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不登校のその先にあるもの 〜学校復帰=ハッピーエンド…ではない〜

1.我が家の現在

息子が不登校から学校復帰して、1ヶ月半が経とうとしている。

4月の始業式から今日まで、休んだのは2日。

不登校になった時は、「6時間授業の日がキツイんだよね」そう言っていた。

その当時は、6時間授業は週2回。
今は、6時間授業が週4回。

よく頑張っていると思う。

不登校の時は、こんな日が来るって想像つかなかったなぁ…。

でも。

「学校復帰=ハッピーエンド」…ではないのだ。

これは、作られた物語じゃないから。

人生は、不安定な地面を、ひとつひとつ足場を確かめながら進んでいくものだから。

今日は、そんな話です。

2.「学校に行くようになった=学校楽しい!」…ではない

不登校の頃はなんとなく、学校に復帰したら、毎日楽しい〜!って学校に行くようなイメージがあった。

実際は、そんなことはない。

そりゃそうだ。

不登校になっていない、毎日学校に行っている子でも、毎日嫌なこともいいことも山盛りだ。

もともと嫌なことや不安なことがあって不登校になった子が、「毎日楽しい〜🎵」って通うはずがない。

良くて最初の1ヶ月…いや、1週間かな。
最初は、学校通えるようになった嬉しさと達成感から興奮状態だけれど、いつかまた壁にぶち当たる。

そんな覚悟はしていた。

それでも、通えるようになった達成感に水を差す気はなかったし、十分に楽しんでほしい…と思っていた。

毎日「学校に通えるようになって良かったね〜」と言っていた。

「学校は楽しいんだけど、行くまでが嫌なんだよな〜」そんなことを言いながら通うようになり、とうとう出た。

「学校行かない!!!!」

3.「学校行かない!!」その時どうする?

「学校に行かない!」
…そう言われた時、どうするか。

今の、我が家の場合。


話をして、とことん話をしたら、行く選択肢になった。


1度目は、始業式の次の日。

日直嫌だなーとか、自己紹介嫌だなーとか、前の日から言ってた。

そして、朝になって、いきなり来た。
「行かない!!!」

ギリギリまで、様子を見た。

朝ご飯を食べるよう促したり、好きなテレビを見たり、共感したり、励ましたり。

でも、行かなかった。

「また、不登校に戻るのかな」そんな考えが頭をよぎった。

とりあえず、迎えに来てくれた友達を見送って、そのあと息子ととことん話をした。

昨年の不登校の間、どんな気持ちで頑張ってきたのか。
親の私の気持ちはもちろんだが、息子の気持ちも。

「学校に行けるようになりたいから、がんばってるんだよね?」
「そりゃそうだよ!」

放課後登校やドリルを渋る息子に、確認したこと。

息子は、できたりできなかったりを繰り返して、少しずつ前に進んで、ここまできた。

そのことを思い出せた。

「学校に行ってない日も、楽ではあったけど、苦しかったよね?」
「もう一回やりたい?」
「先生、喜んでいたよ」

そんな話をした。

しばらく布団にうずくまっていた息子は言った。

「明日は、学校に行く。明日休んだら、ゲームも、YouTubeも、パソコンも、没収して良いよ」

それで、その日は、お休みして、次の日は、学校に行った。

これが、我が家の場合である。


4.学校に行き始めた息子の課題

学校に行き始めたら、毎日が楽しくてしょうがない。

そんなわけ、ないのだ。

不登校の原因がなんだったのか。
原因は、1つでなくて色々あると思う。

転校、環境の変化、勉強が難しくなったこと等の学校の問題。
夫の単身赴任、上の子の反抗期等の家庭内の問題。
息子自身に多少の発達の問題がある可能性も消えてはいない。

でも、息子自身の弱さ・・・も確実にあるのだと思う。

弱いことが悪いというわけでは、ない。

まだ生まれて9年しか経っていない息子。

怖いことがあって当たり前、嫌なことから逃げたくなって当たり前。
自分の弱さを認められなくて、当たり前。

ただ。

これを乗り越える経験を、積み重ねて欲しい。

家庭環境が悪かったら、絶対に学校に行けないのか?
発達に凸凹があったら、学校に行けないのか?

そんなことは、ないと思う。

うまくいかなくてもいい。

自分が行こう、って思ったのなら、挑戦してみて欲しい。
親の私が、背中を押して上げられる内に。
傷ついて帰ってきたときに、受け止められる親がいるうちに。

「一緒に行ってみよう」って、私が手を差し伸べられるうちに。


息子は、これからも様々な課題にぶち当たることだろう。

自分のできないこと、弱いところ、いろんなところに向き合うことになる。
そのときに、目をそらさずに向き合って欲しい。

学校に行けるようになる=ハッピーエンド

ではない。

むしろ、スタートだ。
また不登校になる可能性だって、ゼロじゃない。

そのときに、私はどうしたらいいだろう。
どうするだろう。

そんなことも考える。


とりあえず、がんばれ、息子。
楽しめるときは、思いっきり学校を楽しんでこい。

そんな気持ちで、毎日送り出している私です。

★ちなみに・・・★

嫌だった日直について、一ヶ月後に再度日直が回ってきたとき、
前の日の夜から「明日は行かない!!」、朝になっても「今日は行かない!!!」と言っていた息子でしたが、結局学校に行きました。

帰ってきたとき「日直、意外と簡単だったよ!!」とすっきりした顔に、笑ってしまいました。

不安の強い息子。「嫌だったけど、乗り越えられた」の経験を積んで、「自分ならできる」という自分自身への信頼を獲得していって欲しいと思います。



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