本当に具合が悪い人が欲しい言葉は「何か欲しいものがあったら持ってくから言って」ではなく
コロナ後遺症をこじらせ、38〜39度の熱が出続けているので、家で寝倒している。
まったくありがたいことに、先週は毎日のように友人が訪れ、薬や食料を届けてくれた。
というのも、フェイスブックに39度の温度計の写真をアップしたためだ。
そしたら皆心配して「何か欲しいものあったら持ってくから言ってー」と言ってくれた。
しかし。
マジで具合悪い時はメンタルもひねくれるので
「みんな『何か欲しいものあったら持ってくから言ってー』って言ってくれるけど、正直ベトナムだとなんでもデリバリーできるしそんなに困らないんだよな」
「ほんとに困ってることって人に頼めないんだよな、ビザの更新とか、保険の契約とか、銀行でお金下ろすとか…」
「『何か欲しいものあったら持ってくから言ってー』って言ってくる人、もっと頭回してほしい」
「必要なのは物資じゃなくない?」
……と、イラついていた。(39度だと自分自身の頭がマジで回らないので、他人に求める要求も青天井に高くなるのだ!)
……が、それでも、やはり思い切って頼んでみてよかった。
みんな、おまけで何かくれたり、雑談をして話が弾んだりした。それが嬉しかった。
「『何か欲しいものあったら持ってくから言ってー』と言ってる人は、少なくとも私に好意なり興味を持ってくれてるんだから、思い切り頼ろう」
と思った。
(↑私は「元ロボットの人間見習い」なのでこういうことをすぐ忘れてしまうのだ)
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でももし私が、具合悪い人を助ける番になったら
「何か欲しいものあったら持ってくから言ってー」とは絶対言わない。
「39度の熱が出ている人は頭が回らない」ということを知っているからだ。
じゃあ何をするかと言うと。
「お前が欲しいのは物資じゃないのは知ってる」
「お前の家に5分で終わる細かい雑事が溜まってるのは知ってる。皿洗いもトイレ掃除も洗濯もしてやる。遠慮するな」
と言い、家にあがりこむ。
でっかいケーキと、レトルト等すぐ食べれる物も数日分もってく。
台所を勝手に使って、でけえ鍋に豚汁を作り置きし、米を5合炊き、小分けして冷凍して帰る。
しかしそこまでやる覚悟があっても、ビザの更新とか、保険の契約とか、銀行でお金下ろすのは、本人以外肩代わり出来ないんだよな……せつねえ。
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