「ひかり男子高生徒会」のお陰で夏を乗り切った(1話)

海外BL沼にどぼんしてからまあちょっと経つのですが、世の中がアレだったり身の回りがアレだったり落ち着かず、なかなか腰を据えて色々書いたり纏めたりということが出来ずに歯痒い思いをしておりました。
そんな中、韓国BLの「Light On Me」(ひかり男子高生徒会)がAbemaで配信になりまして、面白そうじゃない?と覗いてみたらさあ大変、ぼっちゃん一緒に悶えましょとばかりに引き摺り込まれて、ここ2か月あまり火曜木曜が生きる糧。特に木曜日は地上波の大大大好きなドラマ「緊急取調室」の第4シリーズもあるので、寧ろ木曜日のために生きてるみたいなとこすらありました。

作品自体は今週19日に大団円を迎えまして、それが本日21日から順次無料公開(1話はもともと無料)されるとのこと、居ても立っても居られずとりあえず1話の感想文を書き殴ってみましたが、追って最終話まで見た感想文も書こうと思っています。

あのね、吐き出さないと無理。


ひかり男子高(多分私立)の生徒会を舞台に、4人の男子高生と1人の女子高生、合わせて5人の織りなすきらきらした物語でした。



始まりは20歳の初夏。海辺で花火に興じるダオン、ナムグン、シヌの3人を見ながらカメラのシャッターを切るテギョン。驚いたことに、この中に僕の初恋の人がいる……え、誠に?だれだれ?!と冒頭からテンションマックスで物語に突入していくLight On Me。掴みは抜群。
前情報だと主要メンバーでは紅一点だったソヒも含めてテギョンの初恋の人は誰だ!て感じだったのに始まった途端ソヒがいなくて、候補者はすでに4分の3に絞られた感ありました。こういう謎解き要素あるとワクワクが当社比3割増しくらいになる人間です。


さて話は2年前、高校2年の春に遡ります。
友達なんか要らないと「自主ぼっち」を貫くちょっと"変わり者"のテギョンは、新学期登校早々担任のヘッピッ先生の握手を華麗にスルー。その一匹狼ぷりを真後ろで囃すクラスメイトたちに「何か用なら聞こえるように話してくれ、そうじゃないなら聞こえないようにして」とばっさり言っちゃう。友人が言いすぎたね、ごめんと謝る片割れに「どうして君が謝るの?」と続けてたじろがせる辺り友達というものに理解&興味がないご様子。

この辺でもう主人公ウ・テギョンというキャラクターが描けてるのが凄いなあと思います。演者さんの無垢な雰囲気も相まって、非常に純粋、思ったことは(周りを気にせず)とりあえず口に出す。感想、疑問、今の感情、隠すことをせず本音を素直に言葉にする子だけど、嫌味はないので聞いているこちらが毒気を抜かれるピュアネス。

そんなピュアネステギョンもやはり友達というものに憧れがないかといえば嘘になる、というか新学期早々新しいクラスのグループトークからハブられてた事が判明すれば少なからず動揺するわと思いました。お陰で春休みの宿題が出てた事も伝わってなかったという災難。このままでいいのか?と自問自答するウ・テギョン、高校2年生。すでに青春っぽい……


当然の如くぼっちで昼食を摂るテギョンのことを気にかけてヘッピッ先生がやって来る。冒頭といい、あ、この先生面倒見のいい先生なんだなとホッとします。結果はどうあれ、自分が絶対やらないことにチャレンジしてみると面白い事が起きるかも、と押し付けがましくないさらりとしたアドバイスをする辺り、若いのに人間出来てらっしゃる。
しかも後でわかりますが先生意外と天然でかわいいです。こう、癒し、不可侵の領域として推したくなりました。そういえば私も女子校育ちなのですが、ヘッピッ先生みたいなポワポワした先生がいて、めちゃくちゃ可愛がられてました。生徒に。(生徒に。)



さて、恋愛ゲームが原作のドラマでもありますので、さくさくとメインの人物紹介へと入っていきます。
廊下を歩いていたら目の前の生徒が何か(形容できない)を落とし、それを何とか返そうとするテギョンは慌てるあまり自分の足に躓いてまさかのそれを落とし主にこう、(形容できない)

