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一ヶ月ほぼ寝たきりの人が外に出た感想 〜コロナ後遺症療養記〜

コロナ後遺症で約半年間、37〜38度台の熱が出続けている。
この一ヶ月は療養のため、家事と食事以外の時間はベッドで横になり過ごしていた。

しかし昨日、どうしても外せない用事があり、長距離バスに往復6時間乗ることになった。

ほとんど外には出ず、バスの車窓から外を見てただけなのだが……。

「世界は情報量多い、やべえ」
「そして、私が寝たきりの間も全然変わってない(厳密には、「あまりに目まぐるしく変わる」ことを続けているので、変わってないのと同じに見える)」
「世界は、寝たきりの私を、全然待っててくれてるんだなあ」
「窓の外見てるだけでこのコンテンツ量てヤバくない?! あまりにも多くのものをくれるんだなあ」

と思った。

バスの車窓から外を見るだけでこんなに感慨深くなる日がくるとは。

病気に関しては、全く焦ってなおす必要はない。
と分かった。

(なぜなら世界はいつでも待っててくれるから)

ただ、
「せめて外を数百メートルうろつける体力だけは早く戻したいな」
「そしたら『ちょっと外に出てそこら辺の草とか花の絵を描くだけで幸せ』というチート状態に入れるのに」
と思った。

この一ヶ月の自分は、ひたすら横になっているのに回復しない自分の病状にかなり焦っていた。

しかも二日前から、ビザの関係で「日本に帰るか」「ベトナムに残るか」の選択を早急に迫られる事態となっている。

「日本に帰れば、親の世話になれるし、最先端の治療が安く受けられる」

「でも『日本に帰る』という行為自体の身体負荷が高すぎて、それによって寝たきり一ヶ月延長の可能性すらある」

「でもベトナムにいても、ビザや保険の手間が生じる。金や体力を毟り取られ続ける。治療もまともに受けられない癖に高い。ジリ貧」

「でも日本に帰るとしても、荷物引き払ったり猫を預かってもらったり……帰国前に、今の自分には耐えられない量の雑務が生じる」

「どっちも最悪」

と思っていた。

平熱でも解けない難問を、38度の頭で考え続ける事態(そうするとさらに熱が上がる……)。

でも、今日は、全く無根拠に「どっちでもいいや」と思えた。

どっちに転んでも、結局いいことがたくさん起きるだろう。

「どっちも最悪」と「どっちもラッキー」っていうのは、完全に同じ意味なので。

今日は気分がいいので、「どっちに転んでもラッキー。世界は気前よく私を迎え入れてくれるだろう」と考えることにする。

そして一番大事なのは、「どちらを選ぶか」でなく「どういう心理状態でいるか」だということも、すでに私は知っている。

近いうちに、とても気楽な心理状態が訪れ、勝手に答えが出るだろうと思う。

■■

休職は必然だった(というか無理せずもっと早く休むべきだった)。

でも、単純に「家から出ない」「人に会わない」のは、心理状態が悪くなりますね。
療養中も、人とのコミュニケーションや、外の空気を吸うことは、意識して増やすべきだなと思いました。

相変わらず旅行運が良いので、今日はバスの隣の人とずっと英語で喋ってました。聞き取りやすい英語を話してくれる、親切なジェントルマンなので色々助けてもらえました。

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