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【1人取材】RASHISAが目指す未来が明確になったので、1人取材やってみました!

20万5029件。

これは厚生労働省が発表した、令和2年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数だ。(参照リンク)

増え続ける虐待の相談件数。また、明るみには出ていないが虐待が起こっていると同時に「虐待の後遺症」で悩む人たちが世の中には沢山いることも事実だ。本日は「虐待の後遺症による働き辛さ」という課題にアプローチをしている株式会社RASHISA代表の岡本さんにお話を伺った。(岡本が自分で自分に対してインタビューをしています。)

岡本 翔(おかもと しょう)| 株式会社RASHISA代表取締役。高校時代に起業家に憧れて、福岡県の大学に進学。学生時代に就活支援事業で株式会社RASHISAを創業。九州の学生と東京のベンチャー企業のマッチング事業を行う。2018年に上京。翌年、就活サービスをリリース。同年2019年に同サービスを事業譲渡した後、2019年12月から「虐待問題×ビジネス」の領域で事業を創っている。現在は虐待の後遺症で悩む虐待サバイバー向けのBPOサービス、RASHISAワークスを運営。

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虐待の後遺症による働き辛さにアプローチ

ーーまずはRASHISAがどんな会社か教えてください。

株式会社RASHISAは虐待問題をビジネスの力で解決するベンチャー企業です。虐待問題にかかわるあらゆる社会課題を事業を通じて解決していきます。

ーー虐待問題と言っても様々あると思いますが、どのような課題を解決しているのでしょうか。

私たちが定義する虐待問題は「虐待が発生してしまう問題」「虐待が起こった後の後遺症の問題」に分かれます。現在は虐待の後遺症が原因で発生する「働き辛さ」という課題にアプローチをしています。

ーー虐待の後遺症による働き辛さとはどんなものがあるのでしょうか。

具体的に職場で発生している問題は下記のようなものです。

😭親に期待されずに生きてきたので、誰か(職場の人)に期待されると頑張りすぎてしまう。
→😢メンタルが崩れてしまう。会社側もなぜ崩れたかわからない。
😭心理的虐待を受けてきたので、言葉に敏感。
→😢少しでも強い口調の方が職場にいると萎縮してしまう。
😭家庭内で「議論」「対話」というものが日常的に存在しなかった。
→😢コミュニケーションが苦手だったりする。
😭「殴る」「蹴る」「投げる」「割る」などが家庭内にあり、音に敏感。
→😢想像以上に物音に敏感で仕事に集中できない。

ーーそんな問題があるのですね。知りませんでした。

そうですね。まさにこの問題が知られていないこと自体が社会課題だと私たちは考えています。なので私たちはこの社会課題を社会全体で認知してもらい、課題に対する施策を国が作る(法整備)ことを目指してRASHISAワークスという事業を運営しています。それらを言語化した事業のビジョン、ミッションがこちらです。

【ビジョン】
「虐待の後遺症」による ”働き辛さ” が緩和された社会の実現

【ミッション】
①虐待の後遺症の「社会化」
②虐待の後遺症による “働き辛さ” を解消するための仕組みの「制度化」

RASHISAが目指す未来が明確になったので、1人取材やってみたよ! (2)

RASHISAが目指す未来が明確になったので、1人取材やってみたよ!

社会を変えるには?

ーービジョンとミッションに関してもう少し詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか。

まず、ビジョンの定義は在りたい社会の姿です。そしてミッションがビジョンを達成するための使命です。その前提で聞いていただけると嬉しいです。
先ほど挙げさせてもらった通り、今もなお虐待の後遺症が原因で働き辛さを抱えている人たちは沢山います。そのうちの一人が私自身です。虐待の後遺症と認知していなくとも、働き辛さを抱えている人が少しでも働きやすい社会を作っていきたいと思っています。

ーーそのためにどうすればいいのでしょうか。

そのためにミッションが存在します。「社会化」や「制度化」は私が考えた言葉ではありません。以前私がclubhouseというサービスで一般社団法人RCFの藤沢様とお話をさせてもらった時に知った概念です。(詳細はこちら

RCF様が提唱する概念とは少し異なるのですが、私たちが使う「社会化」は「社会に認知をしてもらうこと」としています。なので、先ほどのような「虐待って後遺症が残るのですね」という考えをそもそも無くすことを目指しています。

