「俺は恋愛なんか求めてない!」が本当に楽しくて沼に帰って来た


ほんと数年ぶりに海外ドラマ楽しい……!となっています。ただいま、沼。
ここ最近1年半くらい全然違うものを追っかけたりしてたのですが、心境の変化があり戻ってみたらまあ楽しい我が沼。やさしいぬくぬくさに気持ちよく浸っています。
ああ、自分が擦り減らない趣味って最高。

ドラマ沼もーどろ、って最初に見たくなったのが前にnote感想文を書いた「Light on me」(ひかり男子高生徒会)でした。

勢いのままU-NEXTにも出戻り。
あっという間に見返して、本当にこの作品はいいなぁとしみじみしました。大正義テギュン、シヌを始めみーんなかわいい。
去年あたりの別ドラマにその後のふたりがカメオ出演してたとものすごく今更知って飛び上がるほど嬉しかったです。あの20歳の夏から先も仲良く一緒に生きていることが公式として明かされたのがめちゃめちゃ嬉しい。彼らの世界はずっと続いてたんだね……

で。

海外BLに戻ってきたぞーと充足感に浸ったその後楽天TVで見始めたのが、「俺は恋愛なんか求めてない!」です。
原作者さんが私の好きな「君の視線が止まる先に」の方だと知ったのもあり、評判がとてもよかったのもあり、えいや、と飛び込んだらこれだ。続きが楽しみすぎて寝るのも起きるのも楽しい。にやつく毎日を過ごしています。ただいまー!沼ー!ただいまー!

タイトルがコミカルなのもあって明るい雰囲気の話なのかしらと思ったら、大人たちの優しくて穏やかな雰囲気の物語でした。
まだ6話なのですが、これは大切に見なければならんドラマだと思いまして、とりあえず感想を書き綴り6話をあと2周くらいしてから先に進みたいと思います。


ソウルの一流大企業に勤めていた主人公ウォニョンくんが、上司の不正の煽りを受けて停職処分を喰らうところから物語は始まります。本人は何もしてないけど見事に陥れられて巻き込まれた形だし、まぁ仕方ないよ。休みだと思って、すぐ復職出来るよ、と励まして?くれる先輩、チョン室長もどこか胡散くさい。
旅にでも出たらというアドバイスを受けて江陵という郊外の街まで長期滞在を目的にやってくるウォニョンくん。
しかしそこで見つけた陶器のお店、その店主はなんと停職喰らった弊社の会長お気に入りの陶芸作家だった!
2年前に姿を消した筈の天才が何故こんなところに?と訝しみつつ、もし自分がこの作家との専属契約を結ぶことが出来たなら手柄として復職のきっかけになるのでは、とウォニョンくんはその陶芸作家テジュンさん(仮の名をジュホンさん)に何とか近付き仲良くなりその情報を逐一室長に報告する、というスパイのような生活を始めるのだった……


海辺の風景が美しく、街並みも長閑で、そして何より出て来る皆様が本当に綺麗。くるくる表情を変えるわんこでしかないウォニョンくんは非常にかわいいし、対して物静かで表情に乏しく、気難しくて孤高の美しさを誇るテジュンさん。優勝。1話から優勝です。

テジュンさんは芸術家2世。お父さんも著名な画家で、彼自身も才能に溢れながらも昔その地位や人脈を狙った恋人に騙され弄ばれ手酷く裏切られた過去がある。父の影響下から逃れ必要以上に人に関わらないように心を閉ざしているのも恐らくそのせい。
最初はウォニョンくんの謎のアプローチ(最早半分ストーカーだった)にけんもほろろなテジュンさんだったけれど、彼の持ち前の真っ直ぐさ、真面目さ、明るさに少しずつ冷たい態度も軟化していき、宿をなくしたウォニョンくんを家に招いて居候させるまでになる。
ウォニョンくんも、最初は自分の目的のために近付いたけれど、徐々にテジュンさんが見せてくれるようになった笑顔や優しさや暖かな眼差しにときめきを覚えるようになっていく。


3話くらいでウォニョンくん自体はテジュンさんに完全に落ちてるんですけども、この、この、なんというか、友情ではないけどでも恋愛感情なのかまだ見当がつかないくらいのふわふわした関係性って見ていてはちゃめちゃに心が踊るの私だけでしょうか。この時期一番楽しい。
マフラーを巻いてもらってときめいたり、(お近づきになるために)陶芸を学ぶようになって、ろくろの使い方をそばに寄り添って教えてくれるテジュンさんにどきどきしてるウォニョンくんとかもうずっと見ていたい。
土を顔につけて遊び出すふたり、洗車ついでに水を掛け合ってキャッキャし始めるふたり……意外といたずら好きなテジュンさんの見たことのなかった表情に惹き込まれていくウォニョンくん……元気で明るくて街にすぐ馴染んで皆に愛されるウォニョンくんに惹かれ、世話を焼きかわいがりたくなってしまうテジュンさん……
もう答えはほぼ目の前にあるのに、お互い気持ちを、距離を探りながら近付こうとしていくこの!尊い時間!優勝!


