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むむ、甘くないぞ。還暦過ぎの再就職ただいま奮闘中。

28年間事務職をしてきた私が、再就職先に選んだのは経験値ゼロの厨房の仕事です。

50代で読み漁っていた定年後の人生についての本の中に、
「本当にやりたかった仕事をやってみる。」
ということが書かれていた。

現実的には60歳を過ぎて新しいことを始めるより
それまで培ってきた経験を活かした仕事をする方がいいだろう。
それなら嘱託で残る方が手っ取り早いし,収入もおそらくそれが一番良かったと思う。

それでも、事務職というものは経験値が重宝されると思えなかった。
自分なりには頑張って覚えたExcelやWordも
若い新人さんの方が知識があったり、勉強すればいとも簡単に使いこなすようになる。

職人になれば良かった。
などと経験値が若い人には到底超えられない職種の人を羨ましく思ったりもした。


前置きが長くなってしまったが、それ故に私のセカンドステージの選択肢は、やりたかった仕事を考えることで絞ってみた。

子供の頃から料理が好きだったし、一応主婦として長年料理をしてきた経験値もある。
そして、世の中の役に立つ仕事がしたいという願望も込めて
介護施設の厨房の求人に応募することにした。

退職してから夫の扶養に入ったので、当分は扶養範囲内ということで
9時から15時の週休3日というとてもゆとりのある勤務なのだが
週に2日は往復2時間半を要する孫のところに行くので
なかなか慌ただしい生活になった。

厨房での仕事は、初日こそ面白がってワクワクしたが
何度教えられても覚えることができない自分が情けなくて
毎日出勤するたびに心臓をバクバクさせている。

やっと10日過ぎたところなのに。

私はせっかちなので、バタバタ走り回っているような仕事には合っていると感じていたが、そんな私の感覚でも厨房内で働く人の動きの速さに圧倒されている。

みんな何本手があるのか?

ここにいたら千手観音になる?

おそらくこの光景を漫画で描いたら
食器を洗っている場面など、手が10本くらいは描かれていると思う。

つ,つ,ついて行けるだろうか、、、、、、


前職の新入社員研修の時に
「挨拶をしっかりすること」
「分からないことはちゃんと聞くこと」
「手が空いたらやることはないか聞くこと」
「教えてもらったことはしっかりメモをとること」
などと教えてきた。

基本である。

しかし、厨房内では一切メモが出来ないのだ。

入室時は手洗い、消毒。
洗い物をしたら手洗い、消毒。
食品を触る時は手袋と
衛生面が厳しい厨房内でペンとメモ用紙を持って歩く訳にもいかず
老化盛んな脳みそにひたすら刻み込むしか術がない。

これが一番辛い。

片付ける食器の位置すら何度も何度も聞くしかなく
足手まとい感が半端ない。

あーいつなったら一人前になれるやら。

還暦過ぎの再就職は甘くない。
気力、体力に自信があっても
記憶力の低下という抗えない壁があった。

マニュアルもなく、臨機応変さが求められている。
若い頃得意のはずだった臨機応変も
脳みそが退化してくると難しいものだと気づく。

あー、でも頑張らないと!
施設の入居者の方、デイサービスに来られる方に美味しい食事を提供する仕事なのだ。
この仕事につけてよかったと思えるように精進しないとな。

久しぶりのnote更新です。
今後も不定期更新になると思いますが
成長を伝えられるよう頑張りたいと思います!

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