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iPhone13と斜陽とボニーとクライド

8時20分起床。
ジメジメしている感じ。
エアコンを除湿にする。

9時から仕事。
コーヒーを飲みながら仕事。
お盆休み明けの初仕事。
特に感慨はない。

昨日は携帯ショップに行ってきた。
他社への乗り換えをする。
キャンペーンで、他社からの乗り換えをするととても安くなる。
その恩恵を受けるために申し込みに行ってきた。

ちょっとなんだかややこしい感じだったけど、恩恵は受けられそうだ。
いま使っているiPhone7を、iPhone13にする。
機種代が実質1円になる感じのキャンペーンだ。
いまiPhone高いのに、すごいね。
そりゃあまあ色々条件があるのだけど。

月々の支払いを安くするのが優先である。
iPhone7なんて40年ぐらい前の商品だから、それをiPhone13に飛び級で新しくできるのは大変喜ばしい。
それが機種代1円なら、どんな条件でも飲んでやろうという気概だ。

意味不明だが、店舗で申し込みをしなきゃ受けられないキャンペーンだった。
なので面倒だが行ってきた。
通常ならwebでの申し込みを受け付けている携帯会社なのに。
まあそれもキャンペーンの恩恵を受ける条件のうちの一つなので仕方ない。
申し込みには45分ぐらいかかった。

店舗に在庫がなかったため、商品が自宅に届けられるのを待つ。
たぶん今月末ぐらいだ。
単純にデータ容量が増えるので楽しみだ。
今のiPhone7は32GBしかなくて、常に容量ギリギリの状態だ。
新しいアプリをインストールするとき、別のアプリを消したりする。
写真や動画を撮ったらすぐにパソコンにデータを移行しなくてはならない。
動画を撮る時は容量がいっぱいになってしまうんではないかと常にハラハラしていなければならない。

もう今売っているスマホで32GBなんてなかなか無いらしい。
それが今度から、128GBになる。
4倍になるわけだ。
夢のようである。

カメラの性能も格段に上がるのだろう。
それもとてもいい。
今のやつでも不便は感じないが、自分のやつより新しいスマホを使っている他人の撮った画像や映像を見ると、やはり違うなと感じる。
最近は自然の風景とかよく写真に撮ることが多いので、画質や機能が向上するのは嬉しい。

契約の際、保険とかオプションとかは極力減らすタイプである。
とにかく支出を減らすことを優先する。
失くしたり壊したりした時の補償サービスとか保険とか、店員さんに色々勧められるけど「いいっす」と断る。
失くしたり壊したりしなければいいのだ。

保険に入って月々の支払いを多くするより、好みのストラップやスマホケースを買って、失くしたり壊したりするリスクを減らせばいいのだ。
ストラップやスマホケースを買わなくても、失くしたり壊したりしないように日頃からよく注意すれば良いのだ。

中学生の頃に最初に使っていた携帯電話はJ-フォンだったか。
それがその後ボーダフォンになってSoftBankになって、auと2台持ちをしたりして、あとは格安スマホになっていった。
Androidにしてた時期もあったけど、基本はiPhoneユーザーだ。

iPhoneは4s、6、7、13と進んでいっているんだったかな。
一度4sを2年ぐらい使って、そろそろ買い替えようという時期に落として失くしちゃったんだったかな。
原付きバイクで配達する仕事をしていて、雨が降る夜の大通りを走行中にポケットから落ちて、気づいて引き返した時にはもう遅くて見つからなくて、交番に届けたけど結局戻ってこなかった。

落とし物を交番に届けないような心無い人間の手に拾われて今どんなふうに悪用されているんだろうか。
20代前半とかの、2年間分の写真や動画とかを見られたんだろうか。
バックアップも取っていなかったので、思い出がもう二度と返ってこないことに愕然とした。
バイク走行中に落ちた衝撃で木っ端微塵に粉砕されていてくれとむしろ願った。
雨でデータ全部ダメになっていてくれ、とも。

お盆休み明けの初仕事を終えた後、TVerを見ながら夕ご飯を食べた。
あちこちオードリーが面白かった。
ストロングのお酒を1缶飲んだ。
お風呂に入って、あがって、読書をした。

太宰治の『斜陽』を読んでいる。
女性の一人称小説。
母を慕う娘のお話。

「人間は、嘘をつく時には、必ず、真面目な顔をしているものである」という描写があり、真島昌利さんの名曲『こんなもんじゃない』を思い出した。

『人は嘘をつく時には必ず真面目な顔をするの
そんな太宰治のような事を ボニーは真面目な顔で言う
いいかいボーズ教えてやろう 上目使いでクライドが言う
ブタの自由に慣れてはいけない もっと人は自由なのだ』

真島昌利さんは文学にも映画にも造詣の深い方。
歌詞の中の「ボニー」と「クライド」は、アメリカン・ニューシネマを代表する映画『俺たちに明日はない』の主人公の男女の名である。
この二人は実在する人物で、恋人同士でありながら共同して銀行強盗や殺人を犯した凶悪犯。
当時は世界恐慌の只中で、鬱屈した社会において扇動的な犯罪を繰り返す二人は、一部の市民からは英雄視されてもいた。

『今夜ボニーとクライドが僕の部屋へやってくる
冷蔵庫にはビールもあるし 安いチーズも少しはある』

歌詞の冒頭では、映画『俺たちに明日はない』を部屋で観ようとする描写があり、その後の歌詞では、若い頃に思い描いた理想が大人になって現実的で一般的なものと見えてしまう切なさや、無知な権力者への反骨心を表すような言葉が綴られる。
そしてサビではひたすらに「こんなもんじゃない」という静かな叫びを繰り返す。

時を経るごとに現実が廃れて見えてくることに抗おうとする自分を鼓舞する曲であり、仮初めの自由を謳い怠惰にのさばる権力者たちへの反骨精神が表現されている曲である。

『斜陽』の中のその記述は、主人公の弟の直治が戦争に行かされた際、麻薬中毒になりながら散文的に記した日誌の中の記述である。
「人間は、嘘をつく時には、必ず、真面目な顔をしているものである」のあとは、「この頃の、指導者たちの、あの、まじめさ。ぷ!」と続く。

発狂した精神で支離滅裂に記された日誌は、しかしそれゆえに、戦争に参加することの苦しさと、権力者や指導者たちに対する恨みつらみが、素直に顕著に表されている。

『人は嘘をつく時には必ず真面目な顔をするの
そんな太宰治のような事を ボニーは真面目な顔で言う』

映画の中のボニーの台詞でそういった意味の言葉があったのだろうか。
それとも真島さんの創作か。
それはすぐに確かめられないけど、ボニーと直治に共通する思考や精神を汲み取って真島さんが歌詞に引用したのだろうと思った。

追い詰められた精神状態にある人は疑心暗鬼になる。
自分に指示を出したり多く接触する相手に対して、その人の言葉の真偽を読み取ることに躍起になる。
そうして見つけ出された法則のようなものが、「人は嘘をつく時には真面目な顔をする」ということである。
彼らのような状態の人の発見ほど信憑性が高いとも思える。

『斜陽』はお盆休みの期間中に読み終えようと思ったのだが、まだ半分ほどだ。
読むのが遅い。
まあでも、じっくり読むのである。

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