Weekly R-style Magazine 「読む・書く・考えるの探求」2017/10/30 第368号
はじめに
はじめましての方、はじめまして。毎度おなじみの方、ありがとうございます。
あっという間に10月月末です。今月は特に早かった気がします。
さて、数日後にはもう11月なのですが、以前からお知らせしていたとおり、来月から当メルマガの価格が変更されます。月額720円。note.muで展開しているバージョンと同じ価格ですね。
もし、「この価格はちょっと……」という場合は、今月中に解約手続きをお願いします。
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もし、「この価格でも構わないよ」という場合は、引き続きよろしくお願いいたします(ペコリ)。
〜〜〜7wriner α版〜〜〜
現在「アプリ開発日記」を連載中ですが、そこで開発中のツールのプロトタイプが(限定公開できる程度には)整いました。
「アプリ開発日記」の冒頭にURL等の情報を記載しておりますので、ご興味ある方はご覧ください。
フィードバックもお待ちしております。
〜〜〜深夜のポンプ車〜〜〜
台風がやって来ました。珍しく私が住んでいる地域にも直撃しました。
避難勧告も出ました。今回初めて避難指示も見かけました。私が住んでいる地区はその対象ではなかったのですが、市一帯にすさまじい雨が降っていたことは間違いありません。しかも、私は川のすぐそばに住んでいます。川の水位よりも低い場所です(堤防の横に住んでいるのをイメージしてみてください)。
田舎なので、田んぼや畑がたくさんあり、そのための水路もたくさんあります。その一つが、見事に氾濫しました。私の家よりも少しばかり低いところでは、一時期膝下まで水が来ていたそうです。
ポンプ車も出動していました。私が妻を迎えにいき、深夜12時近くに帰宅したときも、まだポンプ車は動いていました。もちろん、そのための人もそこでは働いているわけです。
結局私たち夫婦は、迫ってくる水のことはあまり気にすることもなく、そのまま眠りに就いたわけですが、そういう楽観的なことができるのも、単に水害がそれほどひどいものではなかったからではなく、夜通し働いてくれているそのポンプ車(とそれを動かす人々)のおかげなのだな、と感じました。
〜〜〜微差選挙〜〜〜
先日、衆議院選挙が行われました。
私の選挙区は「京都六区」なのですが、その結果が非常に微差でした。101,977票と100,338票。43.0%と42.3%。その差、0.7%。おそらく負けた候補者さんはすごく悔しかったのではないかと思います。数万票の差をつけられたのなら、すっきりあきらめがつくでしょうが、ここまでの微差ならば、過去の自分の行動を「あのとき、もっとこうしていれば……」みたいな情念が浮かびやすくなりそうんが気がします。
が、それはさておき、これくらい小さい差だと、まさに「あなたの一票が結果を動かす」みたいな感覚は強くなりますね。で、それが政治への参画を促すように思えるのですが、むしろ「自分の一票が結果を変えてしまう」みたいな恐怖もまた強めるのではないでしょうか。
なかなか微妙なところです。
〜〜〜スマートなシステム〜〜〜
最近バレットジャーナルが界隈(どこだ、それは)で人気なのですが、以下の記事がたいへん面白かったです。
◇Bullet Journal でフリーライティングつき todo list をつくる | gofujita notes
このノートの使い方も興味深いのですが、加えて面白いのが記事で紹介されいる「Dash/Plus システム」です。
◇patrickrhone / journal » The Dash/Plus System
「箇条書きリスト」に使われるBulletを拡張したシステム、あるいはチェックボックスの拡張と言えるかもしれません。
済んでいないタスクの頭には「−」を、済んだタスクの頭には「+」を、といった感じで、項目の状態に合わせて頭の記号を変化させていく、というものです。
この手法の優れたところは、まず「タスクの状態遷移には複数のパターンがあること」がきちんと想定されていること。でもって、それを表現するためのミニマムな表現が実装されていること。この二点でしょう。
たとえばチェックボックスであれば、「実行前」「実行済み」の二状態しか表現できません。しかし、タスクにおいては、「この時点では少し先送りにしよう」とか「そもそもこれはタスクではなくなった」というような状態変移が日常的に起こります。on/offしかないチェックボックスではそれを捉えきれません。かなりの程度、状態的情報を「丸める」必要が出てきます(そして使い勝手の悪い物ができあがります)。
その点、この「Dash/Plus システム」はおおよそ想定しうるタスクの状態が網羅されていますし、また、それを表現するための記法も極めてシンプルなもので、かつ連続的です。
最初にタスクが発生する。横棒を引く。タスクが終わる。そこに縦棒を加える。完了。
タスクが発生する。横棒を引く。待ち状態になる。右向きの傘を加える。待機状態。完了。
