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【詩】軟骨歌

白くほどけたワニの死骸を
水に晒して祈りを捧ぐ
誰も気付いていない死を
丹頂鶴が運び去る

聴き手も付かない気付きに今
怪魚の額の装甲は剥げ
透明な軟骨に見通される意思
せこい究極の生き汚さが
僕を海面まで押しやって
口も喉もぶくぶくの泡で詰まり
腹の中までどうしようもなくなってから
人魚に救助されるのだ

もう歩けないんでしょう
もう走れないんでしょう
酸素を失った僕には
喜色の浮かぶ声が掛けられ

チアノーゼの青色を
殊更愛でる彼らにとって
僕は一輪の花となる