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「渡邊」について思うこと

この記事の本文は、コンビ「ついて思う渡邊」の ○○について思うこと および 渡邊惺仁の両ページに同一の内容が掲載されています。
本文終了後の「あとがき」については内容が異なりますので、当記事の最後のリンクより渡邊惺仁のページにも訪問頂ければ幸いです。

この会話は、渡邊、思うのある日のチャット画面より抜粋したものです。


思:改めて言いますけど、○○について思うのが僕の日常なんですね。

渡:ええ、存じ上げていますよ。

思:渡邉さん、相方として思うことがあるんですが、ちょっといいですか?名前のことなんですけど。

渡:ええと、ご相談ですか?姓名判断ですか?聞きますよ。

思:あなたに限らず、全国のワタナベさんに対して常々思ってるんですよ。「ナベ」の漢字多すぎ問題。50種類くらいあるらしいじゃないですか。

渡:あ、私の名前の話でしたか。58種類ですね。まぁ、これは随分と語り尽されてきた話ですから、今さら議論すべきこともないかと…。

思:そんなことは分かってるんですよ。統一して欲しいとかではなくって。渡邊さんの名前、note上のペンネームですよね?なんで敢えて『邊』にしたんですか!っていう話です。noteのペンネームだったら分かりやすい『辺』一択でしょうよ。気付いてます?トラップ仕掛けておいたの。二言目で僕が書いたの『』ですよ。下が「ハ」と「ロ」のやつ。渡邊さんのは下が「方」ですよね。

渡:あ、本当だ。

思:ほら気付いてない。noteのコメント欄、一字一字丁寧に見てますか?毎回『邉』とか『辺』とか『部』とか混じってますよ。それでも律儀に正確に書いてくれてる人は画面の見過ぎで視力落ちてますし、手入力で不安がある人はコピペのし過ぎで指先から出血してます。全部渡邊さんのせいで。世の中の大抵のことは 渡邊さんのせいと言っても過言ではないですよ、ここまで来ると。
ガッキーが結婚しちゃったのもガソリンが高いのも朝起きるのが辛いのも、全部。視力低下と指の出血を強いるなんて、医者としてどうなのか、っていう話ですよ。

渡:ガッキーの結婚は私も心底ショックでした。いえ、結婚は喜ばしいことですが、「逃げ恥」で私が共演していたら或いは、と、そんなことを思うと実に…

思:いや、そういう事じゃなくて。例えばの話です!しかも今、ガッキーの部分しか聞いてなかったでしょう!

渡:ああ、ワタナベの話でしたね。起源は「渡部」です。この「部」は職業を表す漢字で、船渡しなどを職業とする人が名乗り始めた苗字です。すると渡部さんが多く住む地域ができますね。渡部さんが住んでいる辺り(あたり)が渡辺と呼ばれるようになって、それが苗字に流用されたという経緯です。

思:渡部から渡辺に?じゃあ渡邊は何ですか。パチモンですか。あ、それか、ちょっとかっこつけたい的なやつですか?旧車會きゅうしゃかい壱萬圓いちまんえん、みたいな。

渡:失礼な!旧字体ですよ!「邊」は「辺」の旧字体!

思:(なんか面倒くせぇな…)

渡:カッコ書きにしたところでチャットなので心の声がダダ漏れですよ。…つまり原理主義的にはワタナベの起源は「渡部」か「渡邊(渡辺)」ということです。あとは全部書き間違いです。

思:書き間違い!?

渡:はい。明治時代になって戸籍法が制定されましたが、当時すべて手書きでしたから。「邊」なんて漢字、正気の沙汰じゃないですよ。誰だって間違えます。私も間違えます。

思:だったらなおさらペンネーム向きじゃないですよね…。

渡:仕方ないじゃないですか。その方が良い画数になるんだもの。

思:渡邊さん、あなた占い師に言われて名前変えちゃうタイプの人でしょう?

