『あの部屋の幽霊さんへ』が良い!
少年ジャンプ+というWebマンガサイトで無料公開されている三崎しずかさんの『あの部屋の幽霊さんへ』という読み切りがとても良かったのです。
無料ですし、読み切り短編ですので、とにかくまず読んで!
読みました?w
まあネタバレと言うほどではないのですが、いちおうあけておきましょう。
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念のためもっかいリンクw
いやほんと、よくできてます。
騙されたと思ってまあよんでくださいなw
さて、最初に書いたように内容のネタバレはしません、それでもあえて記事で紹介したいなって思ったのは、この短編の中で描かれている「異次元の視線誘導」のテクニックに感動したのです。
最後まで読まれた方はこれだけでもう分かってもらえるとおもいますけど、今回ワタシが読んでびっくりした視点誘導についてちょびっとウザ成分多めに書いてみます。
以下、いち読み手のファンが勝手にうだうだと思っている事を語っているだけです。べつにこんなクドイことを考えなくてもマンガ読んで楽しむのには全く問題ありませんし、作者さまの意図とは違っているかもしれません。ですので、これ以下の文は読み飛ばしてくれて結構です。(それよりマンガ読んでみて!)なので、そこのところよろしく。です。
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さてさて、マンガで描かれる視線誘導というと、
↑このあたりで解説されているような読み方、読まれ方の自然な流れと、キャラクターの動きの演出によく使われているテクニックなわけですが、
まずこのマンガの場合、アクションマンガではないこともあってかキャラクターの動きへの特別な視線誘導はほぼありません。
しかし、逆に紙面の読み出しの起点である右上のホームポジションにメインキャラの幽霊さんがほぼ固定されています。これって、幽霊さんが物理的に移動しない地縛霊であることが一目でわかり感覚でつかめる素晴らしい紙面構成ですね。(ある意味で逆の視点誘導?w)
普通、右綴じの日本のマンガの場合、右上から左下へ流れるように読み進めるのが一般的ですよね。その起点となる右上のホームポジションを、絶対に動かないキャラクターが占める。すべてはその周りで発生する物語であることを絵で読み手に伝えています。
それが十分読み手に浸透して、空間的な動きが無いマンガだと思わせたところで、「手紙」が登場。別の空間で行われていた物語が挿入され、別キャラクターの視点に自然に移動します。
そして、ラスト。戻ってきた「視点」。
読者の視線が手紙の一文に集中します。
別の空間に転じた視点が、馴染みのある空間にもどってきて、集中する一点。それを、集中線や見開きといったマンガ的なベタな表現ではなく、物語のなかのごくごく自然な一部としてやってのけ、ひきつけたうえで、視点・ビューアングルが、空間の中を立体的に変化しています。
2Dのマンガで3Dの視点移動がこの、物語の最大のキーポイントで登場するわけです。(なので最初に異次元と言ったわけですねw)
これ、とてつもなく計算された場面です。
この場面のためにこれまでの44ページが描かれたと言っても過言じゃないかなと(ちょっと自信なく)思いますw
もちろん、それ以外のページの「引き」や、キャラクターの時間的な成長の表現など、マンガ表現的に練られたであろうポイントは多々あるのですが、この、視点と空間を読み手に「なじませて・集中させて・ひっくり返す」コンボは、まるで天才マジシャンの手品を見ているようです。
マジックのタネまでわかっているのに騙される感じがとてもよい、そして、さわやかに感動的なラストにも非常によくマッチしていて、まさに素晴らしいの一言。
一言で済むものをうだうだ長文書きまくっちゃってスミマセンw
そのくらいすごいなっておもったものでー。
とゆーわけで、もっかいリンク張っておきます。
この記事ここまで読んでマンガのほう読んでないってことはないとおもうけれどねw
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