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【詩】声の色

幼心に影が差す
声が心を乱していく

声から離れ 自然の中へ
風を感じて カメラを構える

ファインダー越しのその世界
優しい色に溢れていた

何を撮ろうかさまよう内に
いつの間にか見知らぬ場所へ

光に導かれるように
辿り着いた寂びれた社

柱の陰に黒い影
恐る恐る覗いてみると
息を荒げる黒い犬

近づく僕に威嚇をするが
痛みに震え苦しんでいる

大丈夫 大丈夫だよ
少し離れて声をかける

大丈夫 大丈夫だよ
だから君を助けさせて

声が和らいだ
そっとそっと近づいていく

声を掛ける
そっとそっと手を近づけた

匂いをかいで ぺろりと舐めた
安心したのか目を閉じて
その身を僕に委ねてくれた

大丈夫 大丈夫だよ
君に優しく声を掛ける

大丈夫 大丈夫だよ
おいでお家へ もう大丈夫

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