『寿司 虚空編』レビュー
『寿司 虚空編』
小林 銅蟲 (著)
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先日ちょっと触れていたものの、ちゃんとレビューしていなかったわー。ということで、改めてレビューです。
さいきん太ったり痩せたりいそがしそうな小林 銅蟲さんによる巨大数コミック。
もうはっきりいってめちゃくちゃです(褒め言葉)
めちゃくちゃスゴイ!w
「このマンガがスゴイ数学編」とかあったら真っ先にノミネートしそうに「スゴイ」です。
もうどうスゴイのかってなかなか解説できないぐらいすごいです。
正直言ってちんぷんかんぷんなのですがw
ぜんぜんわからなくてもなんだかとってもスゴイ! ということだけは全力で伝わってくるスゴイ漫画です。スゴイ連呼しすぎ! スゴすぎて謎ですねw
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まあとにかく読んで見ましょう!
↑こちらのAmazonさんから試し読みで冒頭だけ読めます。そこだけ読んでも十分「すごさ」の雰囲気は分かっていただけると思います。
それにKindle Unlimited対応なので、会員の方なら読み放題OK!
さらに
Webのpixivコミックではほぼ全部(ちょっとだけ読めなくなってます)読めてしまいます。ふとっぱら!
正直わけわかんないので解説しようがないので、もうとにかく読んで見てとしか言えなかったりします。
それでもなんとか頑張ってレビューしてみましょう!
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冒頭、ごく普通(?)のお寿司屋さんの風景が1ページだけ描かれ、2ページ目からはいきなりグラハム数という巨大数の説明がはじまります。この急展開についてこれたら、もう大丈夫(?)あとはお寿司とは関係なく意味不明に巨大な数たちが怒涛の如く現れ、ばっさばっさと切り斃てられて(解説されて)いきます。
絵柄のすごさと展開のめちゃくちゃさと巨大数のすごさでいろいろと目がくらみますが、意外なことに(ってのは失礼ですが)マンガとしてのコマ割り等は非常にオーソドックスで、へんな読みにくさはありません。(絵柄と展開以外は。)キャラの心情だの背景だのと細かいことは一切考慮しないで数だけに集中できる潔さがあります(というかそうしないと心が何処かに持っていかれそうになりますw)
なので、実はちゃんと(?)巨大数の学習漫画として成り立っているのです。(ような気がします)
だいぶカッコが多いですが、まあそうでもしないと説明できないのでそこの所はご了承ください。
最初に解説されるグラハム数というのは巨大数Wiki等を参照のこと。
すでにわかりませんって? 実は私もですが、これはあくまでとっかかり。初歩の初歩なのです。ここからガンガン攻めていきます。
↑二話にしてグラハム数をはるかに超える「ふぃっしゅ数」が登場。
このふぃっしゅ数というのは2chの数学板に「史上最大の数 グラハム数」というスレッドが立った際に現れた「ふぃっしゅっしゅ氏」によって考案されたもので、↑の親方の弁によれば
グラハム数は「数学の問題の解である数がたまたま異常にでかかった」だけだが
ふぃっしゅ数は「ただ単純にでかさを追求して生み出された数」だ
とのこと。まさにグラハム数なんてまだまだ小さなヤツだったことが(なんとなく)わかります。
そしてこの和製巨大数に対してついに海外からの刺客「バード数」が飛来し、バード数とふぃっしゅ数のどっちが強いのか巨大数バトルが展開、対バード数用に進化したふぃっしゅ数バージョン2が唐突に参戦するも人類には早すぎたんだ(理解困難)など、巨大数バトル漫画としても(?)たのしめるようなわけがわからないようなw
※現在ふぃっしゅ数はバージョン7まで作られているそうです。
などなど、もし理解できたらスゴイし、理解できなくてもスゴさを感じるだけでも楽しめる。考えるな、感じるんだというかんじ(?)の世にも珍しい(たぶん世界唯一の)巨大数マンガなのでした。
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追記:
↑の巨大数研究Wikiもこの本によってだいぶ整備されたそうです。
Wikiのトップ画面にもこの本のキャラクターさんたちが登場してますね(実は真ん中の娘は霊体)
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※↑の巨大数研究Wikiを見てましたら、グラハム数の考案者であるロナルド・グラハム氏が2020年7月6日にお亡くなりになられたそうです。謹んでご冥福をお祈りもうしあげます。
※先日紹介した円城塔さんの『ムーンシャイン』内で数を擬人化(?)して感じてしまう共感覚の少女が登場するのですが、彼女が見えているのがこんな世界だったら嫌だなあと思いながら読むのもまた一興ですw(でもやっぱり嫌w)