ーーそんなことできるのですね。

もちろん道のりは長いですが、絶対にできると信じています。またそれらの働き辛さを解消するための政策実現が「制度化」になります。例えば、障害者の方を採用する際に企業様は合理的配慮というものが義務付けられています。

こちらに詳しい内容はあるのですが、これらのように虐待サバイバー版の合理的配慮の政策実現を目指しています。この制度を作ることが社会を変えることであり、根本的な課題を解決することだと考え日々事業を作っています。

虐待サバイバーの方が働きやすい社会にするための仕組みづくり

ーー具体的な計画や事業内容を教えてください。

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RCF様が提唱する順番とは異なりますが、これが私たちの計画です。
この計画を3-5年で達成したいと思っています。

ーーまずは事業作りから行うのですね。今取り組んでいるRASHISAワークスとはどういった事業なのでしょうか。

虐待サバイバーと共に作るBPOサービスです。虐待サバイバーとは虐待を受けて育った人のことです。これは私たちの造語ではありません。ただ、この言葉以外にもっと、サバイバーの方々にとってポジティブな名称を将来的には作りたいと思っています。

またBPOサービスとは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略です。企業で発生する業務の一部を外部にご依頼することを意味しています

ーーすみません、少し分かりづらいです...

ごめんなさい!簡単に言うと、虐待サバイバーの方が在宅でできるお仕事を企業様から受注します。そのお仕事のマニュアルを私たちが作成→虐待サバイバーの方々にお仕事をご依頼、納品まで伴走する事業です!

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ーー分かりやすくありがとうございます。現在は何名くらいの方が働いていて、どんなお仕事を引き受けているのでしょうか。

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現在は60名ほどの方の登録があり、イラストにあるようなお仕事を引き受けさせてもらっています。以前は登録自体は150名ほどあったのですが、サービスをブラッシュアップしていく中で人数が減っていった感じです。

ーー増やす予定はあるのでしょうか?また、全員が虐待サバイバーの方なのですか?

もちろん、増やしていきます。今もこちらからサポーターさんを募集しています。

現在、登録いただいている方のうち、虐待サバイバーの方々は半分くらいです。残りはサポーターと呼ばれる方ですね。

サポーターさんは虐待の経験はないものの、ビジョンに共感いただいていて、実務面でサポートしてくださる方々です。そうしたサポートの方と虐待サバイバーの方がチームを組んでお仕事に取り組んでいます。ちなみにRASHISAではサバイバーさんのことをワーカーさんと呼んでいます。

虐待サバイバーの方が働ける仕組みづくり

ーーチームで取り組むメリットなどはあるのでしょうか?

チームを組むことでワーカーさんが体調を崩した時などにヘルプに入れる仕組みを作っています。例えば、虐待の後遺症のひとつに自己肯定感の低下というものがあるとします。自己肯定感が低いとどうしても挑戦しづらいですよね。

でも、後ろに支えてくれる、助けてくれる、守ってくれる存在がいればまた挑戦ができると思うんですよ。そんな仕組みを作っています。

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ーー他にも虐待サバイバーの方が働ける仕組みはあるのでしょうか。

もちろんあります。施策ベースとだとこれまで30個以上は試してきました。そのうちの一部がこんな感じです。

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ーーそんなに試してきたのですね。しかし、何故そのような施策を作れるのでしょうか。

とにかく一次情報を拾うことができるからです。大前提、虐待サバイバーの方々との対話を大事にしています。それに加えて、実務の中で発生する課題などを全てログに取っています。

例えば、KPTボードというものを作成して「課題」「対策」「良かった点」などに分けていますね。特別に直近のものを一部公開します!こちらです。

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また、下記のようにあらゆることをデータに残すことでミクロの課題を見つけることができます。その課題を集めていくと、虐待サバイバーの方だからこその課題が浮き上がっています。

そこの課題に対して施策を沢山作り、適切な施策を残しながら、より良いサポート体制を目指しています。

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ミクロとマクロを行き来する。

ーーかなり事業が掴めてきました。事業化の先の「社会化」「制度化」はどのようにやるのでしょうか?

