見出し画像

ヒューマンエラーを防ぐには

医療の世界で有名な
医療事故があります。

それは
横浜市立大学医学部付属病院第一外科で
肺手術と心臓手術の患者を取り違えて手術し
切開後に気付いたという事故です。

何で病院でそんなことが起こるのか?
と思った方もいらっしゃるでしょう。

肺の手術と心臓の手術を
間違えるなんて
医療者としての自覚が足りてない!

と言いたくなる人もいるでしょうが

そもそも人間というのは
ミスをするし
不注意が起きるし
忘れるし
思い込む生き物なんです。

・気をつける
・しっかり確認する
・意識する

そんな対策ではミスは無くなりません。
そういうことを言うのも言わせるのも
無意味だということです。


ミスは〝構造〟から見直す

つまり仕事は
〝忘れる〟〝見落とす〟〝思い込む〟
という前提に立って
対策を立てなければなりません。

人の努力や注意力、確認することを
前提で仕事を作ってしまうと
ミスが起きた時に
人のせいにしてしまいます。

そういう職場では
ミスしないことが目的となって
仕事をしてしまいます。


逆に言えば
ミスが起きた時は
「なんでミスをしたんだ!」
「なんで確認しなかったのか!」
と〝人を責める〟前に
仕事のシステムのどこに
問題があったのかを
考える必要があります。

たとえば点滴間違いを防ぐ為に
患者さんの手首にしてあるネームバンドを
スキャンして
電子カルテと照合しなければ
点滴が投与出来ない仕組みになっていたりします。

つまり同姓同名であるとか
似たような名前の薬剤であっても
人の注意力に頼らずに
点滴間違いを防ぐことが出来ます。


とは言えシステムエラーに変換するのは難しい

しかしこれらの考え方は
言うは易く行うは難し、でして
いろんな人の知恵を借りても
システムで防ぎきれない医療事故もあります。

特に病院における
患者さんの転倒事例には頭を悩ませます。

どんな人間だって転ぶ時は転ぶ。

転ばない方法や
転んでも問題ない方法を考えると
床や壁をスポンジにするか
患者さんを一生ベッドから起こさない
しかないわけです。

そんなことが出来るはずもないので
歩行器を使用してもらってり
廊下に手すりをつけたり
夜間の転倒を防ぐ為に眠剤を極力減らしたり
赤外線センサーを使って患者さんが
起き上がった時点で
ナースステーションに音が鳴る仕組みを作ったり
してはいるのですが
それでも急に意識が消失したりすれば
受け身を取らずに患者さんは転ぶので
骨折などの大事故に繋がるわけです。

少なくとも
どんな問題であれ
システムで対策を講じるべきで
新人であろうが
経験の少ないスタッフであろうが
その人だけの責任にしないという
前提だけは崩さないようにした方がいいと思います。

サポートしていただけると相当喜びます😭