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Happy!Book!Making! -59- #ppslgr

銀と金の瞬影が水塊へ肉薄すれば二人で息の合った斬撃連携を繰り出す!通常の人体構造であれば必中の連携は、相手のスライム特有の柔軟性によって回避された!棚引く帯の如くスライム怪人が細長く伸びては刀身を受け流すと、そのまま別の長机へと飛び移り溶解処理を続行!無辜の同人誌が見る見るうちに溶解措置で解け落ちていく!

「当たらん!」
「見た目より反応が速い!」
「二人共、反撃が来るぞ!」

俺の呼びかけに反応すれば、二人そろってバックステップ!水塊から距離を取ったのを追うようにスライム触手が何本も本体から射出されれば猛然と敵を追う!標的はそろって剣を振るいスライム触手を切り捌くが、防がれ飛散したスライムは何事もなかったかのように本体へと戻っていく!

「斬った張ったじゃダメか……?」

怪人の身体は群体生物めいて個々の細胞が離別しても連携を取って元に戻れるのは明らかだ。倒す方法はなくもないが、雑に攻撃しているだけでは埒があかない。有効な手立てをうつ必要がある。

M・Jの方へ視線を送れば、彼からも頷きが返ってくる。意思疎通はOK、となれば後は時間を稼ぐだけだ。跳躍からの距離を取った銀狼に変わって俺が踏み込みからのスライム怪人へ間合いを詰める!両手にはナイフ!

「今度はキミか、懲りもせず刃物で何とかしようなどと脳を置き忘れてきたのかね?」
「単細胞群体生物に言われたかねぇな!」

溶解処理作業を中断してやおら集約、網の上のモチめいて膨れ上がりその身をハンマーその物に殴りつけてくるスライム怪人!膨大な質量の水塊を横っ飛び回避すれば、向き直ってスライム塊へ短剣を振るう!俺の腕がかすんで水塊に無数の斬痕が走ると、千切りされた玉ねぎ同然にスライムが斬り刻まれて床に飛び散っていく!

足元に流れたスライムを床ごと踏み砕きながらもう一歩踏み込めば、右手にもった短剣を力のあらん限りに下方へ叩きつけた!衝撃波がより一層スライムを細かく散らしていく!

「これは、これは。無駄な作業をご苦労な事だ」
「そうでもない」

曲芸同然の技でもってスライムを足止めしたのは当然ながら考え無しにやった事ではない。振り向く事無く間合いをあけると、俺の後方から間髪入れずに水流の槍が幾重にも解き放たれスライム怪人へと食らいつく!

「これはっ!?」
「良い感じだ、そのまま頼む」
「了解!」

M・Jが引き起こした水流は見る間に竜巻と変わり、会場内のスライムを一つ残らず巻き込んで渦の中に取り込んでいく。その様はまるで天然脱水機めいてスライムから水分をしぼり取っていった。

「水が!ワタシの水分が吸われて!」
「気づいたか、だがもう遅いな」
「純粋な水分なら僕のコントロール下に置けるんだ!」

水竜巻の渦中でスライムは目に見えて見る見るしぼんでいき、水から解放された頃には夏の熱で解け落ちたビニールの様にカスカスになって床に舞い落ちた。こうなってしまえばスライムと言えど何ら脅威ではない。

【Happy!Book!Making! -59-:終わり:その-60-へ続く

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