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東京喰種が好きすぎる6つの理由

東京喰種トーキョーグール
言わずと知れた名作漫画。
ただの漫画好き女が、ただただ好きなところを語りたい無益なnote。
(※完全に主観なので悪しからず。またあらすじ解説などはありません。既に東京喰種を読んだことのある方暇つぶしにぜひ!)

①漫画であること
どゆこと?という感じですが、東京喰種は、なんだか難しい哲学書を読んでいるような、深くて暗い文学小説を読んでいるような、そんな感覚に陥ることがよくあります。
ベッドの中で読む手が止まらず寝落ちしてしまった日には、必ず嫌な夢をみます。(笑)

「もし仮に僕を主役にひとつ作品を書くとすれば
それはきっと"悲劇"だ」

「この世の全ての不利益は当人の能力不足」

作中何度かでてくるフレーズ。
東京喰種がもし小説だったら、相当に絶望的な気持ちになるだろうな、と思います。
しかし東京喰種は漫画だから、絵がある。
圧倒的に美しくて神秘的な絵があるんですよね。

人は死ぬしバイオレントな場面も多いけれど、それらも絶望的に思える言葉も全て、なんだか神聖なものとしてスッと受け入れられるんです。
それだけ、作者石田スイ先生の描く絵は力強くて華がある。
内容の深さや暗さとのバランスが絶妙で、好きすぎます。

②金木研の葛藤と成長
読書好きで優しく、少し気弱。そんなどこにでもいる青年が、突如全く違う目線で世界を生きなければいけなくなる。
その心理描写に胸が締め付けられるんです。

例えば火星に行くとかタイムスリップするとか、周りの世界が変わる訳ではなく、居る世界は今までと同じ。
けれど自分が変わってしまったことで、自分を変えていくしかない葛藤。愛する人や守るべき人達と出会ったことで、肉体的にも精神的にも強くたくましく成長していく、成長せざるを得ない様。

金木くんの弱さに共感し、その弱さの中に自分を見出し、今この漫画を読んでいる自分のことを省みる、考える時間を東京喰種はくれるんですよね。
好きすぎる。

③誰もが正義
この世は善と悪との単純な二元論の世界ではなく、誰もが自分の正義を信じ、戦い、生きている。
一見すると悪だと思えることも、その真意は複雑に絡み合ったそれぞれの正義であることが、東京喰種を読んでいるとよくわかります。

それって今私達が生きている現実世界もきっと同じで、相手を深く知り、同じ立場に立ってみることでみえてくるものがある。
そんなことを教えてくれる東京喰種。
好きすぎます。

④哲学的
というかやっぱりどう考えても、東京喰種は哲学書だと思うんです。

「いつかすべて無駄になる
 生きていることも
 死んでいくことも
 意味なんてない
 あなたも
 あなたの子も
 あなたの妻も
 どうせ死ぬし
 いずれすべてなくなるじゃないですか」

中略ありますが、最後の戦いの際に旧多が言う台詞です。

物語は、互いが互いのせいで間違った世界をつくり、歪めていると考える人間vs喰種グールとの争いで進んでいきます。

でも、人間と喰種、どちらでもある金木くんは気付くんですね。

「この世界は間違ってない
 ただそこにあるだけだ

 すべての生ける人々
 だれもが"悲劇"の主役である

 生きることはかなしくむなしい
 それでも
 いつか失うとわかっていても
 いつか消えるとわかっていても
 醜く求め、美しくありたいと願い、
 考え、選び、選ばれつづける。
 ただそれだけ。」

もうこれは、哲学ですよね?
そして仏教的だなと思います。

"生きる"ことをこんなにも深く考えさせられる東京喰種、やっぱり好きすぎます。

⑤鈴屋什造
東京喰種は登場するキャラ全員が、それぞれに魅力的すぎる!本当は全員の魅力を語りたいのですが、それではいよいよ終わらないので我慢します。
でもこの人だけは語りたい、鈴屋什造。

金木くんとは対照的に、全く共感できるところのない人間なんです。不気味な強さと、無垢な残虐性。
血も涙もない圧倒的強さの彼が、人との関わりを通して、痛み、悲しみ、他者への愛を取り戻していく様は言葉にならない感動があります。

最終巻で什造が泣き崩れるシーン、痺れませんでしたか?泣き崩れたいのはコッチだ!大好きだばかやろう!!!と私はなりました。
いやもう好きすぎる!!!!

⑥巻末の4コマ漫画
作者の石田スイ先生、本当に繊細で丁寧な仕事するなぁ、と思わされます。
キャラへの並々ならぬ愛情が伝わる巻末の4コマが大好きなんです。
張り詰めた本編とは一味違う絶妙なギャグセンスの4コマが読みたくて、東京喰種読んでたところありますね。何から何まで好きすぎる。
(個人的には4コマでしか見られない四方さんと、いろんな鯱さんを描いたやつが好きです)

以上、大きく分けて6つ。
私が東京喰種を好きすぎる理由です。

いや本当はもっと、伏線回収のスゴさとか、有馬貴将とか亜門とアキラとか、戦いに行くのに全員白スーツでキメる少しの厨二っぽさとか、好きなところはそれはもう際限なくあるんです!!! 

何度読み返しても新しい発見がある東京喰種。
今を生きる全ての人に読んで欲しい東京喰種。

哲学的な深いテーマを扱う漫画は数あれど、こんなにも暴力的なのに華やかで、重く苦しいのに温かい作品、他にあるでしょうか。

改めて大好きすぎる東京喰種。

ここまで読んでくださった方ありがとうございました!

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