マガジンのカバー画像

コラボしようぜで始まったけどまだ中身も決まっていない本の連載

27
突然の「コラボしようぜ」というツイートから、いきなり始まってしまった本の企画を連載していくマガジンです。 https://scrapbox.io/kuratakabooks/
運営しているクリエイター

2018年1月の記事一覧

第十回:無料かつ柔らかいほうが広く伝播する

第十回:無料かつ柔らかいほうが広く伝播する

いろいろあって更新が遅くなりました。すいません。

さて私は前回、出版メディアを「お金」と「固さ」に分類したわけですが、「固さ」という軸に倉下さんが驚いてくれたのが嬉しかったです。やった!

問題は、「だからどうだっていうんだ?」という話になるでしょう。英語で言えば ”So what?” です。さきに結論を言うと、これは「コンテンツの流通しやすさ」に強く関わってくる話であると、私は思っています。

もっとみる
第九回:本を作るだけではない出版活動

第九回:本を作るだけではない出版活動

前回の鷹野さんの記事では、メディアを面白い切り口で分類されていました。ちょっと画像を拝借しておきましょう。

お金の軸はすぐに思いつきますが、「柔らか」と「固い」の視点では斬新でしたね。わりと驚きました。

で、上の図を見てまず注目したのが、「柔らか」の上部に位置する三つのメディアです。Twitter、Facebook、YouTube(r)。どれも巨大な(そしてやや排他的な)プラットフォームです。

もっとみる
第八回:出版ってなんだろう?

第八回:出版ってなんだろう?

デジタル出版を視野に入れることで、近代で固まりつつあった「出版」のイメージをいったんリセットして、再出発する。
第七回:古くて新しい出版|倉下忠憲|note

近代になって高度に発達した産業としての出版は、本来「出版」という言葉が指し示す範囲の一部でしかない、と言い換えることもできるでしょう。事業として行うことだけが「出版」ではありません。誰かに読んでもらうことを目的として書(描)かれているなら、

もっとみる
第七回:古くて新しい出版

第七回:古くて新しい出版

解体を続けましょう。今回解体するのは、「マスメディアの絶対性」です。

まずは、時計の針を戻します。パピルスの巻物に、葦のペンで文字を書く。っと、戻しすぎました。さすがにこれは出版ではありませんね。もう少し調整して、グーテンベルクが革命を起こした1600年代のヨーロッパあたりとしましょう。

アレッサンドロ・マルツォ・マーニョの『そのとき本が生まれた』は非常に面白い本で、グーテンベルクその人ではな

もっとみる
第六回:だんだんふえてくなかまたち

第六回:だんだんふえてくなかまたち

「ドラゴンクエスト(以下DQⅠ)」というゲームをご存知でしょうか。まあ、ほとんどの人にとっては愚問でしょう。家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」に登場した、初のオリジナル・ロールプレイングゲーム。発売は1986年。30年以上経ったいまなお続編が作られ続け、スマートフォンでもリメイク版が遊べるという、日本のゲーム史上に燦然と輝くシリーズです。

ただ、私にとって一番思い出深いのは、2作目の「

もっとみる