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甘き復讐よ、来たれ

「で、誰を消して欲しいの」
「XYZ社のCEOを」
「そいつは実在しないってニュースでやってたじゃない」

あたしは夕闇が支配するビルの屋上で人形めいた依頼者の男にタバコの煙を吹き掛けた。
復讐法、被害者や遺族が独断で加害者を始末出来るイカれた法律。その代行者があたしだ。

「いくらあたしでも存在しないヤツは殺せないね」
「いいえ、ヤツは殺せる。そして、それはあなたにしか出来ない」

男の言葉にあたしは眉尻を下げた。
馬鹿馬鹿しい話だ、存在しないヤツを殺せだと?

「理解できないね、哲学なら他のオンナにやりな」
「報酬は経費も込みであなたの言い値を払います」

破格の条件にあたしはますますもって不愉快になる。こいつは正気か?
蠟人形の方がまだ人間味を感じられる依頼者にあたしはガンをつける。

「アンタ、正気かい?ラリってるなら他所に行け」
「私はノー・ドラッグです」

表情のない依頼人の瞳の奥にあたしは底知れない憎悪の闇を見た。

【つづ……く予定は今の所ない】

#逆噴射プラクティス #小説 #復讐者 #因果応報 #パルプ #逆噴射小説大賞レギュレーション


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