そして、このメインのおふたりのそばに、ウォニョンくんをバイトとして雇ってくれる(停職中の人間を雇えるのかとかその辺はよくわからない)近所のカフェの店長ドンヒさんと、ドンヒさんの幼馴染であるホテさんが登場します。
ホテさんはYou make me danceの優しすぎる借金取りの役をされていた方で、あの時は寡黙なインテリの雰囲気を出されていたのに今回はちょっとヤンキーぽい見た目とがさつな立ち居振る舞い、女に振られては殴られて怪我をする直情的で猪突猛進タイプの青年役。役者さんって本当にすごい。

ドンヒさんはこの地でのテジュンさんの数少ないお友達の1人で、余人を寄せ付けない彼がウォニョンくんには心を開いて想いを寄せていく様に気付いてくれる見守りお兄さん。
ホテさんとは会えば喧嘩ばかりしているけれど、もうずっと昔からそんなホテさんのことを密かに思い続けている忍耐のお兄さんでもあります。

女性と長続きしないのはドンヒさんのことが好きだから、と突如自覚して猛アプローチを掛けて来たホテさんのことを、幼い頃からお世話になってるおばさん(ホテさんのお母さん)のことが気になって避けてしまうドンヒさん。けど決定的に拒絶することもまたおばさんを思うと出来ない。メインの2人が近付いて行くのに対してドンヒさんとホテさんはなかなか進むのが難しい関係性に。

ホテさんは決めたなら愚直なほど真っ直ぐで、ドンヒさんは本当に優しい。お茶目なところもあるんだけれど、線を引くところはきちんと線を引く。このふたりのわちゃわちゃともどかしさは、かわいいんだけどちょっと胸がいたい。


さて、芽生え始めたテジュンさんへの感情に戸惑い、更に彼には好きな女性がいるんだと思い込むウォニョンくんが身を引こうとするや、急に態度を硬化させるテジュンさん。
かと思えばウォニョンくんがホテさんとふたりでいると知った途端一緒に飲んでたドンヒさんを捨てて雨の中本屋さんまで迎えに行き、傘を差し出して甲斐甲斐しく世話を焼く始末。そしてその姿に、更にウォニョンくんは混乱していく。
冷たく当たった理由が、要約すると駆け引き、だったの驚いたしされた方はたまったもんじゃないと思いました。テジュンさんいかな美人だろうと誤魔化されんぞ。ひどいぞ。
もうこの段階でお互いがお互いへの想いを止められなくなっている、そんな6話。本題はここから。


次の日、二日酔い極まりないドンヒさんから来週のウォニョンくんの誕生日に合わせてカフェの合宿をしようとの提案。一応冷たくしたことを謝って仲直り(?)した体のテジュンさんは朝からぼんやり思い悩むウォニョンくんを構い出すし、誕生日と聞いて黙ってられないし、合宿にも勿論参加しようとする。
プレゼントのために創作意欲が湧くし、そんな彼の姿に共同作業者のテジュンさんの先輩もかつてのテジュンが帰ってきたかと浮き足立つ。ただ、丁度合宿の日程に被るように北京でのセミナーとやらに父親命令で参加しなければならないと知らされるテジュンさん。親から離れて来たものの、やはり影響下から逃れられはしなかった模様。2年もあれば居場所も割れるわな。

誕生日当日は必ずいくからごめん、と謝るテジュンさんにちょっとしゅんとして見えるウォニョンくんがかわいい。無理しないで、と言いながら、秋口(おそらく)の北京は寒かろうとテジュンさんにマフラーを贈る。一番最初にああもう落ちたなあと思ったテジュンさんがマフラーを巻いてくれたシーン、ウォニョンくんはとても嬉しかったんだろうなぁ。
加えて、逐一テジュンさんのことを報告していた筈のチョン室長には、北京行きのことは伝えないことにする。テジュンさんに想いが傾いていくに従って、自分の目的よりも彼自身や彼と過ごす時間の方が大事になっていった結果の反抗、小さなことだけれど結構大きな転換点だったのではないかと。騙しているようで後ろめたいという気持ちはずっと拭えなかっただろうし……

