独立系ベンチャーの設立から5年間まとめ Part3 - スタートアップとはかくありなん、という一年
rayoutの事業は主に
①クリエイティブ制作の事業
② 自社サービスの運営
の2軸で、しっかりクリエイティブ領域で利益を出しつつ、自社サービスの開発運営に資金を投下すると言うスタイルで、その形は今も変わりません。
※ エンジェルラウンドさんのいうところの「ソリッドベンチャー」です。
クリエイティブ事業は、経営課題やブランド課題をクリエイティブ起点で解決しますと言うスタンスをとっており、制作チームは外部のクリエイターさんで最適な体制をアサインしておりました。
その為、rayoutの介在価値は、要件定義のような設計と、最適なチームを組成する調整であり、ここに求められるスキルは「広告や表現の知見」と言うよりも「ファシリテーションスキル」「遂行力」「マルチプロジェクト適正」のような、人間としてのOSのスキルです。
新加入メンバーが噛み合う飛躍の1年
2021年4月にrayoutは3期目を迎えますが、この年は飛躍の一年でした。
売上も昨年度から倍増し、取引企業は87社→161社、送付した請求書の数も160件→320件と、スタートアップはかくありなん、と言う一年になりました。
まず手始めに、リファラル以外での採用を行い、初めての新卒を含む5名の新加入メンバーを迎えることができました。(矢田ちゃん、田鍋さん、みずほちゃん、コバ、庄山)
2期目の暮れに、弊社の顧客である貝谷さんと言う方から、「女性メンバーが入ってくるような会社にならんと御社先がないで」というようなことを言われたので、そんなものかと思い、5名の新加入メンバーは全員女性でした。
業界経験者と言うよりも、先述のOS部分に着目した採用活動ができたので、加入してから1年目で、彼女たちはとても活躍してくれました。今のrayoutの中軸になってくれているメンバーも出てきました。
一方で組織としての未熟さも露呈
ただ、やはりリファラルの男社会で汗臭く経営してきた組織に、外部かつ女性メンバーが加入すると様々なところで組織の弱点が浮き彫りになりました。
・共同トイレ問題(狭いオフィスでのトイレの共同利用は厳しい)
・営業時間問題(朝晩関係なく働くと言うのは持続可能ではない)
・コンプライアンス問題(内盛り上がり、下ネタなど・・・)
・研修/育成問題(研修内容というよりも、研修/育成を完了したという自信が必要な件)
具体的に挙げればキリがないですが、今後採用していく上で、解決しないといけない問題が沢山あるということがわかりました。
逆にこの時期に入社してくれたメンバーは、こういったことを指摘してくれながらも、rayoutの成長の為に頑張ってくれたので、今考えるとすごいなと思います。
また、2021年度の期中に、新たに星野、阿部、中田という、現在の会社を支えてくれているメンバーも入社し、下北沢の200平米のオフィスに移転しました。
自社プロダクトの挫折とPIVOT
一方で自社プロダクト「脳Sell」の方は、ビジネスモデルとしての欠陥を露呈し始めておりました。
脳Sellとは、企業とファン間のアイデアコンペサービスで、企業がプラットフォームに自社イベント(アンケートや簡易コンペなど)を投稿し、そこにユーザーがアイデアを投稿するサービスで、企業は自社ブランドに参加する熱狂的なファンの獲得、ユーザーはアイデアを投稿すればアイデアの精度に応じてLINE Payに交換可能なPOINTを獲得というモデルでした。
脳Sellのユーザー数が5000人を越えようというタイミングで、企業が精査できるアイデアは多くて100程度な上、コンペは早いもの勝ちであるという特性上、プラットフォームのスケーラビリティの限界が見えてきます。
よく考えればわかるだろうという内容なのですが、まさに自身のPdM経験の無さが招いた結果でした。
そこからはサービスをCMS化する方向でピボットさせるという意思決定を行い、プラットフォームビジネスからの撤退を決意しました。
つまり、社員の頑張りによって稼いだお金を使った私の管掌する一発目のプロダクトの立ち上げは失敗に終わりました。
それでも次年度にワクワクして終えた2021年度
このように、自社サービスのクローズを経験しつつも、クリエイティブ事業の陣頭指揮をとったひょねんの統率力と、新加入メンバーの躍進もあり、3期目は大きな成長と4期目に向けての大きな期待を胸に終えることができました。
※ ギリギリ今週中に上げ切れました。
Part4に続く
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