ハムスター消しゴムは大量の「塾名入り消しゴム」を連れてくるから、気をつけろ
片づけの仕事をしていると、たまに心配になる。
たくさんモノを捨てさせて、ゴミを増やしてる、地球に良くないことをしてるって。
だけど今日は、「片づけは本当に地球に良くないのか」ということを考えてみる。
わたしは小学生のころ、消しゴム持ちだった。
ハムスターの写真が印刷されたケース入りの練り消し、レモンの香り付き消しゴム、手で持つのもギリギリの小さなハムスター型消しゴムなど。
それらは、つまり「消す性能が低い消しゴム」だ。
好きだったかというと、そんなことはない。
「これがあれば、イケてる女子から話しかけられて、友達増えるんじゃないか」という不純な動機が80%を占めていた。
残りの20%は、「ハムスター、かわいい」だった。
その程度のモノが家にあっても、友達は別に増えない。
だけど、スーパーの文具売り場にかわいい子犬消しゴムがあれば、「家のハムスター消しゴムより、こっちの方がかわいい」と、「消す性能が低い消しゴム」を増やし、
道に塾の消しゴムを配っている人あれば、行って「あのハムスター消しゴムよりは消しやすいから」と言って、もらい、
100均にMONOの消しゴムあれば、「わたしって、消しにくい消しゴムしか持ってなくて、かわいそう。100円なら安いし」と、また増やし。
こうして、消しゴム持ちは、「大消しゴム持ち」になった。
でも、中学の頃、「一番好きな消しゴムを1個だけにしてみよう」と思い立ち、
ハムスターの消しゴムも、塾名入り消しゴムも手放して、
消しやすいのはもちろん、シンプルな白いスリーブに青いロゴが授業中に見てニヤニヤできる、憧れのドイツ・ステッドラー社の消しゴム1個にした。
そしたら、文房具売り場にあまり行かなくなったし、塾の消しゴムをバス停で配ってても「別に?」ってスルーできるようになった。
「わたしには、あの消しゴムがあるから、大丈夫だ」って、ピンク色の光に包まれて。
モノを手放す、その一瞬だけを切り取ったら、地球に悪いことをしてるように見えるかもしれない。
でも、練り消しと、香り付き消しゴムと、ハムスター消しゴムは、今捨てなかったとしても、必ずいつか捨てるときがくる。
それが15歳のときなのか、25歳のときなのか、80歳のときなのか、100年後に自分が地球を卒業した後なのか?
それだけの違い。
でも、後になればなるほど、生きている時間の分、塾名入り消しゴムを引き連れてくる。