見出し画像

危うしNote!出撃せよ、マルブンガーZ! #ppslgr

「おいおいおい、冗談だろ……」
 東京湾に敷設された、ピザめいた円状都市。そこに今、脅威が迫っていた。
 脅威の形状は二足歩行の恐竜の様だが、まるで機械仕掛けの様に幾何学的形状の鱗に覆われ、目はカメラ・レンズの如く光を吸い込んでいる。口は恐竜のそれよりもなお凶悪で、鋭い針の牙が奥まで連なっていた。
 なによりも危険なのはそのサイズで、50mはあろうかという大物。自律稼働する大質量の存在とは、それだけで文明を破壊しうる存在だ。
 まっすぐ巨大怪物が円状フロート都市の中心部、総合創作売買施設Noteに迫っているとの情報に、Note文芸部の一同は騒然となった。
「アレか?東京湾ってのはパンドラの箱か何かなのか?クリスマスの時だって良くわっかんない怪物が湧いて出たしさ!
「愚痴ってる場合じゃないって、このまま、まっすぐ来られたらアウトだよ。はす向かいさんとこの黒い人とか、今日は居ないの?あの人いっつもあんなの相手してるじゃん」
「SNSによると、別件で出払ってるようでーす」
「えーとじゃあお隣のマリーナ殿下は!」
「今日は相方の人と公開収録で手が離せないそうでーす」
「なーっ!?このままじゃ俺達、あの怪物の散歩でペシャンコにされるぜ!」
「ふっふっふ、こんな事もあろうかと、我がNote文芸部でも秘密兵器を開発していたのだ!……一度言ってみたかった!このセリフ!」
「そーそー!今日はボクに任せてね!」
 慌ただしくざわつく文芸部室内より、白衣の男性と、ずんぐりむっくり、曲線形状の円柱につぶらなひとみをくっつけた様な、そんなゆるきゃらマスコットが前に進み出た。Note文芸部のマスコット、まるぶん君だ。
「まるぶん君?え?まるぶん君はマスコットでしょー?」
「百聞は一見にしかず!見さらせ我らの秘密兵器を!ポチッとな」
 白衣の男性がスマホ板面に表示されたボタンを指先でタップすると、Note文芸部が振動に包まれる。コミュニケーション用の大型モニタに、外の景色が映し出された!冬ということで閉鎖されているのに、何故か並々と水が張られている大型プール!
 プール施設が真っ二つにわかれたかと思えば、そのまま両側に収納させていき、下方には縦穴型の建造物が確認出来る。
 プール施設に偽装されていた秘密施設の中に存在したのは、白銀の巨人だ。その全身は丸太のごとく堅固な円柱の手足が接続された、まさしく要塞の如き威容。胸に輝くのはW字型のエンブレム、それが胸甲としてマウントされている。頭部に当たる部分には、いかめしい兜の顔とカップ状になった装甲が存在していた。
「えっ?えっ?」
 困惑する文芸部の方々。しかしまるぶん君は自信満々に外に出ると、そのまま文芸部の秘密兵器に向かって翔んだ!
 人間の胴位のサイズだったまるぶん君は、そのサイズを拡大させて、ちょうど姿を現した秘密兵器の頭上に迫る!一体何をしようというのか!
「マルブンーッ!オーンッ!」
 なんと、まるぶん君は秘密兵器頭部のカップ状装甲にすっぽり収まると、ちょうど空いたスリットからそのキュートな顔を覗かせる。そして、まるぶん君がマウントすると同時に、白銀の要塞、その瞳に光が灯った!力強く両腕を掲げる白銀の巨人!
「マルブーン!ゴーッ!」
 地上へとエレベーターによってせり出した白銀の巨人は、その背から青い翼を展開し、空へと飛び立つ!ポカーンとする文芸部!
「ハーッハッハッハ!見たか皆の衆!コレこそが対note侵略者文芸部所属かつ専用装甲機動兵器『マルブンガーZ』だ!これさえあれば、お隣さんやはす向かいさんとの武力闘争もおそるるに足らず!」
「いや、私達文芸部……では?」
「サークルの部費を一体何に使ってんだ一体!」
 喧々諤々のツッコミも何のその、モニターにはマルブンガーZが機械怪獣対峙する雄姿が映し出された!突如現れた脅威に、咆哮をあげて威嚇する機械怪獣!
「ブンゲイカッター!」
 謎のワードを叫んだまるぶん君!その求めに応えて、巨人はその両腕から刀めいた刀身を形成、肘から先を発射する!飛翔するカッター付き前腕部は、困惑する機械怪獣を切り裂いた!オイルめいた体液が東京湾に舞い散る!
「ガオオオオオオオオオン」
 謎の機械怪獣、ダメージを受けているばかりではない!そのカメラ・レンズめいた虚ろな目から、昭和の怪光線を放つ!
「メンタル・ガードオオオ!」
 マルブンガーZが胸を張った瞬間、胸のWエンブレムからバリアが発生。光り輝く障壁が迫るレトロ怪光線を阻んだ!続いて、巨人は前傾姿勢を取り、背部の翼から立て続けに十字手裏剣型弾幕を放つ!
「ノーザン・クロス・スリケン!」
「ガオオオオオオオオオン!?」
 大量の手裏剣弾幕を前に、火花をちらして後退する機械怪獣!しかし、屈することなく踏みとどまると、マルブンガーZに向かって猛進!その鉤爪を振り下ろすが、寸前で巨人の腕に阻まれ組合となった!
「今だ、まるぶん君!文芸力エンジン、フルドライブ!」
「これで決めるよ!ブレスト・ヒート・フレアーッ!」
 がっつり組み合ったまま、マルブンガーZの胸部エンブレムに熱いクリエイティブの輝きが発せられる!高文芸力エネルギーの白熱した輝きが!
「ガオオオオオオオオオン!!!!?」
 恐るべき創作力の熱量は、50mの巨大装甲機械怪獣を持ってしても、飴細工の様にとろかせ、焼き尽くしていく!白熱する怪獣は、装甲が破れ骨子があらわになった時点で爆発四散!木っ端微塵となり東京湾へと散っていった。
「ひゃっはーっ!大・勝・利!」
「よくやったぞまるぶん君!我々の創作力の勝利だ!」
「文芸とは……創作とは……」
「一体何処から予算が……」

これはなんですか?

note文芸部マスコット「まるぶん君」が、なんかこう自分の専用機動兵器がほしそうなムーヴをしていたので、彼、彼?に確認を取った上で書きました。文芸部の皆様ごめんちゃい(空中跳躍三回転半土下座)。

万が一、二次利用してみたいとかなった場合、本作の設定についてこちらに許可とか取る必要は無いのでガンガン活用してください。かしこ。

なお、note文芸部はじつざいします。興味があったら覗いてみよう!

空想日常は自作品のワンカットを切り出して展示する試みです。
要するに自分が敬意を感じているダイハードテイルズ出版局による『スレイト・オブ・ニンジャ』へのリスペクト&オマージュになります。問題がない範疇だと考えていますが、万が一彼らに迷惑がかかったり、怒られたりしたら止めます。

現在は以下の作品を連載中!

弊アカウントゥーの投稿はほぼ毎日朝7時夕17時の三回更新!
ロボットが出てきて戦うとかニンジャとかを提供しているぞ!

#毎日note #毎日更新 #毎日投稿 #空想日常

ドネートは基本おれのせいかつに使われる。 生計以上のドネートはほかのパルプ・スリンガーにドネートされたり恵まれぬ人々に寄付したりする、つもりだ。 amazonのドネートまどぐちはこちらから。 https://bit.ly/2ULpdyL