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いつも忘れてしまっていることの話

 会社のお手洗いのトイレットペーパーが前と後ろ逆に取り付けられていた。使えないことはないのだが、ちぎるとき少しめんどくさい。

 いつこんな風になったんだろう。かなり量は減ってるけど皆仕方なくこのまま使ったのかな?

 それとも私の前の人が落としてしまって慌てて前後逆につけてしまったのかな?

 そんなことを考えながら、そのペーパーを取り出して正しく付け替える。

 手を洗いながら、私の次に使う人はそんなことがあったことなんて分からないまま使うだろう。

 当たり前だけど何だか少し不思議な感覚だ。こういうときに、自分以外に人がいると実感するのか。

 忘れていたといえばいいのか、当たり前すぎてなんとも思わなくなっているのかどっちかは分からないけれど、この世界は自分だけで成り立ってるわけじゃなかった。

 まさかトイレットペーパーがそんなことを教えてくれるとは思わなかった。


 以上、らずちょこでした。

 ※この物語はフィクションです。

 ここまで読んでくださった皆様に感謝を。

 ではまた次回。


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