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1つの苦しみの話

 「こんなことまで言わないといけないのか。」

 社会人3年目にして味わった衝撃だった。新人教育を任されたのだが、謝罪の仕方が論外だった。

 そもそも悪いとすら思ってなかったらしい。謝らないといけないと教えたらめちゃくちゃ驚いた顔をしていた。

 それからは何とかフォローして大事にもならなかったが、もしもあの時自分が気づかなかったら、と思うとゾッとする。

 「先輩、こんなに気を遣わないとだめですか?」

 フォローのお礼どころか、そう言い返してきたそいつを殴りそうになった。

 これはこいつの世界の常識、ただのカルチャーショックだと、自分に言い聞かせて、丁寧に解説していく。

 しかし、カルチャーショックにしては妙に腹立つな。と思い続けている自分を抑え込む。

 何だろう、こんなに虚しくなったのは初めてかもしれない。そりゃ常識は人によって違うけどさ。人によって出来ることが違うのも分かってるけどさ。

 ちゃんと「ごめんなさい」する、ぐらい求めてもよくないか?


 以上、らずちょこでした。

 ※この物語はフィクションです。

 ここまで読んでくださった皆様に感謝を。

 ではまた次回。

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