渡:占い師は私の方ですよ。「渡邊惺仁」、これ何処をみても大吉数です。流派によっては仕事運だけ凶ですが、そこはほら、これプライベートですし。嘘だと思うなら適当に検索してみてください。

思:えぇ…うわ、ほんとだ。気持ち悪ッ。

渡:それと、思うさん知ってます?「渡」と「邊」は「ワタ」と「ナベ」ではありませんよ。

思:ん?ちょっとおっしゃってる意味が分かんないですけど。

渡:「渡+邊」は「ワタ+ナベ」じゃなくて、「ワタナ+ベ」なんです。だから「邊」は「ベ」なんですって!分かります?ねぇ、分かります?

思:…落ち着きましょうか。あぁ、水辺は「ミズ+ベ」だし、川辺は「カワ+ベ」ですしね…というか、今は、なぜ書きにくい、入力しにくい『邊』をペンネームに使うのか、っていう話をしてるんですよ。論点すり替えようとしてません?じゃあ訊きますけど、世界のナベアツは?ナベツネは?愛称が「ナベさん」のワタナベさんは、漢字だったらどう表記しろと?多分あの人たち自分のこと「なべさん」だと思ったまま墓まで行きますよ。

渡:ナベナベうるさいですね…引き裂かれたワタナの気持ち考えたことあります?ところで、散々『邊』について言いたいこと言ってくれてますけど、あなたの名前、「○○について思うこと」ですよね?そもそもそれって名前としt

思:あ、ナベさん、いや、ベーさん、もう字数制限の2000字なんで、終わりにしてもらっていいですか。バルス。

渡:がぁぁーーーーーーッ!!


(2000字)


【あとがき】

本企画には既にたくさんの素晴らしい作品が集まっているが、「二人で一つの投稿」は初めてかもしれない。

この記事は、コンビ「ついて思う渡邊」としての合作だ。
水面下でこっそりとメールでやりとりをしながら、こそこそと書き上げた。

そのメールの数は往復合計 約40通。
10日間程度の期間にオッサン同士が送りあうには少々アレな件数だ。

そしてその内容は一見してビジネスメール。

「原稿(案)を添付致しますのでご確認ください。追記・修正があれば赤文字でご指摘頂ければと思います。尚、口調、文体は仮のものですので、適宜修正願います。」
「内容確認致しました。概ね宜しいかと思います。」
「公開日はいつに致しましょう。」

「オッサン達の文通」より抜粋

というようなものだ。
決して、

「原稿出来たよ!つまんないかもだけど、何かあったら言ってね!あ、書き方、ただの文字マネだから、適当に直しといてね(^-^)」
「ありがとー!…結構いいんじゃない?この感じで行こうよ!」
「どうしよう、いつアップする?」

「オッサン達の文通
~パラレルワールド編」より抜粋

というようなノリではない。

 渡邊惺仁とは、そういう男である。
 そして僕もまた、そういう男である。
 社会人のオッサン同士のやりとりとは、そういうものなのだ。

2人のオッサンが文字通り真顔で取り組むと、こういう具合になるようだ。
お口に合うかどうかは、読者の皆様次第。
もしも気に入って頂けたなら、こんなに嬉しいことはない。

さて、この文を書いている現在、相方が自身のページにどんなあとがきを書いているかは知る由もない。
本文パートは共通だが、あとがき以降は「それぞれの裁量で」ということになっているのだ。
公開されるまで個人パートの内容は内緒。

恐らく、彼の決め台詞である「願わくは、〇〇が●●、△△でありますように」で締め、大量のハッシュタグを乱発していることだろう。

お読み頂いた皆様と、本名も顔も知らぬマイペースな相方に最大限の感謝をこめて。

最後までお読み頂きありがとうございました。

「ついて思う渡邊」
○○について思うこと
(通称:思う)


「あとがき」が異なる相方の記事は下記リンク先に掲載されています。
こちらにも是非ご訪問ください。




当記事は、「note-M1グランプリ(note-真顔で文字を書いて笑わせる1グランプリ)」応募作品です。



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