イヤホンつけててテギョンの呼びかけに全く気付かなかったらしい落とし主の生徒はノ・シヌ。2年生、なかなかに辛辣なキャラクターで、まあ気恥ずかしさもあったのでしょうが耳を赤くして「僕に構うな、前を向いて歩け」と言い放ち去っていく。何であんなもん学校に持ってきてたのかとか今になって深く考え出すとじわじわ来ますが、礼すら言われないし友達なんてやっぱいなくていいや、とテギョンは当然の如く気分を悪くする。
起きた状況はちょっと1話見て頂くしかないのですがこの時シヌの「耳が赤くなる」のがポイントです。シヌの大事なポイント。そして彼はとてもクールで無愛想、多分人見知り、余り他人と馴れ合わないタイプなのだろなと分かります。


ほぼ初対面で親切を無碍にされて呆然としてるテギョンに、今度は廊下で遊んでいた生徒たちのボールが飛んできて直撃。
災難続きのテギョンを心配してくれたのが居合わせた生徒会のシン・ダオン会長、3年生。ケガはない?と目を合わせて確かめる、遊んでいた生徒たちを嗜めて謝らせる、名札で名前を覚えてきちんと呼んで挨拶してくれる。温和で器が大きくて怒らない、全校憧れの王子様登場に、あんな友達ならいてもいいかも……と遂にセルフぼっちテギョンの心が動きます。


テギョンはヘッピッ先生に、今まで絶対にやらなかったこと=友達を作ってみたくなった、と直訴し、先生が顧問をしている生徒会に入ってみないか?と勧誘されます。アドバイスをもらって、やってみよう、と思ったら素直に動くのもテギョンのいいところです。


ひかり男子高の生徒会は役員が20人、その内中心となっているのは3人。
誰の頼みも断らない心の広さと優しさでもって先生からも生徒からも信頼の篤いダオン会長、
明るくてムードメーカー、お調子者で顔が広く「学校のことなら何でも知ってる」情報通、2年生のナムグン・シウン、
そしてその2人をまとめる副会長のシヌ。
その3人に認められれば臨時の役員として生徒会入り出来る……筈だったのですがまぁ生徒会室行ったらさっきの無愛想なヤツがいるわ、それがシヌだわ、案の定シヌはテギョンの役員入りを反対するわで部屋の空気も氷点下。


なんとかとりなそうとするダオン会長、先生、ナムグンの気遣いをよそに、「どうして自分の役員入りを嫌がるのか、その理由を聞くまで動かない」と真正面から向き合うテギョンと、理由を述べつつ最終的には「嫌だ」とこれまた正直に拒否するシヌとが対立、「僕を嫌う人は、僕も嫌いだ」とファイズ草加雅人ばりの名言と共に睨み合う両者……いやー始まりしか感じない!!という1話でした。


この段階では先の展開には触れませんが、最後まで登場人物のキャラクター性が一貫しているところがLight On Meの魅力のひとつだと思っています。もうテギョンは最後の最後までテギョン。この人だったらこう考えるかな?こう動くかな、と視聴者もわかるので、作り手とこちらでコンセンサスが取れているというか、ストレスが少ない。
1話にしてほぼメインどころのキャラクターを描いているので、話が進むごとに今度は深掘りされていって魅力が増していくのが楽しくて仕方ありませんでした。久しぶりに韓国ドラマの続きが気になる!見る!続きが!という循環に入ってワクワクが止まらなかったです。もう皆大好き。
1話には出てこないけれど、ダオン会長のことが好きでずっとそばにいたがり、会長のいちばんの理解者であろうとする姉妹校のひかり女子高生徒会役員、紅一点イ・ソヒちゃんもめちゃくちゃいい子で大好きです。


友達を作るため生徒会に入ろうと努力するテギョンと、テギョンを取り巻く4人の揺れる関係性が最終16話まで交錯し、笑ったり誰かを思って心を痛めたり辛くなったりどきどきしたり、最後には全員の幸せを願う、眩い青春を追体験出来るとても可愛くて素敵なドラマでした。このためにAbemaプレミアムに入り直してよかったと思ったくらいです。
この夏あんまりというか全然いいことは無かったですが、火曜日と木曜日の供給のお陰でゲリラ豪雨も茹だるような暑さも台風も凌ぎ切ることができました。まさしくひかり……

韓国のBL作品としては珍しく平均しておよそ24〜5分×16話と大ボリューム、毎週あっぷあっぷしながら胸時めく夏を過ごしました。ひとまず心よりの感謝を込めて。


https://abema.tv/video/episode/462-16_s1_p1