まずは事業化にとにかくコミットすることが大事です。私たちが今やっていることは遠くの誰かに価値を届けるようなことではありません。目の前の虐待サバイバーの方が働きやすい環境を一生懸命に作っています。RASHISAワークスというサービスの中で、この環境を作ることが今後に繋がってきます。

ーーその仕組みを横展開していくということでしょうか。

はい、そうですね。自社で実践して良かったことを体系化していきます。そして事業としてスケールすると感じたタイミングでこの仕組みをフランチャイズ展開などしたいと思っています。

RASHISAのビジョンに共感をしてくれる法人様に対して私たちが培ってきたノウハウを全部公開します。在宅ワークで働きたい虐待サバイバーの方を集める施策、虐待サバイバーの方に仕事をご依頼したい企業様を集める施策はRASHISAが行なっていく予定です。

ーーフランチャイズに加盟する法人の方は何をするのでしょうか。

お仕事の納品までに発生するディレクションや虐待サバイバーの方とのコミュニケーションなどです。そのような人たちが沢山増えることで、私たちだけではキャパ的に受け入れることができない虐待サバイバーの方の輝く土台が用意されると思っています。なので、自社だけで全て完結するのではなく、多くの方々と共にこの課題を解決していきたいと思っています。これが社会化への第一歩です。

ーーその次はどうするのでしょうか。

虐待サバイバーの方々が働きたい!と思った時の土壌を広げていくことで、「虐待の後遺症」が広く認知されていくと思っています。そして「何が問題」で「どうすればいいのか」をしっかりと体系的に整理して、政策提言をしたいと思っています。

ーーやっと制度化ですね。

そうですね。ただ、正直事業化以降のフェーズはまだまだ解像度が低いのでこれから事業化していく中でもっともっと解像度を高めていきたいと思っています。このように目の前の課題を解決するミクロな動きを全力でやることで、社会全体を変えるマクロ的データに昇華できると思っています。なので、まずは一生懸命、目の前の課題を解決していきます。

事業のキーポイント

ーー実際にこれまでにどれくらいの実績があるのでしょうか。

2020年4月にサービスをスタートしました。そこから2021年8月時点ですとRASHISAワークスのユーザー数は約60名です。累計お取引社数は約75社です。総売上は数千万前半とかですね。

ーー今後事業を伸ばす上での鍵はなんでしょうか。

RASHISAワークスの企業様向けサービスをブラッシュアップしていくことです。現在は記事制作、文字起こし、資料作成、リスト作成、フォーム営業、動画確認業務、経理代行、LP制作、テレアポ代行などあらゆることをやらせてもらっています。

それは幅広いジャンルの案件があった方が虐待サバイバーの方の特性に合わせてお仕事のご依頼ができるからです。今後はしっかりと事業として継続できるためのサービス開発をやっていきます。どのジャンルのお仕事が企業様にとって価値があり、サバイバーの方にとっても価値があるのかを発見していきたいと思います。

ーー両方に価値を届けるって難しいですもんね。

はい、だからこそ現在は全力で仲間を募集しています。先ほどご説明させてもらったサポーターさんはもちろん、将来的にはRASHISAワークスを運営する運営メンバーも募集しています。

ーーRASHISAでの働き方の特徴などはありますか。

関わり方にグラデーションがある点です。いきなり正社員で働くというのもリスクがあると思います。そうした時に先ほどお伝えした、サポーターさんのような関わり方から始められます。

案件サポーターも実務サポーターも案件ベースで関わることができます。そこからお互いに相性がいいと思ったり、より上流部分の仕事をご依頼したいなど、様々な条件が合致したら、運営メンバーにジョインをするなどもあるかと思います。

現在は10名弱のチームですがこの半年で一気に事業を伸ばしていきます。ですので、今すぐにといかなくとも、1ミリでも興味を持ってくださったらお話しできると嬉しいです。また、メンバーは海外にもいたりして、フルリモートで働ける環境なので、場所とかに囚われないのはいい点かと思います。いつでもTwitterFacebookからご連絡ください!これからも虐待問題解決に向けて精進して参ります!

今回の記事は株式会社RASHISA代表の岡本が自分で質問をして、自分で答えています。あたかもインタビュアーとインタビュイーが存在するような形でしたが、全てひとりで行っています。すみません!
是非メディア様からの取材依頼お待ちしております!下記からお問い合わせくださいませ。
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