♯10 初めてのオケ体験記④ーー本番編
これまで3回に渡ってお届けしたオケ体験記も今回で最終回となります。
いよいよ本番編です。
**これまでの記事**
※この記事は2023年秋の出来事です。
1 いよいよ本番 オケ体験会の流れ
3週間の練習期間を経て、オーケストラの初見演奏会の日がやってきました。
弾けるところは、自信を持って弾こう。
弾けないところも自信を持って弾いているように見せられるようにやってみよう。
そして何より、オーケストラの雰囲気を楽しもう。
そう心に決めて、会場へと向かいました。
一緒に弾くチェロの方々に挨拶をし、席決めをしました。
私の席は、3列目のインとなりました。
「せっかくだから、一番前はどう??」
と言われたのですが、さすがに全部弾けないのに、一番前に行く度胸はありませんでした(笑)
私の席は、前からも後ろからもチェロの音が聞こえて良い席でした。
最初の1時間ほど指揮者を交えての全体練習です。
10分強のチャイコフスキー交響曲第5番第4楽章をところどころ止めながら指揮者が弾き方を指示してくれます。
「〇〇小節目の△△は〜〜のように弾いて」
と楽器ごとに指示を出されたり、特定の楽器のみを弾いたりする場面があります。徐々に指揮者のイメージに近づけていけるよう演奏します。
「オケの練習ってこんな感じなんだ」と雰囲気を味わいました。
全体練習が終わると、いよいよ通しで演奏です。
初見演奏会の様子を見に来てくださった観客の方もいらっしゃいましたので、本番と同じようにお辞儀をしてから演奏を始めます。
本当の演奏会のようで、ちょっぴり緊張ならすくさん。
ひとたび音が鳴り始めると、流れに乗りながら、楽しく弾くことができました。
2 勉強になったこと
⑴ 楽譜について
♯4 初めてのオケ体験記②ーー準備編(1)の「1 楽譜の印刷、製本」でもお話したのですが、楽譜について、こうしておけば良かったなということが2つありました。
①印刷する楽譜のサイズをもう一段階大きくすれば、見やすかったと思います。
②書き込みをしすぎても、本番で楽譜の書き込みを見る余裕があまりないため、本番用の最小限の書き込みにとどめた楽譜を用意した方がよさそうです。
⑵ チューニング
これまで、チューナーを見ながら1本ずつ弦をチューニングするという方法しかやってきませんでした。
オケのチューニングでは、オーボエが鳴らしたAの音を耳で聞いて、A線を合わせます。他の線はフラジオを使ったり、2本の弦の同時に鳴らして調整するとか・・・
オケでのチューニングは、少し憧れがあります(笑)
早く耳でチューニングできるようになりたいですね。
2本の弦を鳴らしながら、チューニングする耳を鍛えるにはこういうアプリが良さそうだな〜と思ったのは余談です。
⑶ 譜めくりのタイミング
本来ならば、インの奏者が譜めくりを行います。
・・・が、私は今回が初参加。弾く方に必死になりすぎて、
「ん?どのタイミングで譜めくりをしたらいいんだ?」
と迷ってしまいました。
また、見様見真似で譜めくりにチャレンジするも、横着しすぎて腕の長さが足りず、結局ベストタイミングで譜めくりができなかったという結果に・・・😭
今回は、結局、経験者の方に譜めくりをやっていただいたので、助かりました。
譜めくりマスターになるべく、演奏を邪魔しない感じで譜めくりできるようになりたいな〜と思うらすくでありました。
また、譜めくりに関して「なるほど!」と思ったのが、
音がなくなったタイミングで一斉に譜めくりをしてしまうと、譜めくりの音が目立ってしまうので、タイミングをずらして譜めくりをすることがあるということ。
色々と勉強になります。
⑷ 鉛筆を出しておくこと
指揮者の指示をすぐに楽譜に書き込めるように鉛筆を譜面台に用意しておくのが良いです。
いつもアンサンブル会やレッスンでは出すようにしていたのですが、当日はうっかりしてしまいました💦
⑸ ソロとオケの音の出し方の違い
普段の練習、レッスンではソロで弾く曲の方が多いです。
初っ端では、いつものように弾こうとしたのですが、危ないところでした。
音がめっちゃ浮く。
他のチェロの音と馴染ませるようにして弾くのが難しいなと感じました。
音程はもちろんのこと、音色も。
同時に、うまく馴染んだ時には一体感が生まれ、達成感を味わえました。
3 オケ体験をして楽しかったところ
⑴ 音の響きを間近で楽しめたこと
吹奏楽部で合奏の経験があるとはいえ、10数年前の出来事。
チェロを始めてからオーケストラの演奏を聴きに行く頻度は増えましたが、もちろん観客として音の響きを楽しむのみ。
演奏者側になってみて、間近で他の方の演奏を聴きながら、自分もその中に入っていく。
とても贅沢な経験。
ソロやアンサンブルとはまた違った音の響き。
いろんな音の層が合わさって、響いていく様を中から楽しみました。
⑵ 指揮者の表現の面白さと的確さ
「そこは心太を出すような感じで吹いて!!」
こういう身近なものを音の表現として使うと、イメージしやすくて演奏に反映させやすいよねと納得しました。
それにしても「心太」・・・笑
なんか、ツボにハマりそうでした😆
⑶ みんなと音を合わせることの楽しみ
速くて弾けないところも多かったのですが、「ここは弾き切るぞ」と決めたところを弾くことができた瞬間、他の楽器の音と自分の音が合わさった瞬間を味わうことができ、一体感と達成感を覚えました。
音は合わせられないけれども、息を合わせることができたので、エアーも練習しておいてよかったなと思います。
大勢で一つのものを作り上げていく感じ、本当に楽しい。
4 オケ体験を経て得たこと
オケの練習では、どうやって曲を仕上げていくのか、その過程を知ることができたからよかったです。
高校生以来の合奏であり、大勢で音を合わせることの楽しさを思い出せました。
練習時間が短かったとはいえ、弾けない箇所が多くて悔しい思いをしました。これからはオケで難なく弾けるくらいにレベルアップしたいと目標ができました。
チェロの視野が広がりました。どういうことかというと、今まで1ポジだけで極力弾こうとしていたけど、早いメロディを引くには、ポジションを使い分けして、効率よく左手が動かせるようにした方がいいということが分かったからです。
楽譜を読むのが苦手から少しだけ普通になりました。初見演奏会後、通常の練習を見学させてもらいました。そのときにフルスコアを見ながら演奏を聴いていましたが、落ちてしまうことが少なくなったし、この辺からやってるなーと分かるようになりました。
5 終わりに
4回に分けてお話ししたオケ体験記、いかがでしたでしょうか?
私自身の備忘録も兼ねて書きましたが、チェロを始めたばかりの方の参考になれば、幸いです。
最後に、オケ体験をする前に出会っておきたかった書籍を紹介して終わります。
こちらの本、最初の方にオケで準備することや心得が書いてあります。
この本に出会ったのは実はつい1、2週間前の話です。
今回の私の反省点も一部心得として書いてあるものもあり、やはりオケに乗るなら当然気をつけるべきことだったのかと改めて思いました。
書籍のほとんどは各曲の場面場面でチェロがどう弾くか、表現や技法の話が書かれています。
こちらはまたおいおい読んでいきたいです。
有名どころの曲が並んでいます。
オケ体験会に挑戦する前に読みたかったなーと思った一冊でした。
ここまで、お読みいただき、ありがとうございました!
また別の記事でお会いしましょう。
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