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「竜とそばかすの姫」 自己統合の物語

ありたい自分と、いまの自分を統合する「勇気」のお話

細田守「竜とそばかすの姫」賛否が分かれていたので、興味深く観賞。

私は、この映画を、こんな風に味わいました。

自分が活かされた姿、自分のありたい姿を味わってしまった女の子が、「現実との距離」を、多くの人の後押しを受けて、自分自身の「その人の助けになりたい」という想いに突き動かされ、「勇気」をもって統合していく。

そんな物語として、味わいました。

今、すごく「自分らしさ」「自分を活かす」
という価値観が支持されているように感じます。
この、時代の空気感を見事に纏っている作品でした。

市場は成熟し、必要なモノ・情報は我々の手に最低限はゆきわたりました。
頑張って、物質的に豊かになる時代は終わった。
「経済成長」という「正解」の物語が終焉を迎えている。

そう、何が「正解」かわからない
この不確実な世界。
たくさんの物差しがある中で、
何を大切にするかは、自分次第。だから、自分らしさを知ろう。
でも、それって何? そんなのあるの??
そもそも、わたし、何のために生まれたの?

そこに登場するのが、<U>という仮想空間。

ボディシェアリング機能を有しており、<U>の世界ではその人の隠された能力を無理やり引っ張り出すことができる。(竜とそばかすの姫公式サイトより)

↑こんなのあったら、ええなあ!笑

「やり直せる、生き直せる」

そこで、主人公の女の子は、体感するのだ、
隠された能力が活きた自分を。
そして、その姿を見たUの住人たち、登録している人たちは魅了されるのだ。
それがBelle(ベル)という<U>の世界の主人公の姿。

歌よ翔べ みんなへと 
悲しくて嬉しいの!今
この世界は 全部あって

目を伏せた 空にさえ
星は光り 
日が昇り
咲く花が あるのね、綺麗 
歌 歌 歌
いつまでも 歌うわ

歌い継ぐ 愛してる いつまでも

たくさんの現実問題をはらみながらも、物語は、自己統合へと進んでいく。

「救われる」「救う」とはなにか?
「正義」とはなにか?
現実問題、色々「?」はあるかもしれないけれども、
それでも、こういうことが実現したら、いいな、と、肯定する、そんな物語。

というのが私の解釈です笑。
そして、この、歌声と、世界観が素敵。

Belleのメドレー
それだけでも、ぜひ、ご覧いただきたい映画です:)

(一緒に観た小学3年生の娘も、笑いあり、涙ありで全集中、鑑賞後もこの歌をよく口ずさんでいます)

Oceans of loves...

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