タスクが発生する。横棒を引く。必要なくなる。左向きの傘を加える。削除。完了。
タスクの状態遷移の流れと、その記号的表現の変化がマッチしています。タスクの始点が、記号の起点になっているのです。
このようによく練られたシステムを見ていると、たいへん嬉しくなります。英知、という感じがします。たぶんこれを開発された方も、その当時はずいぶんワクワクしていたのではないかと想像します。
〜〜〜信頼と検証のプロトコル〜〜〜
ものすごく疑り深い人と、あっさりと信じ込んでしまう人。
ひとりの人間の中に、その両方の性質が表れることがあります。
たぶんそれは、その人の中に検証のプロセスがなく、信頼するかどうかが極めて単純に決定されているからなのでしょう。
〜〜〜積み重なる小さな差異〜〜〜
予想以上に体重が増えていることに気がついたとき、一つのことを決めました。
「体重を毎日測ろう」
その決意から随分と日付が経ち、たしかに体重は減りました。2017年6月から比べると5kg近く減っています。
別に激しい運動を始めたわけでもなく、食生活を抜本的に変えたわけでもありません。正確に計量したわけではありませんが、単に食べる量が少し減っただけです。
たとえば夕食時のご飯を、茶碗一杯ではなく八分目までにする。外食時、大盛りが無料でも、普通に留めておく。それくらいのことです。
実感としては、ほとんど何も変わっていません。でも、たしかに数字の上では体重は減っています。
■
毎日体重を測るようになって、気がつくことがありました。それは、毎日の体重なんてほとんど変わらない、ということです。実際、ここ3日間の私の体重は、59.8kg,59.5kg,59.9kgと推移しています。ほとんど同じなのです。食べたら増え、出したら減る。その繰り返しで、だいたいは一定に保たれます。
ここで先ほどの話が絡んできます。
一日に一回、茶碗一杯のご飯を食べることと、八分目までのご飯を食べること。その差異は極めて小さいものです。おそらく小数点以下1桁しか表示されない体重計ならば、感知できないほどの差異でしょう。体感としても、体重がより増えているような(あるいは減らしているような)感覚はありません。
しかしその差は、たとえば四ヶ月積もると、たしかに目に見える差となります。つまり「気がついたら、太っている」のです。そして、逆も言えます。つまり「気がついたら、痩せている」のです。
もちろん暴飲暴食を続ければ、劇的に体重曲線は上昇していくでしょう。逆に、特殊なダイエットすればぐんぐん体重は減っていくのかもしれません。が、そういう話とは別に、「気がついたら、太ってい」たり、「気がついたら、痩せてい」たりすることが起こりえます。
私たちは小さな差異に気がつけません。あるいはその差異がもたらすものを実感できません。
今私はこうしてその現象を説明してはいますが、だからといって「毎日のご飯の量を少しだけ減らせば、体重が減らせる」と実感しているわけではないのです。単に結果として、体重が減っていた。それだけのことです。
もちろん、理屈を持ち出すことはできます。一回の食事あたりで茶碗二分の差が生まれるのだから、五日で茶碗一杯分となる。四ヶ月はおおよそ百二十日だから、二十四杯ほどのご飯を多く食べたことになる(あるいはその分を減らせる)。
理屈としては間違っていません。でも、そんな計算をしたからといって、何かが変わるわけでないのです。だって、食べている気分としては、茶碗一杯も八分目もさほど変わりませんし、むしろ気分の良さで言えば、一杯の方が良いからです。上のような計算をどれだけしても、たぶん体重計に乗っていなければ、食卓では一杯の茶碗を選択してしまうでしょう。
もちろんこの話は、体重と食事の関係だけに留まるものではありません。私たちには見えていないものがいっぱいあります。
〜〜〜Q〜〜〜
さて、今週のQ(キュー)です。正解のない単なる問いかけなので、脳のストレッチ代わりにでも考えてみてください。
Q. 自分だけが使う情報管理ツールを、オーダーメイドできることになりました。さて、どんなツールを希望しますか。
では、メルマガ本編をスタートしましょう。
今週も「考える」コンテンツをお楽しみくださいませ。
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2017/10/30 第368号の目次
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○BizArts 3rd 「達成感シンドローム」
タスク管理を掘り下げていく企画。連載のまとめに入っています。
○SS 「呪怨師」
読み切りのショートショートです。
○ノート道の歩き方 vol.6
週替わり連載。ノートに関する連載を続けています。
○やがて悲しきインターネット 「Mediumの変化」
インターネット関係の話題について書きます。
○アプリ開発日記 vol.3
最近注力しているWebツールの開発顛末を書いています。
※質問、ツッコミ、要望、etc.お待ちしております。
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