ニャ本国ミケネコ首相3歳

 我が国の首相は猫、柄は三毛。年齢は3歳。
議員がニンゲンでなくてもいいと気づいた人類は、こぞって猫ちゃん犬ちゃん鳥ちゃんを議員に立候補させたのだ。
 最初は不便かと思われたが、実際の立法は当時既にAIが担当しており、人間は議席に座ってお茶を濁すばかりだったので、それが寝ている猫に変わっても、特に支障は無かったという。
 そうして、この国の議席は、猫が4割、犬が4割、鳥が1割、その他が1割となっている。人間の議員はとっくに一人もいない。
 昨日は議会演説の中継だったが、ミケ首相は当然のごとく、演説台に登ってこそ居るものの、丸くなって昼寝していた。SNSでは、その様子を猫派の人々が大喜びでスクリーンショットを撮り、犬派の人々が今度こそワンちゃんをワンチャン首相にするのだと息巻いている。
 その横でAIはもくもくと議会業務をこなしていた。AIが不正を行ったりした日には、自分たちに否が返ってくるので表面上は、エンジニア達は真面目にAIの調整をしているそうだ。
 財務大臣の、毛足の長いモジャモジャした茶色の猫が、あくびを上げると支持者は大喜び。ベストショットが、今日もタイムラインに流れてくる。
 一方で人類に主権を取り戻す、と息巻く立候補者も居るものの、1%も支持率を得られず爆死するのが常となっていた。人間は人間に関心がないのかもしれない。何処の選挙区も猫ちゃんは必ず立候補していて、票がニンゲンに流れる事はほとんどなかった。
 そうして今日は友好国からの表敬訪問。気怠げなコアラが、のそのそと飛行機から降りてきて、うちのミケ首相とご挨拶。そのラブリーさに、支持率は80%を越えたという。
 この国の議員は、動物だらけだ。ニンゲンがいなくても、それでも社会は回っている。でも、ニンゲンも動物だから結局大した違いはないのかもしれない。

空想日常は自作品のワンカットを切り出して展示する試みです。
要するに自分が敬意を感じているダイハードテイルズ出版局による『スレイト・オブ・ニンジャ』へのリスペクト&オマージュになります。問題がない範疇だと考えていますが、万が一彼らに迷惑がかかったり、怒られたりしたら止めます。

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