ESGに関する情報開示においても、企業は自社がどのようなESGリスクを抱えているかを正確に把握し、投資家や社会に適切な情報を提供することが重要です。

また、孫子の兵法においては、「敵を攻めるときは、同時に自分自身を守り、守りを固めることも大切だ」とされています。これは、攻めることと守ることは表裏一体であり、相互に関連していることを示しています。同様に、ESGに関する情報開示においても、企業は情報開示を行う一方で、自社が抱えるESGリスクを適切に管理し、社会的責任を果たすことが重要です。

このように、ESGにおけるコミュニケーションにおいても、自己防衛やリスクマネジメントの側面が重要になってきます。孫子の兵法にある攻めと守りのバランスを取りながら、適切な情報開示とESGリスクの管理を行うことが、企業の信頼回復や社会的責任の果たし方につながるのです。

企業のトップが聞く耳を持っていない場合はどうすればいいのか?

孫子の兵法では、「奇襲に備える」という考え方があります。これは、予期せぬ危機に備えることが重要であるということを示しています。経営陣が危機管理に対する意識が低い場合や、広報部門が予算やリソースを得ることが困難な場合には、この考え方を応用して、以下のような解決策を考えることができます。

  1. リスクマネジメントの導入:危機管理を考慮したリスクマネジメントを導入することで、予期せぬ危機に対応する体制を整えることができます。リスクマネジメントの導入にはコストがかかる場合がありますが、将来的に発生する可能性がある損失や損害を事前に回避することができるため、コストパフォーマンスが高いと言えます。

  2. 情報共有の徹底:企業内の情報共有を徹底することで、危機管理に対する意識を高めることができます。情報共有には、コストがかからないため、低予算でも実現可能です。また、情報共有が進むことで、社員が自発的に危機管理に関する情報収集や対応策の提案を行うことができるようになります。

  3. 外部の専門家の活用:危機管理に関する専門家を外部から活用することで、経営陣や広報部門が必要な知識や技術を得ることができます。外部の専門家に依頼することで、企業内における専門家の雇用や訓練に必要なコストを削減することができます。また、外部の専門家は他の企業や業界の知見を持っている場合が多いため、企業内での新たな視点やアイデアをもたらすことができます。

以上のような解決策を実施することで、経営陣が危機管理に対する意識が低い場合や、広報部門が予算やリソースを得ることが困難な場合でも、危機管理に対応することができるようになります。

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