『プログラミングガールズ!2 ソフィア ロボット・レースに参戦』レビュー
『プログラミングガールズ!2
ソフィア ロボット・レースに参戦』
高橋 由季 (イラスト), 石戸 奈々子 (監修), Stacia Deutsch (原著), ステイシア ドイツ (著), 美馬 しょうこ (翻訳)
☆
以前紹介した『プログラミングガールズ!1ルーシー なぞのメッセージを追え』の続巻。2巻目です。
この表紙の女の子、ソフィアはめっちゃしっかり屋さん。激務のアメフトチームのマネージャーをこなしつつ、家では4人姉妹の長女として頼りにされる日々。(小さな子がそれも複数いるお家の長女ってどのくらい忙しいか知ってます??)
問題解決力には自信があります。彼女が居ないとみんな踊ったりふざけてばっかりのプログラミング・サークルでもやっぱりリーダー格。
さて、そんな彼女たちが挑むのは〈ハッカソン〉というプログラミングのマラソンのようなイベント。会場にあつまってグループでプログラムを作ります。今回のお題は『ロボット・レース』。
プログラミング可能なロボットをつかって迷路を走破するのです。
ソフィアが最近気になっているアメフト部の男の子も、別のグループで参戦することが決まっています。
当然やる気はまんまん、ぜったい負けられないと準備もばんたん!……のはずだったのですが、〈ハッカソン〉の日には両親の仕事でどうしても家の手伝いをしなくてはならなくなり、参加できそうにない雲行きに……。
自慢の問題解決力でなんとかしようと、仲間のみんなにもいいだせないまま、どんどん時間は経ってしまいます。このままでは彼女のチームは失格になっちゃう!? いったいどうしたら!?
◇
というお話。
今回は個々のプログラミングというよりもプロジェクト・マネジメントのお話ですね。実際、プログラムコードで出てくるのはたった一語、
moveFoward()
だけ。ほかはコンピュータの言葉は出てきません。チームでプログラミングをするとき、必ずと言っていいほどぶつかる問題に対する対処を、とても分かりやすく知ることができます。
問題を抱えてしまうのが主人公で本来しっかりもののソフィアだというところもとてもよいですね。読んでいてどうしてもソフィアに感情移入してしまうので、身につまされてしまって大変でしたがw (わたしはここまでしっかり者じゃないけれど、こういう面あるなあってついつい思っちゃいましたですよ)
さてさて、そんなわけで、これはプログラミング学習というよりはマネジメントの学習にとても良い本だと思います。
大人になってチームマネジメントで泡を吹く前に、まず、子供のころにこういう本を読んで学んでおくと、とても良いんじゃないでしょうか。もちろん、マネージャーではないプログラマーにも、このあたりの考えは大切ですね。人は誰だって一人で生きているわけじゃありませんから(と何か深いことを言おうとしているw)
―――