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IDSAのデータスペース

国際データスペース協会(International Data Spaces Association、略称:IDSA)は、データソブリン(データ主権)の理念に基づいたデータ共有のための国際的なイニシアティブ。IDSAは、データ所有者やデータ利用者が相互に信頼できる環境でデータを共有するための技術的な枠組みを提供している。

IDSAは、産業界、研究機関、政府機関、およびその他の関係者からなるメンバーシップベースの組織。その目的は、データの主権、セキュリティ、および利用者のプライバシーを保護しながら、異なる組織間でデータを安全かつ信頼性のある方法で共有するためのテクノロジーと標準を開発することにある。

IDSAは、データの所有者がデータのアクセス権や使用条件を制御できるセキュアなデータスペース(データ共有スペース)の概念を提唱している。データ所有者は、データを共有する際に必要な制約や条件を設定し、他の組織や個人にデータへのアクセスを与えることができる。これにより、データの所有権と制御権が保持され、データの共有がセキュリティリスクを最小限に抑えながら行われることが可能となる。

国際データスペース協会が提供する、「データスペース・レーダー」は、データスペースの採用プロセスを反映したツール。このレーダーは、ビジネスケースの作成から実際のデータスペースまで、成熟度の異なるさまざまな使用シナリオをカバーしており、計画段階「Lead in」⇒コミット案件「Case Committed」⇒パイロット「Pilot」⇒ライブ「Live」まで、業界や機能領域を横断している。ビジネス目標に合わせた使用シナリオを見つけることができるため、データスペースの採用に役立つツールとして、多くの企業や組織に利用されている。

IDSAのリンクから詳細を確認できるが、「モビリティデータスペース」とは、すべての移動関係者からのデータと関連するリアルタイム情報を組み合わせ、誰もがシームレスでマルチモーダルな移動を実現するためのものである。このデータスペースは、交通機関や移動に関連する企業、自治体、研究機関など、さまざまな関係者が参加している。

「カテーナX」とは、ドイツの自動車産業におけるデータスペースのプロジェクトであり、自動車産業のサプライチェーンにおけるデータ共有を促進することを目的としている。このプロジェクトには、自動車メーカーやサプライヤー、研究機関、ソフトウェア企業など、さまざまな関係者が参加している。

「SCSN」とは、「Smart Connected Supplier Network」というプロジェクトであり、製造会社やそれらのサプライヤーにおけるデータスペースの実装を目的としています。このプロジェクトには、自治体、企業、研究機関など、さまざまな関係者が参加しています。

「Data Intelligence Offensive (DIO)」は、オーストリアを中心に展開されているデータスペースイニシアチブです。DIOは、エネルギー転換を加速させるためのデータスペースを提供しており、オーストリア国内および国外でエネルギー転換を促進するためのデータスペースを構築している。

「MARKET4.0: 3DFORM」は、3Dプリント技術を活用した製造プロセスの最適化や効率化を実現するためのデータスペースが構築されている。

「Bauhaus.MobilityLab」は、ドイツのプロジェクトであり、モビリティ、エネルギー、物流に関連するデータスペースの実装を目指している。

「PLATOON: Wind Energy Data Space」は、発電機と電力変換器に焦点を当てた風力タービンの予知保全を提供することを目的としている。

「FA³ST ecosystem for I4.0-compliant and data-sovereign digital twins」は、資産管理シェル(AAS)に準拠したデジタル・ツインのためのエコシステムである。


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