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Happy!Book!Making! -3- #ppslgr

紙材を納める倉庫、その締め切られたドアをけ破った俺とM・Jの眼に飛び込んできたのは中々シュールな光景だった。

倉庫としての役割を果たす為に設けられた広大な空間は、当然の事ながら大量の紙在庫が山と積まれておりそしてその空きスペースに二人の人物が居る。

「あっ!だ、誰だか知らないがお願いです助けてぇ!」
「げ、げぇっ!!?本当に殴り込んでくるヤツが居たぁ!?」

一人は恐らくは、紙在庫を買い占めた事になっている卸問屋の責任者だろう。哀愁漂う髪量に小太り、作業服の人物だ。問題はもう一方の方だ。

そいつは上質紙をソフトクリームみたいに張子細工に仕上げた様な、不均一な人型でなんというか地方に良くいるゆるキャラの様な風情の怪人物。

「……あれは、アレか、怪人って奴か?初めて見たな」
「ゆるキャラが一般市民脅迫したりはしないだろうから、そうだねぇ」

二人そろってなんとも能天気な感想をつぶやく俺達。そしてどこに潜んでいたか、黒塗りののっぺらぼうみたいな連中が「ム―、キョム―、キョー」と鳴きながらあちこちの物陰から這い出てくる。こっちは戦闘員というヤツだろうか。

「チクショウ……紙問屋を脅しておしまいの楽な任務だと思ったのによぅ……やれっ!お前達!そいつらを生かして帰すなっ!」
「なるほど、なるほど。説得:物理でカタが付くならこっちも願ったりかなったりだ」
「こんな奴ら相手にしたことないけどね!」

キョムキョム鳴きながらゾンビめいてにじり寄ってくる戦闘員、そのもっとも手近なヤツを引き抜いたカーボナイト警棒で横っ面を殴り飛ばす!さらには反対側の戦闘員を軍靴の厚底でみぞおちを蹴り抜く!

「R・V今日は刃物使わないのかい?」
「紙在庫に返り血が飛ぶのは好ましくないからな」

俺に軽口を投げかけるM・Jはというと、掴みかかってきた戦闘員の勢いを生かす形で反対側に投げ飛ばし別の戦闘員へと叩きつける!これは合気道の技だ。彼はそのぱっと見の雰囲気に反して、合気道ブラックベルトのワザマエを持つ男である。

と、首が360度回転する勢いでぶん殴った戦闘員が転倒したかと思えば砂が崩れ落ちる様に崩壊、消滅していく。その様子に眉をひそめる俺。

「どうも、尋常の生物ではないようだ」
「だね、なら手加減は無しだ!変!身!」

俺の隣で見栄をきったM・Jはスマホを掲げると板面をフリック操作、そして自身のベルトに当てる。彼の謎めいた操作によって床に魔法陣が構築されては上方に浮かび上がりM・Jの身体をトレースしていく。

そして魔法陣が行きすぎた後に現れたのは黒と銀のツートーンの装甲、腰からたなびくはウエストクロス、そして頭部は大型犬を模した意匠のフルフェイスマスク。

「な……!変身だと!なんでそんな奴が紙買占め程度に出てくるんだ!?」
「いや大迷惑だろ紙買占めって、D・Aからも『念入りに絞めておいて欲しい』って言われたし」

さらにゾンビめいて襲い掛かってくるヤツの胴を警棒でぶち抜いて蹴り転がしながらペーパー野郎怪人に突っ込みを入れておく。

【Happy!Book!Making! -3-:終わり:その-4-へ続く

作者注記

注文前に大まかに決めておきたいのは以下の三点だ。
本編は胡乱バトルの真っ最中だがその間に細々としたレクチュアをやっておこう。

1:本のサイズ

作りたい本のサイズによって、納められる情報量が変わってくる。
普段意識する事はないと思うが、メジャーなのはA4、A5、A6あたりだ。

A6はA5の半分、A5はA4の半分のサイズだと覚えておけばいい。
漫画はA4が、小説はA6かA5が良く用いられるように思う。もちろん逆でも読むのに支障が無ければ問題はない。

ただ紙のサイズが小さくなれば当然入れられる情報量も小さくなる。
そしてその分ページ数も増す事に注意しておこう。

用紙サイズの詳細については以下のページも参照されたし。

2:ページ数

注文を行う段階である程度ページ数のめどは付けておこう。
注文の後でも変更は可能であるが(印刷所によって異なるので事前に相談しよう)ページ数が大きく予算を左右するためだ。

その為にも事前に一度原稿を組版(印刷物向けに文章を配置する事)しておき、ページ数について大まかな見積もりを取っておくといい。

例えば小説であれば、1ページ辺り文字数を350ほど取ったとしても、改行や空きなどで実際に入る文字数はずっと小さくなる。実際に組んでみるのが一番だ。

3:発行部数

発行部数は予算を左右する他、在庫がはけるかどうかにも関わってくる。
売れなかった分は当然自分で保管するわけで、余り極端な数を刷ってもお金もかかるし持て余してしまう。

小説をイベントに持ち込むのであれば、20~30程度でも充分余る数だ。
この辺は自分の知名度、事前の宣伝活動にも左右される。余り多く刷っても泣きを見るので慎重に決めよう。

今回はここまでだ。またな。

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