ウォニョンくんは隠してはいるもののソウルの一流大企業の社員で、大卒。ホテさんの高卒認定のために家庭教師を引き受けることになって、ふたりでホテさんの実家(食堂)で夜のお勉強会。
ウォニョンくんとホテさんが仲良しになったのめちゃくちゃいい。ウォニョンくんは偶然ホテさんのドンヒさんへの思いも知っちゃってるし、ホテさんにはウォニョンくんがテジュンさんを好きなのもばればれであったという、テジュンさんドンヒさん組宜しくお互いの恋バナが出来る関係性に。


彼女がいた筈のホテさんが、どうして同性で幼馴染だったドンヒさんへの想いを受け入れたのか?というウォニョンくんの質問に、好きになるのは心なのにどうして頭で色々考えるんだ?好きなんだから仕方ない、と答えるホテさんが……あなたそれ出来たらすごいのよ、あなたしか出来ないのよ……
理由も事情も後でよくてただ相手を好きという心に従うだけ、という言葉に気付かされるウォニョンくん。シンプルな真理だけど大人は難しいんだよな色々。

テジュンさんに告白してしまえよ、とも言われるけれど、所詮一時的にこの街にいるだけの存在であるウォニョンくんとテジュンさんの関係は些細なことで壊れてしまう。それが怖いウォニョンくん。でも、きちんと自分の想いを認めたのが嬉しかったです。ホテさんは良き相談相手になりそう。

流れでドンヒさんがホテさんには黙ってた合宿のことがバレて、ホテさんは当然ついていこうとするし、ウォニョンくんは当日のレンタカーをこっそりキャンセルしてドンヒさんを半ば攫う形でホテさんの車に押し込みいざ合宿へ。側から見ると結構怖いですが大丈夫かな??


合宿先(グランピングみたいなおしゃれなとこでした)で、ひとり夜の道を歩きながらあのマフラーどうしたかなぁ、とテジュンさんからの連絡がないことに落ち込むウォニョンくん。
それを教えてくれたのはなんと弊社のチョン室長でした。北京のセミナーでテジュンさん見かけたこと、どうして報告をくれなかったのかと問いつつもスーツにマフラーを巻いたテジュンさんの写真を添付してくれる室長ありがたい。ちゃんとマフラーを使ってくれたことに笑顔になるウォニョンくん。そのタイミングでテジュンさんから電話が来る。



会いたいがために北京の予定を欠席して、誕生日の当日でなく前夜にウォニョンくんの元に辿り着いたテジュンさん。テジュンさんが見えた瞬間(というか電話しながら後ろ見て、はずるい)もう溢れる想いのままに走り出していくウォニョンくんが……ホテさんに感化されたのもあって素直に心に従ってるのが……すてき……

このラスト5分のシーン最高なのですが、走ってテジュンさんのもとに飛び込んでからのウォニョンくんのお顔が本当に天才でした。いつもの笑顔ではなく真顔。迸る感情に逆らわない演技、ゴンチャン氏天才。
ウォニョンくんがぶつける思いを聞いて、告白、そして謝罪を受け、少し笑いながらゆっくり視線を合わせていくテジュンさんも天才。この視線の動かし方テジュンさんがよくやるんですけども切なくて艶めいていて天才。ソウォンさん天才。
天才しかいないドラマだ。

挿入歌の優しさも相まってこの告白シーンが美しくて暖かくて心の底から大好きで、何度も何度も見返しています。7話に進めない。

心に従った結果、想いが通じ合ったふたり。しかしウォニョンくんが自分と同じ思いであるとわかったテジュンさんはもっと彼を愛してしまうだろうし、ウォニョンくんを信頼して抱きしめて離さないようにするだろうことは想像に難くないので、この後待ち受けている絶望の怖さも一入です。
確かにウォニョンくんがテジュンさんに近付いたのは意図的にだけど、好きになったのは全く意図した事ではなかった、動機は不純でも心と気持ちは本当、なんて一度手酷く裏切られてるテジュンさんには容易には通じないだろうし、傷付いてまた周りを拒絶し殻に籠ってしまいそう……7話に進めない……苦しい楽しい……

久しぶりに心にびびっとくる作品に出会えまして、あれもこれも盛り込んでまたしても長文を綴ってしまいました。
あと4話、見終わってしまうのが勿体無くて、でも続きは見たくて、というジレンマを楽しんでいきたいと思います。