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テーマカラーを決める知識。コミュニケーションツールとしての「色」


色には意味がある

私が色彩はコミュニケーションツールだと思った出来事

ある日、私は一人お気に入りの奈良のインドカレー(多分ネパールカレー)さんで大好きなチキンカレーを食べていました。
奈良には美味しいカレー屋さんがいっぱいありますよね。
「ひさしぶりで嬉しいなー」と店内に設置されたインドのミュージックビデオを(好き)を見ながらカレーを頬張りつつ、ふと横の壁に目をやるとそこには民族衣装を着た美しい少女の大きなポスターが張ってあったのです。
女優のグラビアポスターなどではない、その神秘的な風貌に「何のポスターなのかな?」と気になりました。
、、、よくよく見ると隅に’’クマリ’’と書いてあります。
気になることはグーグルで検索。
その時知ったのは、ネパールでは’’生きた女神’’として崇められる少女がいるそうで、ポスターはその女神の写真だということ。
ポスターの少女の神秘的な感じにも惹かれたけれど、もう一つ気になったのが生きた女神のお化粧に使用される真っ赤な色でした。
その日常では目にしない「赤色」には何か意味があるのだろうか。
とその時はふと考えたのでした。

ネパールの少女(クマリとははっきり書いてなかったので気になる方は調べてね)

またも赤い顔の女性を発見

本屋での出会い

そんなカレー屋での疑問から、一年以上たったある日、本屋で「色」の本をぱらぱらとめくっていたところ、顔全体を真っ赤に塗った女性の写真がふと目に入りました。
この時思い出したのは、ネパールの生きた女神とされる少女の写真。
きっとこの本を読めば、彼女の真っ赤なお化粧の理由が分かるかもしれない!そう考えて、本を即購入したのです。

参照:色 民族と色の文化史

本のテーマは世界の「民族と色の文化史」考古学と民族学の学位を持つアンリ・ヴァリションという方の著書でフランスで発行されたものでした。
本著には、昔は色が少なかったこと。人類がどれだけ苦労して色を作り、貴重な顔料で服、住居に、自分の身体を染め、色を好み、祈り、そして嫌悪してきたのかが書かれていました。

子供の頃から絵の具が何色もあり、混ぜれば新しい色を作れた私にとって「色」とは「美しい色であるか」「好きな色か嫌いな色か」くらいの判断基準しかなかったので、大きなカルチャーショックを受けます。

そしてこの経験が、私が暮らす古代奈良の々はどのように考え、どのような色を使用してきたのだろうかと考えるきっかけになったのでした。

ちなみに赤色は

・豊穣、子孫繁栄の色。
・女性の血
・守護する
・戦いの色、戦いを鼓舞する
・権力者の色
・神聖力を高める色
・神の怒り
・生に回帰する死
などの意味があるようです。
詳細は本を読んでください。すごく面白いから。

離れた国でも若干ニュアンスが似ているのが不思議です。
クマリのことは特別わからなかったのですが、上の写真にもあるような額につけているのは「ティカ」というお化粧で「祝福を与える」意味があるようです。

また、本著で奈良に関係ありそうな赤色は、春日大社に使用されている「丹色ーにいろー」。中国の道教では「辰砂ーしんしゃー」と呼ばれ、女性原理に関係し生命力をコントロールする色を持つとされ、今も大切にされているそうです。中国文明のあらゆるところで赤が好まれていることも無関係ではないとか。奈良の「丹色」にはどれくらい関係あるのかな?

あと、京都の舞妓さんが大好きなお姉さんに教えてもらっただけど、舞妓さんの半襟は最初は赤で、年々赤色の部分が減っていき、芸子さんになると真っ白になるそうです。これも絶対意味があるよね。
知ってる方がいたら教えてください。

あなたのビジネスの色、奈良のテーマカラーは何色にする?

いきなりの問題提起となりますが

さて、本題に戻りますと。
私はこの本を読んで、「色」は人類にとってそれぞれ意味のあるものだった。
と知ってしまいました。言語と同様。同じ国、宗教、時代に生きる人にとっては共通のコミュニケーションツールでもあったのです。
今も流行りの色とかありますよね。

それを貴方も知ってしまったら、何色の服を着るでしょうか?
好意的に受け止めてもらえる色を選びませんか?
家を何色に塗るでしょう?新しく建てるビル、橋は何色にしますか?
あなたのビジネスのロゴマークの色は?新商品の色は?

先日の事業構想の授業で先生が
「経営者はプロに提示されたデザインがいいか悪いか判断できる必要がある。」とおっしゃっていたことが印象に残っています。

私はそれは自分や自分のサービスを正しく伝えるために。コミュニケーションツールである見た目(デザイン)はどれを選ぶべきなのか。
プロのデザイナーに提示された時に判断できる基準を知っておくこと。
ということではないかと感じました。
その最も簡単な第一歩が「色」ではないかと考えるのです。

さて、貴方は何色を選びますか?
「奈良」を何色で彩りたいでしょうか。

参考文献:
色 民族と色の文化史
アンヌ・ヴァリション 著
https://amzn.asia/d/5dLXZ3F

※私は色の研究者ではないので、知らないことや分かっていないことが沢山あります。もしも、専門家の方がご覧になられて気になる部分があれば教えていただけましたらありがたいです。

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